るーむしぇあ

彩月 杏

文字の大きさ
上 下
3 / 5

こわい

しおりを挟む

「ご、ごめんなさい。もう......聞かないから。」

「かずき?俺はそんなこと求めてないよ?」

「え...」

怖い。ずっとずっと。りゅうが怖い。
僕、そんなに嫌われてたの?

「どうしてって聞いたんだけど?」

にこにこ笑ってるのに、目が笑ってないくて
声もなんとなくイライラしてる気がして、
こんなりゅう今日が初めてでほんとにどうしたらいいかわかんなくて、涙止まらないし、

「ごめんなさい...ごめんなさい...ごめんなさい...」

聞かれてることがあるのは分かるんだけど、
りゅうが、怖くて、りゅうに許してほしくて、
僕はりゅうを見あげながら謝る以外何をすればいいのか分からなかった。

「はぁ。」

りゅうがため息ついた。
どうしよう。どうしよう。どうしよう。どうしよう。どうしよう。どうしよう。どうしよう。

僕そんなに嫌われてた?
もう僕には笑いかけてくれないの?

りゅうの手が伸びてくる。
りゅうの手が僕に顎あたりを掴んで目を合わさせられる。

「かずき、どうして?」

「あ、えっと......」

「ゆっくりでいいよ?」

にこにこしてるけど…目が笑ってないまま。

「つ、司達が...僕の、し、知らない...りゅうを...
知ってるの...い、嫌で...僕...知らなくて...
う、うぅ、うわーん」

目が笑ってないりゅうと無理矢理目を合わされ、
耐えきれなかった。
怖くて泣き出してしまった。
掴まれてた顎は解放されてたが、そのまま上を向いてないていた。

「まぁ、ご...く。」

りゅうが何か言ってように感じたけど
僕自身の泣き声で聞こえなかった。

「かずき?いい?よく聞いて?」

「う、うん?」

声の感じが普段通りに戻っていて、
もしかしてって思って涙をふいてりゅうを見る。

が、まだ目は笑ってない。

「いい?よく聞いて。」

「う...ん」

「これからは俺が居ない時にお酒飲んじゃダメ!
これからは俺の事で俺が直接話してないことは嘘だと思って。
俺はかずきに隠し事なんてしないよ。」

いつもの声でいつもの笑顔でりゅうが笑った。

「も...おこって、ない?」

鼻をすすりながら僕は聞いた。

「うん、怒ってごめんね?
かずきが俺が話してないことを司たちに
言われたらすんなり信じるのかと思って...
それがさ、司たちの噂話方が信頼されてんの?
とかそういう風に思えて
ちょっとイラッときちゃって...ごめんね」

「ううん、こっちこそ、そうだよね。
勝手に出回ってる噂とかだったかもじゃんね。
そうだよね、中学からの付き合いの僕に、
噂信じられたら嫌だよね。僕もごめんね。」

「かずき、目冷やそう?明日腫れちゃうよ?
ちょっと待ってて。保冷剤とってくる。」

「うん。ありがとう。」

良かった。仲直りできた。良かった。
仲直りできた事に安心していたら直ぐにりゅうが
戻ってきた。

「泣き疲れたでしょ?もう1回寝れば?」

「あ、りゅうが言うならそうしようかな?
そうした方がいい?」

「俺はバイトとかないならすすめる。」

「じゃあ、ないから寝るね。だから、
寝るまで手、繋いでて?」

「うん、いいよ」

「ありがとう」

ちょっと幼稚かなって思ったけど、さっきまでのりゅうが怖くて優しくされたかったからワガママ言ってみたら、あっさり承諾してくれた。
少し驚いてたけど。
その日の二度寝は僕はりゅうと手を繋いだまま寝て
とてもいい睡眠時間になった。。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

咳が苦しくておしっこが言えなかった同居人

こじらせた処女
BL
 過労が祟った菖(あやめ)は、風邪をひいてしまった。症状の中で咳が最もひどく、夜も寝苦しくて起きてしまうほど。 それなのに、元々がリモートワークだったこともあってか、休むことはせず、ベッドの上でパソコンを叩いていた。それに怒った同居人の楓(かえで)はその日一日有給を取り、菖を監視する。咳が止まらない菖にホットレモンを作ったり、背中をさすったりと献身的な世話のお陰で一度長い眠りにつくことができた。 しかし、1時間ほどで目を覚ましてしまう。それは水分をたくさんとったことによる尿意なのだが、咳のせいでなかなか言うことが出来ず、限界に近づいていき…?

美人に告白されたがまたいつもの嫌がらせかと思ったので適当にOKした

亜桜黄身
BL
俺の学校では俺に付き合ってほしいと言う罰ゲームが流行ってる。 カースト底辺の卑屈くんがカースト頂点の強気ド美人敬語攻めと付き合う話。 (悪役モブ♀が出てきます) (他サイトに2021年〜掲載済)

熱のせい

yoyo
BL
体調不良で漏らしてしまう、サラリーマンカップルの話です。

風邪をひいてフラフラの大学生がトイレ行きたくなる話

こじらせた処女
BL
 風邪でフラフラの大学生がトイレに行きたくなるけど、体が思い通りに動かない話

平凡顔のΩですが、何かご用でしょうか。

無糸
BL
Ωなのに顔は平凡、しかも表情の変化が乏しい俺。 そんな俺に番などできるわけ無いとそうそう諦めていたのだが、なんと超絶美系でお優しい旦那様と結婚できる事になった。 でも愛しては貰えて無いようなので、俺はこの気持ちを心に閉じ込めて置こうと思います。 ___________________ 異世界オメガバース、受け視点では異世界感ほとんど出ません(多分) わりかし感想お待ちしてます。誰が好きとか 現在体調不良により休止中 2021/9月20日 最新話更新 2022/12月27日

おしっこ8分目を守りましょう

こじらせた処女
BL
 海里(24)がルームシェアをしている新(24)のおしっこ我慢癖を矯正させるためにとあるルールを設ける話。

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

愛などもう求めない

白兪
BL
とある国の皇子、ヴェリテは長い長い夢を見た。夢ではヴェリテは偽物の皇子だと罪にかけられてしまう。情を交わした婚約者は真の皇子であるファクティスの側につき、兄は睨みつけてくる。そして、とうとう父親である皇帝は処刑を命じた。 「僕のことを1度でも愛してくれたことはありましたか?」 「お前のことを一度も息子だと思ったことはない。」 目が覚め、現実に戻ったヴェリテは安心するが、本当にただの夢だったのだろうか?もし予知夢だとしたら、今すぐここから逃げなくては。 本当に自分を愛してくれる人と生きたい。 ヴェリテの切実な願いが周りを変えていく。  ハッピーエンド大好きなので、絶対に主人公は幸せに終わらせたいです。 最後まで読んでいただけると嬉しいです。

処理中です...