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第三十一章 ラノベ・マンガ・BL! 三つ巴の戦い!

兄妹っ!

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 唐突の兄妹出現に、俺は驚いていた。
 このピーチと名乗るギャルが、あの豚……じゃなかった、オタク絵師のトマトさんの妹だと?
 顔も全然似てないし、体型なんてもってのほかだ。

 しかし、この子。誰かに似ているような気が……。
「あ!」
 思わず声に出してしまった。
 そうだ。
 俺のクラスメイトであり、今回ラノベのイラストのモデルにもなったギャル。
 花鶴 ここあに、どことなく雰囲気が似ている。
 あそこまで、ビッチさはないが……。
 小型版の花鶴と言った感じ。
 マジか。にぃにってば、妹を性的対象にするタイプなのか。
 キモッ!

 トマトさんの性癖に絶句している俺を見て、白金が首を傾げる。
「DOセンセイ。ピーチ先生の顔をじっと見つめて、一体どうしたんですか? 惚れちゃいました?」
 その一言で我に返る。
「アホか! ちょっと、トマトさんのことで思う事があってな……」
 さすがに妹の前で暴露するわけにはいかんだろう。
「「?」」
 顔を見合わせて、答えを探る白金とピーチ。

  ※

「スケベ先生、にぃには今度から先生と同じ高校に通うっす。色々と教えてあげてくださいっす」
 相変わらず淡々と喋るな、この子。
「了解した。緩い高校だから、心配しなくていいぞ?」
 誰でも入学できて、簡単に卒業できるバカ高校だからな。
「安心っす。自分も一応、全日制コースの三ツ橋に通っているので、ひょっとしたら、校内で会えるかもっす」
「え……ピーチも同じ五ツ橋学園の生徒だったのか?」
「ちっす。これ、自分の生徒手帳っす」
 そう言って、取り出したのは、見覚えのある小さな手帳。
 ずっと前、赤坂 ひなたと初めて出会った時、同じものを見せてもらった。
 ちゃんと三ツ橋高校と明記してある。
 中身を見せてもらうと、確かに写真と名前が書いてある。

『三ツ橋高校1年B組、筑前 桃』

「ん? ピーチの本名って、『もも』と言うのか?」
 フリガナが無いので、そのまま読みあげる。
 だが、彼女は首を横に振る。
「違うっす。自分の名前は、桃と書いてピーチっす。ペンネームじゃないっす」
 ファッ!?
 なんという、キラキラネーム。
「そ、そうなんだ……」
 思わず言葉を失う。
 ここであることに気がつく。
 そう言えば、兄であるトマトさんの本名は、筑前 聖書ちくぜん ばいぶるだったよな。

 バイブルとピーチ……。
 うーん、どこかで聞き覚えが。
「はっ!?」
 あ、察し……。

 恐る恐る彼女に問いかける。
「もしかして、ピーチの親御さんって、ベイベだったりする?」
 すると彼女の顔がパッと明るくなった。
「よく分かったすね! そうっす! マミーもダディーもバリバリのベイベっす! 聖書にぃにと自分の間にも、兄妹が何人もいるっす」
 そう言ってスマホを取り出す。
 画面に一枚の写真を写しだした。
 一軒家の前で、大家族が勢揃いし、笑顔でピースしている。
 総勢で12人ぐらいか?

「全員、年子で生まれたんで、一歳違いの兄妹っす。上から聖書にぃに。みさおねぇね。『あの』ねぇね。ぼくにぃに。双子のロングにぃにとシュートにぃに……」
 えぇ……まだ引用する気なの?
 どれだけ産むんだ。
 
 ピーチの話では、お母さんは現在、妊娠中らしい。
 ベイベってスゴイなぁ。
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