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19.猫プレイとか割と特殊な性癖だと思います
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とりあえずヴァンさんには、少し離れてもらいました。
そして、僕を見つめながら何かをすごい訴えかけてくるシューゾーの熱い眼差しからほとばしる熱いパトスを感じます。
例えるならば『本気になれば自分が変わる!本気になれば全てが変わる!!お米食べろ!!』というような気持ちを感じます。
まさにシューゾーは太陽の申し子かもしれません。そう思うと大変ありがたいお猫様なのかもしれません。
そんなことを考えるとついついもふもふしたくなります。
「みゅーみゅー!!」
「シューゾーはもしかしてお猫様ですか??ヨハネ様のような立派なお猫様ですか??」
「みゅー??」
やはり猫は良いです。ヨハネ様にお会いできていないのは悲しいですが、シューゾーとの出会いが何か運命を変えてくれる可能性もあります。
そんなことを考えてシューゾーとふたりの世界に入っていると……。
「ルドルフ、猫をモフってばかりいないで俺の方も見てくれ、むしろ俺をモフってくれてもいいぞ、にゃーん」
などと訳の分からないことを言い始めるヴァンさん。もしかして猫になりきってプレイしたいとかいう特殊な性癖をお持ちなのでしょうか。
正直、現代日本、変態大国日本を生きた僕はちょっとやそっとの性癖には動じませんが、猫プレイをしたいというのは割と高難易度ではあります。
「……ヴァンさんはその、特殊性癖なのですね。それについて僕はある程度許容できるタイプですが貴族社会ではあまり晒さない方が良いと思います。貴族の方は、割とすごく特殊性癖を持っていらっしゃることがありますが、その中でも猫になりきって甘えたいとかは割となんというか……」
「……ルドルフが冷たい」
何故かいじけるヴァンさんですが、申し訳ありませんが自分より年上っぽい人がやっても可愛くありません。
「……それより、僕を守ると先ほどおっしゃいましたがきれいなミゲルについて何か気になったのですか??」
「サドル子爵令息がというより、色々なことを合わせた結果、彼があまりよくない可能性が高いと判断した」
今までのおふざけを全部帳消しにするくらいの勢いで真面目な顔をしているヴァンさん。その妙に確信した表情が気になります。
「どのあたりで判断されたのですか??」
「……そうだな、例えばこの『世界樹の涙』だ」
それを僕の前に置くとヴァンさんは、無遠慮につかみました。
「わぁ、だめですよ!!これは国宝クラスの宝で……」
「問題ない。これはよくできているがイミテーションだろう」
ヴァンさんは言いきりました。その確信めいた発言に思わず僕は首を傾げました。
「何故それがわかるのですか??もしかして、ヴァンさんは……鑑定スキルもお持ちなのですか??」
思わず脳内に転生者あるあるが浮かびました。鑑定スキルというってその世界の人間の諸々の情報が見えるヤツです。もしそれをヴァンさんが使えるならそれはそれで、このまま仲良くしていれば僕の生存率が上がりそうです。
しかし、その言葉にヴァンさんは首を横に振りました。
「そうじゃない。ただ、これはオパールだ。そして、先ほどそこの猫によって結構な衝撃が与えられてだろう??それなのに傷ひとつついてない」
「むしろ傷ついたら僕は焦りますが……」
「オパールはな、とても衝撃に弱く傷がつきやすい宝石だ、それがあの衝撃で無傷であるということは偽物である可能性が俺は高いと思っている。そして、これが偽物ならあいつの思惑もおのずと分かる」
僕は宝石についてはからっきしですが、どうやらオパールは衝撃に弱く傷つきやすい宝石らしいです。僕個人としては単純に太陽神の加護で傷付かずにすんだのではと内心で思ってましたが、さらにヴァンさんが続けます。
「これが偽物なら、もしお前がこれを社交の場につけて行った時に、ジョバンニが攻撃する恰好の的になるだろう。ベガ公爵家の令息が偽物の宝石を掴まされたと」
「でも、ジョバンニがその場でこれが偽物と言い切ったりできますかね??」
疑問に思う僕に対して、ヴァンさんがそれはそれは魔王みたいな笑みを浮かべて言いました。
「できるさ。あいつが本物を社交の場にしていく日に合わせればな」
そして、僕を見つめながら何かをすごい訴えかけてくるシューゾーの熱い眼差しからほとばしる熱いパトスを感じます。
例えるならば『本気になれば自分が変わる!本気になれば全てが変わる!!お米食べろ!!』というような気持ちを感じます。
まさにシューゾーは太陽の申し子かもしれません。そう思うと大変ありがたいお猫様なのかもしれません。
そんなことを考えるとついついもふもふしたくなります。
「みゅーみゅー!!」
「シューゾーはもしかしてお猫様ですか??ヨハネ様のような立派なお猫様ですか??」
「みゅー??」
やはり猫は良いです。ヨハネ様にお会いできていないのは悲しいですが、シューゾーとの出会いが何か運命を変えてくれる可能性もあります。
そんなことを考えてシューゾーとふたりの世界に入っていると……。
「ルドルフ、猫をモフってばかりいないで俺の方も見てくれ、むしろ俺をモフってくれてもいいぞ、にゃーん」
などと訳の分からないことを言い始めるヴァンさん。もしかして猫になりきってプレイしたいとかいう特殊な性癖をお持ちなのでしょうか。
正直、現代日本、変態大国日本を生きた僕はちょっとやそっとの性癖には動じませんが、猫プレイをしたいというのは割と高難易度ではあります。
「……ヴァンさんはその、特殊性癖なのですね。それについて僕はある程度許容できるタイプですが貴族社会ではあまり晒さない方が良いと思います。貴族の方は、割とすごく特殊性癖を持っていらっしゃることがありますが、その中でも猫になりきって甘えたいとかは割となんというか……」
「……ルドルフが冷たい」
何故かいじけるヴァンさんですが、申し訳ありませんが自分より年上っぽい人がやっても可愛くありません。
「……それより、僕を守ると先ほどおっしゃいましたがきれいなミゲルについて何か気になったのですか??」
「サドル子爵令息がというより、色々なことを合わせた結果、彼があまりよくない可能性が高いと判断した」
今までのおふざけを全部帳消しにするくらいの勢いで真面目な顔をしているヴァンさん。その妙に確信した表情が気になります。
「どのあたりで判断されたのですか??」
「……そうだな、例えばこの『世界樹の涙』だ」
それを僕の前に置くとヴァンさんは、無遠慮につかみました。
「わぁ、だめですよ!!これは国宝クラスの宝で……」
「問題ない。これはよくできているがイミテーションだろう」
ヴァンさんは言いきりました。その確信めいた発言に思わず僕は首を傾げました。
「何故それがわかるのですか??もしかして、ヴァンさんは……鑑定スキルもお持ちなのですか??」
思わず脳内に転生者あるあるが浮かびました。鑑定スキルというってその世界の人間の諸々の情報が見えるヤツです。もしそれをヴァンさんが使えるならそれはそれで、このまま仲良くしていれば僕の生存率が上がりそうです。
しかし、その言葉にヴァンさんは首を横に振りました。
「そうじゃない。ただ、これはオパールだ。そして、先ほどそこの猫によって結構な衝撃が与えられてだろう??それなのに傷ひとつついてない」
「むしろ傷ついたら僕は焦りますが……」
「オパールはな、とても衝撃に弱く傷がつきやすい宝石だ、それがあの衝撃で無傷であるということは偽物である可能性が俺は高いと思っている。そして、これが偽物ならあいつの思惑もおのずと分かる」
僕は宝石についてはからっきしですが、どうやらオパールは衝撃に弱く傷つきやすい宝石らしいです。僕個人としては単純に太陽神の加護で傷付かずにすんだのではと内心で思ってましたが、さらにヴァンさんが続けます。
「これが偽物なら、もしお前がこれを社交の場につけて行った時に、ジョバンニが攻撃する恰好の的になるだろう。ベガ公爵家の令息が偽物の宝石を掴まされたと」
「でも、ジョバンニがその場でこれが偽物と言い切ったりできますかね??」
疑問に思う僕に対して、ヴァンさんがそれはそれは魔王みたいな笑みを浮かべて言いました。
「できるさ。あいつが本物を社交の場にしていく日に合わせればな」
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