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10.熱い心のメイドとの迎合といきなりの急展開
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あの後、一触即発になるとおもったけれど以外にも兄のカールがうまく収めたので特になにも起きず私はそのまま部屋まで戻ることになった。
そして、昨日、例の証言をしてくれたランドリーメイドが部屋に戻ると待っていた。彼女はアンという名前で貴族の落胤の平民だと教えてくれた。貴族の屋敷で働いているのは、自身の父親を捜してからだそうだ。
アンは中々にハングリー精神が旺盛で私とはとても相性が良かった。
エミリーがあのような状態になってしまったので、代わりのメイドが必要だったが結局、私のメイドに新しくなるものが何故かいないらしく一旦アンが引き受けたのだと教えてくれた。
「私は、ちゃんとしたメイドの経験はないですが一所懸命お嬢様に尽くします。一つの所に命を懸けます!!」
そう熱く語る姿はどこか太陽の化身を思わせるような明るさがあったので、そんな彼女に私も闘魂を注入すべく、
「馬鹿になれとことん馬鹿になれ恥をかけ。とことん恥をかけ」と私の神の言葉を語ると、真剣に彼女は聞いてなんなら涙を流してその場にひれ伏した。
「お嬢様、どうか私に気合を入れてください」
「わかったわ、では……」
とアンに気合を入れようとした時、無遠慮に部屋の扉が開いてそこにはこの家の家令リチャードが立っていた。
「家令様、いくら家令様でもノックもなくお嬢様の部屋に入るなんて、流石に失礼ではないでしょうか??」
私の前に仁王立ちしたアンにリチャードは舌打ちをしてから、私の方を生気のない目で見るが、そのまま何も言わずただ無言でこちらを見つめている。
「……何かよう??」
「……公爵様が、何者かに襲われて意識不明に……」
想像とは全く違う言葉に、私は驚いたがすぐに冷静に考える。
「犯人は捕まった??」
「……いえ。昨晩、私が最後にお会いした後に何者かに襲われたのです」
その言葉に私を通り魔のように襲おうとしたエミリーを思い出すが、それを察したのかリチャードはさらに続けた。
「犯人はエミリーではありません。その時間彼女どこかへ外出していたことは門番が確認していました。今犯人は総力を挙げて探しておりますが、現状公爵様が不在という状況ですので、アウストリア公爵家のことは奥様が判断される形になります」
「……そう、だから私のメイドはアンひとりなのね。ならば、直接抗議するより仕方ないわね」
正直、自分の世話は自分で見れるが、アンにワンオペという根性論で働かせるのが嫌だった。私は、根性は好きだが根性論は大嫌いなのだ。
「……お嬢様、今話した通り主は今、奥様です。奥様に逆らうのは……」
リチャードの言葉を聞いても私の心が変わることは当然ない。大体、今のままでは公爵令嬢としての価値や、やれることを生かせないままタイムリミットを迎えてしまう気がしたからだ。
「大丈夫、人間の急所のひとつである鼻あたりを殴れば誰だって仕留められる」
「いくら気に入らないとはいえ暴力を振るうのは頂けない」
世の心理を話し中に、部屋の中へなぜかカールもやってきた。
「……お兄様」
あまり役に立たないだろう兄の登場に特に何か感じるところはない。私はそれを無視して部屋を出ようとしたが、カールが突然腕を掴んだ。
フン!!
私は本能的にいきなり襲われたら相手を投げ飛ばしてしまうため、勢いよくカールを投げた。いきなりの出来事だったが一応騎士として鍛えているカールは受け身をとり気絶は免れてしまったらしい。
「……フアナ、あーっ。あのな、俺はお前を不利にしたい訳じゃない。むしろ今この家に居ることが危険だから、王城に戻るのが良いかと思ったんだが……」
「……王城ね」
カールの言葉にフアナが受けていた王妃教育が蘇ってきた。
そして、昨日、例の証言をしてくれたランドリーメイドが部屋に戻ると待っていた。彼女はアンという名前で貴族の落胤の平民だと教えてくれた。貴族の屋敷で働いているのは、自身の父親を捜してからだそうだ。
アンは中々にハングリー精神が旺盛で私とはとても相性が良かった。
エミリーがあのような状態になってしまったので、代わりのメイドが必要だったが結局、私のメイドに新しくなるものが何故かいないらしく一旦アンが引き受けたのだと教えてくれた。
「私は、ちゃんとしたメイドの経験はないですが一所懸命お嬢様に尽くします。一つの所に命を懸けます!!」
そう熱く語る姿はどこか太陽の化身を思わせるような明るさがあったので、そんな彼女に私も闘魂を注入すべく、
「馬鹿になれとことん馬鹿になれ恥をかけ。とことん恥をかけ」と私の神の言葉を語ると、真剣に彼女は聞いてなんなら涙を流してその場にひれ伏した。
「お嬢様、どうか私に気合を入れてください」
「わかったわ、では……」
とアンに気合を入れようとした時、無遠慮に部屋の扉が開いてそこにはこの家の家令リチャードが立っていた。
「家令様、いくら家令様でもノックもなくお嬢様の部屋に入るなんて、流石に失礼ではないでしょうか??」
私の前に仁王立ちしたアンにリチャードは舌打ちをしてから、私の方を生気のない目で見るが、そのまま何も言わずただ無言でこちらを見つめている。
「……何かよう??」
「……公爵様が、何者かに襲われて意識不明に……」
想像とは全く違う言葉に、私は驚いたがすぐに冷静に考える。
「犯人は捕まった??」
「……いえ。昨晩、私が最後にお会いした後に何者かに襲われたのです」
その言葉に私を通り魔のように襲おうとしたエミリーを思い出すが、それを察したのかリチャードはさらに続けた。
「犯人はエミリーではありません。その時間彼女どこかへ外出していたことは門番が確認していました。今犯人は総力を挙げて探しておりますが、現状公爵様が不在という状況ですので、アウストリア公爵家のことは奥様が判断される形になります」
「……そう、だから私のメイドはアンひとりなのね。ならば、直接抗議するより仕方ないわね」
正直、自分の世話は自分で見れるが、アンにワンオペという根性論で働かせるのが嫌だった。私は、根性は好きだが根性論は大嫌いなのだ。
「……お嬢様、今話した通り主は今、奥様です。奥様に逆らうのは……」
リチャードの言葉を聞いても私の心が変わることは当然ない。大体、今のままでは公爵令嬢としての価値や、やれることを生かせないままタイムリミットを迎えてしまう気がしたからだ。
「大丈夫、人間の急所のひとつである鼻あたりを殴れば誰だって仕留められる」
「いくら気に入らないとはいえ暴力を振るうのは頂けない」
世の心理を話し中に、部屋の中へなぜかカールもやってきた。
「……お兄様」
あまり役に立たないだろう兄の登場に特に何か感じるところはない。私はそれを無視して部屋を出ようとしたが、カールが突然腕を掴んだ。
フン!!
私は本能的にいきなり襲われたら相手を投げ飛ばしてしまうため、勢いよくカールを投げた。いきなりの出来事だったが一応騎士として鍛えているカールは受け身をとり気絶は免れてしまったらしい。
「……フアナ、あーっ。あのな、俺はお前を不利にしたい訳じゃない。むしろ今この家に居ることが危険だから、王城に戻るのが良いかと思ったんだが……」
「……王城ね」
カールの言葉にフアナが受けていた王妃教育が蘇ってきた。
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