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第六章 裏切った人
【33】
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文嘉大との合同合宿まであと十日。ついこの間、入学式を終えて新たな部員を迎え入れたばかりなのに、あっという間にゴールデンウィークだ。
すみれと美咲は合宿のしおりを任されていた。
「ここは去年と同じでいいよね」
美咲は「基本の手話」と題したページをめくりながらつぶやいた。
「うん、それ、分かりやすかったもんね。全部作り直すとなると大変だし」
「あとは今年のオリエンテーションのプログラムだけか」
美咲がどうする、というように視線を向けてくる。
「そこは私が作るよ。週明けで大丈夫でしょ」
「じゃ、任せたね」
仕事もひと段落し、部室を出ようかというところで、すみれは言いにくそうに切り出した。
「美咲、明日なんだけど……」
「なに? またうちに泊まったことにして欲しいの?」
「……うん」
「純平くん?」
「そう、だよ」
土曜日は純平と会う約束をしていた。長門に襲われてデートをすっぽかしてからだから、もうひと月半ぶりか。こんなに会わなかったのは、付き合いだしてから初めてのことだ。
当然、身体を求められるだろう。ただ、もう肉体は以前の自分ではない。肌を重ねた時、無意識に淫らな反応をしてしまいそうで怖かった。
それを純平に指摘されたらーー。
(どうしよう……)
今までは楽しみで仕方なかったデートなのに、今は気が重いだけだ。
表情を曇らせるすみれを、美咲は不思議そうな目を向ける。
「なんて顔してんのよ。デートなんでしょ。もっと嬉しそうにしなさいよ」
「え、ああ。じゃあ、お願いね」
「オッケー」
「じゃあ私、バイトあるから」
夜営業の最後の客を見送ると、すみれは制服姿のまま長門に持ちかけた。
「サトシさん、明日の夜はバイト、お休みしていいですか」
「ん? 明日は土曜か。客も少ないしな。いいぞ。純平とデートか」
「……はい」
「久しぶりなんじゃないのか」
「ひと月半ぶり、です」
「そんなに会ってないのか。そりゃそうか。俺と毎日のようにしてたら、彼氏と会う時間なんてないよな」
すみれの眉がピクッと動いた。長門はそれを見逃さない。
「好きでやってるんじゃありません、か。毎日、俺のチンポであんなによがってるくせに」
「そんな言い方……やめてくだ、ン」
言い終わる前に長門の舌が侵入してきた。
最近ではもう、抵抗することもなく、されるがままだ。
大きな手のひらでブラウス越しに胸をまさぐられると、身体中の力がみるみる抜けていく。
ノーブラのバストは、既に乳首が痛いほどしこっていた。
「はぁぁ……」
「久しぶりなら、うんとセクシーな恰好していけ。純平をムラムラさせてやれよ」
長門がからかうように言うと、すみれはイヤイヤと首を振った。
「俺がファッションチェックしてやる。行く前に写真送るんだぞ」
耳たぶを甘噛みされ、熱い息を吹き込まれた。耳の中を舌が這い回ると、ジーンと痺れるような感覚が頭の中を走る。純平とのセックスでは知らなかった性感帯だ。
(気持ちいい……)
頭の中に霞がかかったようだ。もう何も考えられなくなってくる。
不意に長門の声が響いた。
「じゃあ、明日の練習でもしておくか」
「え?」
すみれの右手を取ると、自分の股間に当てがった。
「まだ彼氏にフェラ、したことないんだろ。久しぶりなんだ。少しはサービスしてやれよ」
すみれはためらいがちにジーンズの上から肉棒を包み込む。
最初はソフトに揉みほぐすのが長門の好みだ。
毎日のように事細かに仕込まれたせいか、このごろは何も言われなくても自然に手が動くように躾けられていた。
その間も情熱的な口づけは続いている。すみれは舌をクルクルと絡ませて長門の口内を愛撫する。長門が唾をドロリと垂らす。
「ンン、ン、あぁン」と嬉しそうに喉を鳴らして全て飲み込むと、今度はお返しとばかりに甘い唾液を流し込む。二人の口元はすっかりベトベトだ。
股間の膨らみが熱を帯びてくると、すみれのタッチも次第に大胆になる。
片手で器用にベルトを外すと、ジーンズのボタン、そしてジッパーに手をかけた。ズボンがずり下がると、黒のブリーフに包まれた陰茎に手をやる。優しく揉みしだきながら時折、人さし指でカリ首の辺りを強弱を付けながらさする。
男の情感を高めるテクニックに、長門はキスしていた唇を離して思わず唸った。
「もう我慢できん」
すみれの両肩を上から押し込むと、股間に跪かせ「さあ、脱がせてくれ」と命じた。
すみれはトロンとした瞳で長門に視線を向けると、盛り上がって破裂しそうなブリーフをそっと下ろした。
何度見ても、そのたびに圧倒されるペニスが姿を現す。
(あぁぁ、すごい……。もう、こんな熱くなってる)
さっきまで客がカレーを食べていた店内が、風俗店のような淫靡な空気に包まれる。
長門は跪いているすみれのスカートを捲り上げた。
Tバックのビーズ球が食い込んだ股間が露わになると、すみれはヒップをくねらせる。
反り返ったカリ首に愛おしそうにキスすると、目を見つめたまま「ねぇ、サトシさん、お口でしてもいい? サトシさんの逞しいチンポ、おしゃぶりさせてください」と待ち切れないように卑猥なおねだりを口にするのだった。
すみれと美咲は合宿のしおりを任されていた。
「ここは去年と同じでいいよね」
美咲は「基本の手話」と題したページをめくりながらつぶやいた。
「うん、それ、分かりやすかったもんね。全部作り直すとなると大変だし」
「あとは今年のオリエンテーションのプログラムだけか」
美咲がどうする、というように視線を向けてくる。
「そこは私が作るよ。週明けで大丈夫でしょ」
「じゃ、任せたね」
仕事もひと段落し、部室を出ようかというところで、すみれは言いにくそうに切り出した。
「美咲、明日なんだけど……」
「なに? またうちに泊まったことにして欲しいの?」
「……うん」
「純平くん?」
「そう、だよ」
土曜日は純平と会う約束をしていた。長門に襲われてデートをすっぽかしてからだから、もうひと月半ぶりか。こんなに会わなかったのは、付き合いだしてから初めてのことだ。
当然、身体を求められるだろう。ただ、もう肉体は以前の自分ではない。肌を重ねた時、無意識に淫らな反応をしてしまいそうで怖かった。
それを純平に指摘されたらーー。
(どうしよう……)
今までは楽しみで仕方なかったデートなのに、今は気が重いだけだ。
表情を曇らせるすみれを、美咲は不思議そうな目を向ける。
「なんて顔してんのよ。デートなんでしょ。もっと嬉しそうにしなさいよ」
「え、ああ。じゃあ、お願いね」
「オッケー」
「じゃあ私、バイトあるから」
夜営業の最後の客を見送ると、すみれは制服姿のまま長門に持ちかけた。
「サトシさん、明日の夜はバイト、お休みしていいですか」
「ん? 明日は土曜か。客も少ないしな。いいぞ。純平とデートか」
「……はい」
「久しぶりなんじゃないのか」
「ひと月半ぶり、です」
「そんなに会ってないのか。そりゃそうか。俺と毎日のようにしてたら、彼氏と会う時間なんてないよな」
すみれの眉がピクッと動いた。長門はそれを見逃さない。
「好きでやってるんじゃありません、か。毎日、俺のチンポであんなによがってるくせに」
「そんな言い方……やめてくだ、ン」
言い終わる前に長門の舌が侵入してきた。
最近ではもう、抵抗することもなく、されるがままだ。
大きな手のひらでブラウス越しに胸をまさぐられると、身体中の力がみるみる抜けていく。
ノーブラのバストは、既に乳首が痛いほどしこっていた。
「はぁぁ……」
「久しぶりなら、うんとセクシーな恰好していけ。純平をムラムラさせてやれよ」
長門がからかうように言うと、すみれはイヤイヤと首を振った。
「俺がファッションチェックしてやる。行く前に写真送るんだぞ」
耳たぶを甘噛みされ、熱い息を吹き込まれた。耳の中を舌が這い回ると、ジーンと痺れるような感覚が頭の中を走る。純平とのセックスでは知らなかった性感帯だ。
(気持ちいい……)
頭の中に霞がかかったようだ。もう何も考えられなくなってくる。
不意に長門の声が響いた。
「じゃあ、明日の練習でもしておくか」
「え?」
すみれの右手を取ると、自分の股間に当てがった。
「まだ彼氏にフェラ、したことないんだろ。久しぶりなんだ。少しはサービスしてやれよ」
すみれはためらいがちにジーンズの上から肉棒を包み込む。
最初はソフトに揉みほぐすのが長門の好みだ。
毎日のように事細かに仕込まれたせいか、このごろは何も言われなくても自然に手が動くように躾けられていた。
その間も情熱的な口づけは続いている。すみれは舌をクルクルと絡ませて長門の口内を愛撫する。長門が唾をドロリと垂らす。
「ンン、ン、あぁン」と嬉しそうに喉を鳴らして全て飲み込むと、今度はお返しとばかりに甘い唾液を流し込む。二人の口元はすっかりベトベトだ。
股間の膨らみが熱を帯びてくると、すみれのタッチも次第に大胆になる。
片手で器用にベルトを外すと、ジーンズのボタン、そしてジッパーに手をかけた。ズボンがずり下がると、黒のブリーフに包まれた陰茎に手をやる。優しく揉みしだきながら時折、人さし指でカリ首の辺りを強弱を付けながらさする。
男の情感を高めるテクニックに、長門はキスしていた唇を離して思わず唸った。
「もう我慢できん」
すみれの両肩を上から押し込むと、股間に跪かせ「さあ、脱がせてくれ」と命じた。
すみれはトロンとした瞳で長門に視線を向けると、盛り上がって破裂しそうなブリーフをそっと下ろした。
何度見ても、そのたびに圧倒されるペニスが姿を現す。
(あぁぁ、すごい……。もう、こんな熱くなってる)
さっきまで客がカレーを食べていた店内が、風俗店のような淫靡な空気に包まれる。
長門は跪いているすみれのスカートを捲り上げた。
Tバックのビーズ球が食い込んだ股間が露わになると、すみれはヒップをくねらせる。
反り返ったカリ首に愛おしそうにキスすると、目を見つめたまま「ねぇ、サトシさん、お口でしてもいい? サトシさんの逞しいチンポ、おしゃぶりさせてください」と待ち切れないように卑猥なおねだりを口にするのだった。
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