187 / 1,226
2022/1
1/28
しおりを挟む
お昼前。
今日はメンクリの日。
最近ハイボールに慣れ過ぎたせいか、飲む量が増えている。
妻に「焼酎のように飲みだした」と言われた。
たぶん、6杯以上は飲んでいる。
二日酔いもあまりない。
耐性がついちゃったのかも?
昨日書いた作業所の思い出だが、流れでいい事があった。
それはヤマジュンの本を僕が作業所に持ってきたことで、ある利用者と仲良くなったことだ。
イケボで通っている子なので、ボーくんという名前にしよう。
開所したばかりということもあって、当時仕事がなにもなく、みんなボーッとしていた。
というか、精神疾患を抱えている人は経験があるかもしれないが、みんな精神科の薬を飲んでいるから作業所に来ても、
副作用で寝ちゃう。
これは飲んだことないと、ちょっとわからないと思う。
僕も未だに二度寝しないと、しっかり一日活動を取れない。
正直、無理していたと思う。
んで、開所してしばらくちゃんと毎日来れるメンバーは限られてくる。
みんな遠いところから来たり、疲れたり、単にキツいのだと思う。
そんな中、僕とボーくんはほぼ毎日来ていた。
最初は互いをさんづけして、年が20ぐらい違うので、敬語で話し合っていた。
だが、親交を深めるために、僕は「タメ口にしない?」と提案し、彼もそれをのんでくれた。
しかし、僕が中年なので、どうしても距離感が生まれる。
その間をブチ破ったのが、僕が持ってきたヤマジュンだった。
作業所でなにもやることがないので、彼は僕の持ってきたヤマジュンを何回も何回も読みふける。
フーさん以上に。
穴が開くくらい。
たぶん、毎日4時間ぐらい読んでいたと思う。
僕が隣りに座ると、彼がイケボで言う。
「ウホッ、いい男!」
それも大きな声で、堂々と。
僕はそれを聞いてゲラゲラ笑う。
すると彼も調子に乗って
「いいのか? 俺はノンケまで食っちまう男だぜ?」
と叫ぶ。
笑っているのは僕と彼だけで、他の利用者さんたちは静まり返る。
悪ノリが始まって、僕も乗っかる。
「やらないか?」と言うが、彼が否定する。
「違うよ。もっと腹から声を出して……やらないか!?」(イケボ)
「こう? やらないか?」
「いや、もっとだよ。やらないか!?」
それをかれこれ20分以上二人で繰り返していた。
フーさんは近くで他の利用者さんを指導していたが、気になるようで、僕たちのやり取りをチラ見していた。
もっと悪ノリが過ぎて、僕とボーくんの二人は、作業所の目立つところにヤマジュンを置こうと言いだした。
んで、運営の幹部に見せつけてやろうと。
だが、ある朝、作業所に来たら閉まってあった。
それを見て、僕が言う。
「あ、なんで閉まってんだよ! ボー!」
すると彼が答えた。
「俺じゃないよ」
フーさんが申し訳なさそうに言った。
「味噌村さん、ごめんなさい。お客様が来るから目立たないようにしました……」
「あぁ……そうでしたか」
そして、また僕とボーくんは入口付近で、音読したり叫んで遊ぶ。
だが、作業所には未成年の方も見学に来ることがあるので。
愛読していたボーくんも、その時だけは、本をバタンと閉めていた。
所長が苦笑していた。
今はどうかわかりませんが、当時はそんな作業所でした。
ではまた!
今日はメンクリの日。
最近ハイボールに慣れ過ぎたせいか、飲む量が増えている。
妻に「焼酎のように飲みだした」と言われた。
たぶん、6杯以上は飲んでいる。
二日酔いもあまりない。
耐性がついちゃったのかも?
昨日書いた作業所の思い出だが、流れでいい事があった。
それはヤマジュンの本を僕が作業所に持ってきたことで、ある利用者と仲良くなったことだ。
イケボで通っている子なので、ボーくんという名前にしよう。
開所したばかりということもあって、当時仕事がなにもなく、みんなボーッとしていた。
というか、精神疾患を抱えている人は経験があるかもしれないが、みんな精神科の薬を飲んでいるから作業所に来ても、
副作用で寝ちゃう。
これは飲んだことないと、ちょっとわからないと思う。
僕も未だに二度寝しないと、しっかり一日活動を取れない。
正直、無理していたと思う。
んで、開所してしばらくちゃんと毎日来れるメンバーは限られてくる。
みんな遠いところから来たり、疲れたり、単にキツいのだと思う。
そんな中、僕とボーくんはほぼ毎日来ていた。
最初は互いをさんづけして、年が20ぐらい違うので、敬語で話し合っていた。
だが、親交を深めるために、僕は「タメ口にしない?」と提案し、彼もそれをのんでくれた。
しかし、僕が中年なので、どうしても距離感が生まれる。
その間をブチ破ったのが、僕が持ってきたヤマジュンだった。
作業所でなにもやることがないので、彼は僕の持ってきたヤマジュンを何回も何回も読みふける。
フーさん以上に。
穴が開くくらい。
たぶん、毎日4時間ぐらい読んでいたと思う。
僕が隣りに座ると、彼がイケボで言う。
「ウホッ、いい男!」
それも大きな声で、堂々と。
僕はそれを聞いてゲラゲラ笑う。
すると彼も調子に乗って
「いいのか? 俺はノンケまで食っちまう男だぜ?」
と叫ぶ。
笑っているのは僕と彼だけで、他の利用者さんたちは静まり返る。
悪ノリが始まって、僕も乗っかる。
「やらないか?」と言うが、彼が否定する。
「違うよ。もっと腹から声を出して……やらないか!?」(イケボ)
「こう? やらないか?」
「いや、もっとだよ。やらないか!?」
それをかれこれ20分以上二人で繰り返していた。
フーさんは近くで他の利用者さんを指導していたが、気になるようで、僕たちのやり取りをチラ見していた。
もっと悪ノリが過ぎて、僕とボーくんの二人は、作業所の目立つところにヤマジュンを置こうと言いだした。
んで、運営の幹部に見せつけてやろうと。
だが、ある朝、作業所に来たら閉まってあった。
それを見て、僕が言う。
「あ、なんで閉まってんだよ! ボー!」
すると彼が答えた。
「俺じゃないよ」
フーさんが申し訳なさそうに言った。
「味噌村さん、ごめんなさい。お客様が来るから目立たないようにしました……」
「あぁ……そうでしたか」
そして、また僕とボーくんは入口付近で、音読したり叫んで遊ぶ。
だが、作業所には未成年の方も見学に来ることがあるので。
愛読していたボーくんも、その時だけは、本をバタンと閉めていた。
所長が苦笑していた。
今はどうかわかりませんが、当時はそんな作業所でした。
ではまた!
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
【AIアート入門】pixAIリアルタイム生成で遊ぼう!
矢木羽研
エッセイ・ノンフィクション
無料でブラウザ上から使用できる「pixAI」について、リアルタイム生成を中心に解説。
画像たっぷりでわかりやすいはず。今日からあなたもAI絵師!
※下着姿のイラストを使用しているので念のためR15とさせていただきます。
※スクリーンショットはPCのブラウザから表示したものを使用しています。スマホからは表示が変わるかも知れませんが、基本的には同じです。
※アルファポリスの仕様上、本文のプロンプトなどを通常の手段ではコピーできません。文字入力は最低限になるように配慮してありますが、ご了承ください。
※サイトの仕様などは書いた時点でのものです。
【イラスト帳★創作日記】 ※週2回ほど更新
双葉
エッセイ・ノンフィクション
いつか「双葉の絵柄が好き」と言ってくれる方に巡り合うことができたなら――そんな夢を見つつ、マイペースで更新していきます♪
※2022年~2024年のイラストまとめ
※四コマ漫画風の小ネタも時々掲載
※絵は全て【アイビスペイント】で描いております(各イラストの背景・フレームなどにアイビスペイント内の素材を使用)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる