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スパッツの子

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 名古屋に来て、もう4年という月日を過ごした。
 だが、一向に僕は、彼女ができることはない……。

 なぜだ!?
 ムラ村さんと背伸さんに至っては、二人とも両想いどころか、『三人ハーレム想い合い』という新しい関係を築いたはずなのに。

 そうこうしていると、またお父さんが引っ越しすると言いだした。
 僕は激しく怒りを覚える。

「ムラ村さんと背伸さんと、三角関係にさせてから、引っ越せや、ボケェ!」

 とお風呂の中で、叫んだりした。

 しかし、今回はお兄ちゃん二人が受験を控えていたこともあって、二年間の期限付きで、お父さんが単身赴任することになった。
 つまり僕は小学校を卒業するまで、名古屋に居ても良いということだ。
 
 2年もあれば、二人を落とせる。
 そう確信していたが、もう6年生も後半に近くなってしまった。
 
「ヤバい、早くしないと。ムラ村さんとキッスの一つでもしてから、引っ越さないと彼女がかわいそうだ……」

 未だに身長が伸びないチビっ子、つるぺたの彼女を後ろから見つめる。
 
「ハーイ、みんな~ 注目~ 転校生の紹介です~」
 と担任の先生が叫ぶ。

 また転校生か、もういいよ。
 どうせガチムチな男だろ……。

 教室の扉が開くと、そこには三つ編みの女の子がひとり。
 なんというか、姿勢がキレイで、艶がかった黒髪が似合う、なでしこちゃんって感じ。
 それに一つ、気になるのが彼女のファッションだ。
 白いTシャツに、タイトな黒のスパッツ。

「はじめまして、東京から来ました。尻止しりどめ ケツ子です」

 同年代とは思えないぐらい、しっかりとした喋り方。
 
 尻止さんは、成績も優秀で、運動も得意な万能美少女だった。
 たちまち、クラスの人気者になる。

 東京もんか……ま、しかし、このシティボーイの僕には勝てまい。
 いつか、彼女も僕を意識してしまうのだろう。

 僕の思惑とは裏腹に、ムラ村さんと背伸さんまで、彼女の影響を受けてしまう。
 髪型やファッションまでだ。

 ある日、三人が僕の机の前で、女子トークで盛り上がる。

「ねぇねぇ、ムラ村さん。昨日のドラマ見た?」
「あれだぎゃん? 『ポケベルが鳴らなくて』だぎゃん。ビデオとり忘れただぎゃ」
「それなら、私の家で見る?」

 と、僕の目の前で、女子が三人でキャッキャッやってる。

 話に熱中しているのか、僕になかなか気づかない。
 それをいいことに、僕は彼女たちを背後からじーっと眺める。

 何故ならば、三つのプリンとしたお尻が堪能できるからだ。
 尻止さんが転校していて以来、女子たちの中で、Tシャツにスパッツというファッションが流行っていた。
 ブルマが大好物な僕からしたら、ナンセンスな格好だと、最初は鼻で笑っていた。
 
「じゃあ、今日尻止さん家に集まろうっか?」
「そうだぎゃ。パジャマパーティーだぎゃ」
「いいねぇ~」

 確かに良い。
 スパッツは水着のようなツルツル感。
 女の子の下半身が、前も後ろもフィットしまくっていて、思わず触りたくなってしまう。そんな魅力を感じる。

 特に尻止さんは、バスケットボール部に入っていたこともあり、程よい肉付きと丸みのある柔らかそうな桃。
 今、その小桃が僕の机の上に乗っかっている。
 いくらスパッツを履いているとはいえ、ここまでケツを突き出す必要性があるか?

 その距離、わずか10センチほど。

 何か別の扉が開く、音が聞こえてきた……。
 
 ハッ!? わかったぞ、謎は全て解けた!

 尻止さんは、ムラ村さん達と一緒にパジャマパーティーをすると言ったな。
 そこに僕を参加させたいんだな!?
 じゃなきゃ、ここまでケツをプリンプリンさせながら、人前で話す必要はないだろう。

 この3人、全員。僕に掘れ……惚れているに違いない!
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