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こわい
しおりを挟む「ご、ごめんなさい。もう......聞かないから。」
「かずき?俺はそんなこと求めてないよ?」
「え...」
怖い。ずっとずっと。りゅうが怖い。
僕、そんなに嫌われてたの?
「どうしてって聞いたんだけど?」
にこにこ笑ってるのに、目が笑ってないくて
声もなんとなくイライラしてる気がして、
こんなりゅう今日が初めてでほんとにどうしたらいいかわかんなくて、涙止まらないし、
「ごめんなさい...ごめんなさい...ごめんなさい...」
聞かれてることがあるのは分かるんだけど、
りゅうが、怖くて、りゅうに許してほしくて、
僕はりゅうを見あげながら謝る以外何をすればいいのか分からなかった。
「はぁ。」
りゅうがため息ついた。
どうしよう。どうしよう。どうしよう。どうしよう。どうしよう。どうしよう。どうしよう。
僕そんなに嫌われてた?
もう僕には笑いかけてくれないの?
りゅうの手が伸びてくる。
りゅうの手が僕に顎あたりを掴んで目を合わさせられる。
「かずき、どうして?」
「あ、えっと......」
「ゆっくりでいいよ?」
にこにこしてるけど…目が笑ってないまま。
「つ、司達が...僕の、し、知らない...りゅうを...
知ってるの...い、嫌で...僕...知らなくて...
う、うぅ、うわーん」
目が笑ってないりゅうと無理矢理目を合わされ、
耐えきれなかった。
怖くて泣き出してしまった。
掴まれてた顎は解放されてたが、そのまま上を向いてないていた。
「まぁ、ご...く。」
りゅうが何か言ってように感じたけど
僕自身の泣き声で聞こえなかった。
「かずき?いい?よく聞いて?」
「う、うん?」
声の感じが普段通りに戻っていて、
もしかしてって思って涙をふいてりゅうを見る。
が、まだ目は笑ってない。
「いい?よく聞いて。」
「う...ん」
「これからは俺が居ない時にお酒飲んじゃダメ!
これからは俺の事で俺が直接話してないことは嘘だと思って。
俺はかずきに隠し事なんてしないよ。」
いつもの声でいつもの笑顔でりゅうが笑った。
「も...おこって、ない?」
鼻をすすりながら僕は聞いた。
「うん、怒ってごめんね?
かずきが俺が話してないことを司たちに
言われたらすんなり信じるのかと思って...
それがさ、司たちの噂話方が信頼されてんの?
とかそういう風に思えて
ちょっとイラッときちゃって...ごめんね」
「ううん、こっちこそ、そうだよね。
勝手に出回ってる噂とかだったかもじゃんね。
そうだよね、中学からの付き合いの僕に、
噂信じられたら嫌だよね。僕もごめんね。」
「かずき、目冷やそう?明日腫れちゃうよ?
ちょっと待ってて。保冷剤とってくる。」
「うん。ありがとう。」
良かった。仲直りできた。良かった。
仲直りできた事に安心していたら直ぐにりゅうが
戻ってきた。
「泣き疲れたでしょ?もう1回寝れば?」
「あ、りゅうが言うならそうしようかな?
そうした方がいい?」
「俺はバイトとかないならすすめる。」
「じゃあ、ないから寝るね。だから、
寝るまで手、繋いでて?」
「うん、いいよ」
「ありがとう」
ちょっと幼稚かなって思ったけど、さっきまでのりゅうが怖くて優しくされたかったからワガママ言ってみたら、あっさり承諾してくれた。
少し驚いてたけど。
その日の二度寝は僕はりゅうと手を繋いだまま寝て
とてもいい睡眠時間になった。。
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