17 / 41
16.トイレの神様からなんかすごいことをよくわからないけど聞きました
しおりを挟む
「しかし、いざ考えるとなると難しいですね」
ポツリとひとり呟いた。首コロリ10回も経験していますが、その大きな原因は自身の頭脳であるということは把握済みです。
残念なことによくある転生モノの賢い主人公のような知恵や機転は僕にはありません。
しかし、僕は太陽神を信じる者。故にネバーギブアップの精神、ささやかなことでは諦めない熱い魂をもっているということを自負しています。
頭は良くなくても体が覚えるまで自身が分かるまで頑張り乗り越えようの精神で今までもやってきました。
(なるほど、だからお前のチートは『時間遡行』だったのだな)
「えっ!!誰です??」
思わず叫んでしまった。それもそうだろう。いきなり脳内に声が響いたのだから。
驚いて辺りを見るが狭いトイレの個室に当然誰かが居る訳がない。
「どうした!!ルドルフ大丈夫か!!今すぐ助けにいくぞ!!くそ、この腐れドアノブめ。俺とルドルフを引き裂くな!!」
僕の叫び声を聞いたヴァンさんがなんかトイレのドアノブをガシャガシャして壊そうとしてます。怖いです。
というか今ドアを破壊されると下半身丸出しの僕とヴァンさんが相まみれてしまいます。絶対無理です。
「違います!!ちょっと勘違いです。妄想していたらなんかこう脳内に太陽神の偉大なるお声が聞こえた気がしたのでびっくりしました」
自分でも明らかに嘘だと分かるようなことを叫んでいました。
いくら僕がアホの子と思われていてもこれはアホというより毒電波が過ぎます。そう思ったのですが……。
「そうか。分かった。ただ、そのトイレから出たら悩みとかあれば俺が相談に乗るからあまり脳内の太陽神とやらにだけ相談するのはやめてくれ。だいじょ……いや、無理はするな」
なんでしょうか、心なしかものすごく気を遣っている感じの言葉が返ってきてしまいました。明らかに腫れ物に触れる感じのその言葉にちょっとムカつきましたが、あまり追及されるとまずいので今は好都合でもあります。
「ありがとうございます。それについては後ほど」
とりあえず当たり障りなく返して、僕はなんとなく脳内に話しかけてみました。
(あの、どなたですか??)
(俺はこの世界の神だ)
「な、なんと!!」
また思わず声が出てしまいましたが、ヴァンさんは沈黙していますのでそのまま脳内に話しかけました。
(この世界の神様、何故いきなり話しかけてきたのですか??)
その問いかけに神様は答えました。
(ずっと話しかけていたが、お前にはこの場所でしか声が聞こえないらしい。他の者も夢とか話しかけられる場所は人それぞれみたいだからそこは気にしないでいい)
そう答えた、男性とも女性とも言い難い声にかなりびっくりしましたが、気になることがあったのでそのまま話を続けました。
(僕の能力が『時間遡行』といいましたが、この首コロリ10回の件もそれが原因なんですか??)
(そうだ。お前が異世界転生モノとか言っている設定のように別の世界からこちらへ転生する時、前の世界の神が餞別に1つ能力を与える。大体はその人間が望んだものが与えられるようだがお前のように自身が把握していない能力を与えられるものもいるようだ)
なんかすごいことになってきました。いきなりトイレで神様に話しかけるなんて。しかもこの場所でしか話かけられないそうなので、これこそが本当のトイレの神様ですね。
この脳内の方のことは偉大なる太陽神と区別すべくトイレの神様と呼ぶことにしました。
(……俺はトイレの神様でなく世界の神だ。まぁいい。本来ならチート能力は転生1回限りで次に同じ世界で転生した時は消えるものだが、お前は既にこの世界で複数回生まれ変わっているので本来なら能力は使えないはずだ。しかし、この世界に転生してから、その能力を使用しなかったので、そのまま繰り越し繰り越しされて今の生ではじめて発動したというイレギュラーな存在だ)
全くわかりませんが、トイレの神様は僕になんか一方的にすごいことを話しています。どうすべきがよくわかりませんがとりあえず聞いていましょう。
(だからこそ、その想定外の力でアレとお前は戦うことができるし、アレを滅ぼすことができるかもしれない)
(アレってなんですか??)
アレとかコレって言われると僕はとても気になります。なんでしょう、僕、気になります。
(アレ、それはこの世界でジョバンニと呼ばれている転生者だ。あいつが……)
神様が、何か言いかけた時でした。突然、さっきまで静かだったヴァンさんがトイレの扉をノックしたのです。
「その、大きな方をしている最中にすまない。どうやらあいつ、サドル子爵令息が来たようだ。どうする??追い返すか??」
生き生きと追い返したがっているヴァンさん。
先ほどの血文字は気になりますが僕としては彼に会ってから見定めたいと思ったので、このままヴァンさんに任せるわけにはいきませんし、大きな誤解があるのでそこも解決しないとです。
「いえ、僕は直接ミゲルに会います。後、大きい方はしてません」
そう大切な誤解を解きながらトイレから出た僕は手を洗って、ミゲルと会うために彼を待たせているらしい来客用の部屋へずっとついてくるヴァンさんと向かいました。
ポツリとひとり呟いた。首コロリ10回も経験していますが、その大きな原因は自身の頭脳であるということは把握済みです。
残念なことによくある転生モノの賢い主人公のような知恵や機転は僕にはありません。
しかし、僕は太陽神を信じる者。故にネバーギブアップの精神、ささやかなことでは諦めない熱い魂をもっているということを自負しています。
頭は良くなくても体が覚えるまで自身が分かるまで頑張り乗り越えようの精神で今までもやってきました。
(なるほど、だからお前のチートは『時間遡行』だったのだな)
「えっ!!誰です??」
思わず叫んでしまった。それもそうだろう。いきなり脳内に声が響いたのだから。
驚いて辺りを見るが狭いトイレの個室に当然誰かが居る訳がない。
「どうした!!ルドルフ大丈夫か!!今すぐ助けにいくぞ!!くそ、この腐れドアノブめ。俺とルドルフを引き裂くな!!」
僕の叫び声を聞いたヴァンさんがなんかトイレのドアノブをガシャガシャして壊そうとしてます。怖いです。
というか今ドアを破壊されると下半身丸出しの僕とヴァンさんが相まみれてしまいます。絶対無理です。
「違います!!ちょっと勘違いです。妄想していたらなんかこう脳内に太陽神の偉大なるお声が聞こえた気がしたのでびっくりしました」
自分でも明らかに嘘だと分かるようなことを叫んでいました。
いくら僕がアホの子と思われていてもこれはアホというより毒電波が過ぎます。そう思ったのですが……。
「そうか。分かった。ただ、そのトイレから出たら悩みとかあれば俺が相談に乗るからあまり脳内の太陽神とやらにだけ相談するのはやめてくれ。だいじょ……いや、無理はするな」
なんでしょうか、心なしかものすごく気を遣っている感じの言葉が返ってきてしまいました。明らかに腫れ物に触れる感じのその言葉にちょっとムカつきましたが、あまり追及されるとまずいので今は好都合でもあります。
「ありがとうございます。それについては後ほど」
とりあえず当たり障りなく返して、僕はなんとなく脳内に話しかけてみました。
(あの、どなたですか??)
(俺はこの世界の神だ)
「な、なんと!!」
また思わず声が出てしまいましたが、ヴァンさんは沈黙していますのでそのまま脳内に話しかけました。
(この世界の神様、何故いきなり話しかけてきたのですか??)
その問いかけに神様は答えました。
(ずっと話しかけていたが、お前にはこの場所でしか声が聞こえないらしい。他の者も夢とか話しかけられる場所は人それぞれみたいだからそこは気にしないでいい)
そう答えた、男性とも女性とも言い難い声にかなりびっくりしましたが、気になることがあったのでそのまま話を続けました。
(僕の能力が『時間遡行』といいましたが、この首コロリ10回の件もそれが原因なんですか??)
(そうだ。お前が異世界転生モノとか言っている設定のように別の世界からこちらへ転生する時、前の世界の神が餞別に1つ能力を与える。大体はその人間が望んだものが与えられるようだがお前のように自身が把握していない能力を与えられるものもいるようだ)
なんかすごいことになってきました。いきなりトイレで神様に話しかけるなんて。しかもこの場所でしか話かけられないそうなので、これこそが本当のトイレの神様ですね。
この脳内の方のことは偉大なる太陽神と区別すべくトイレの神様と呼ぶことにしました。
(……俺はトイレの神様でなく世界の神だ。まぁいい。本来ならチート能力は転生1回限りで次に同じ世界で転生した時は消えるものだが、お前は既にこの世界で複数回生まれ変わっているので本来なら能力は使えないはずだ。しかし、この世界に転生してから、その能力を使用しなかったので、そのまま繰り越し繰り越しされて今の生ではじめて発動したというイレギュラーな存在だ)
全くわかりませんが、トイレの神様は僕になんか一方的にすごいことを話しています。どうすべきがよくわかりませんがとりあえず聞いていましょう。
(だからこそ、その想定外の力でアレとお前は戦うことができるし、アレを滅ぼすことができるかもしれない)
(アレってなんですか??)
アレとかコレって言われると僕はとても気になります。なんでしょう、僕、気になります。
(アレ、それはこの世界でジョバンニと呼ばれている転生者だ。あいつが……)
神様が、何か言いかけた時でした。突然、さっきまで静かだったヴァンさんがトイレの扉をノックしたのです。
「その、大きな方をしている最中にすまない。どうやらあいつ、サドル子爵令息が来たようだ。どうする??追い返すか??」
生き生きと追い返したがっているヴァンさん。
先ほどの血文字は気になりますが僕としては彼に会ってから見定めたいと思ったので、このままヴァンさんに任せるわけにはいきませんし、大きな誤解があるのでそこも解決しないとです。
「いえ、僕は直接ミゲルに会います。後、大きい方はしてません」
そう大切な誤解を解きながらトイレから出た僕は手を洗って、ミゲルと会うために彼を待たせているらしい来客用の部屋へずっとついてくるヴァンさんと向かいました。
23
お気に入りに追加
2,032
あなたにおすすめの小説
急に運命の番と言われても。夜会で永遠の愛を誓われ駆け落ちし、数年後ぽい捨てされた母を持つ平民娘は、氷の騎士の甘い求婚を冷たく拒む。
石河 翠
恋愛
ルビーの花屋に、隣国の氷の騎士ディランが現れた。
雪豹の獣人である彼は番の匂いを追いかけていたらしい。ところが花屋に着いたとたんに、手がかりを失ってしまったというのだ。
一時的に鼻が詰まった人間並みの嗅覚になったディランだが、番が見つかるまでは帰らないと言い張る始末。ルビーは彼の世話をする羽目に。
ルビーと喧嘩をしつつ、人間についての理解を深めていくディラン。
その後嗅覚を取り戻したディランは番の正体に歓喜し、公衆の面前で結婚を申し込むが冷たく拒まれる。ルビーが求婚を断ったのには理由があって……。
愛されることが怖い臆病なヒロインと、彼女のためならすべてを捨てる一途でだだ甘なヒーローの恋物語。
この作品は、他サイトにも投稿しております。
扉絵は写真ACより、チョコラテさまの作品(ID25481643)をお借りしています。
博愛主義の成れの果て
135
BL
子宮持ちで子供が産める侯爵家嫡男の俺の婚約者は、博愛主義者だ。
俺と同じように子宮持ちの令息にだって優しくしてしまう男。
そんな婚約を白紙にしたところ、元婚約者がおかしくなりはじめた……。


お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。

じゃない方の私が何故かヤンデレ騎士団長に囚われたのですが
カレイ
恋愛
天使な妹。それに纏わりつく金魚のフンがこの私。
両親も妹にしか関心がなく兄からも無視される毎日だけれど、私は別に自分を慕ってくれる妹がいればそれで良かった。
でもある時、私に嫉妬する兄や婚約者に嵌められて、婚約破棄された上、実家を追い出されてしまう。しかしそのことを聞きつけた騎士団長が何故か私の前に現れた。
「ずっと好きでした、もう我慢しません!あぁ、貴方の匂いだけで私は……」
そうして、何故か最強騎士団長に囚われました。

愛する殿下の為に身を引いたのに…なぜかヤンデレ化した殿下に囚われてしまいました
Karamimi
恋愛
公爵令嬢のレティシアは、愛する婚約者で王太子のリアムとの結婚を約1年後に控え、毎日幸せな生活を送っていた。
そんな幸せ絶頂の中、両親が馬車の事故で命を落としてしまう。大好きな両親を失い、悲しみに暮れるレティシアを心配したリアムによって、王宮で生活する事になる。
相変わらず自分を大切にしてくれるリアムによって、少しずつ元気を取り戻していくレティシア。そんな中、たまたま王宮で貴族たちが話をしているのを聞いてしまう。その内容と言うのが、そもそもリアムはレティシアの父からの結婚の申し出を断る事が出来ず、仕方なくレティシアと婚約したという事。
トンプソン公爵がいなくなった今、本来婚約する予定だったガルシア侯爵家の、ミランダとの婚約を考えていると言う事。でも心優しいリアムは、その事をレティシアに言い出せずに悩んでいると言う、レティシアにとって衝撃的な内容だった。
あまりのショックに、フラフラと歩くレティシアの目に飛び込んできたのは、楽しそうにお茶をする、リアムとミランダの姿だった。ミランダの髪を優しく撫でるリアムを見た瞬間、先ほど貴族が話していた事が本当だったと理解する。
ずっと自分を支えてくれたリアム。大好きなリアムの為、身を引く事を決意。それと同時に、国を出る準備を始めるレティシア。
そして1ヶ月後、大好きなリアムの為、自ら王宮を後にしたレティシアだったが…
追記:ヒーローが物凄く気持ち悪いです。
今更ですが、閲覧の際はご注意ください。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる