るーむしぇあ

彩月 杏

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はじめて

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僕、溝口初樹は
大学に入って1年経った。
中高を共に過ごした友達中野龍之介に誘われはじめたルームシェアも1年経った。

そんなある日
大学からの友達に龍之介には内緒と言われながら飲みに誘われホイホイついて行ったら事件は起きた。


「え、りゅうの好きな人?」

「はぁ?お前知らないのかよ。」

「そんなこと言われたって...。」

そう、そんなこと言われたって僕は知らない。今初めて知った。
僕には言わなくて他の人には言ってるし、頭ん中パニックだよ。

「あぁ、お前に聞けばわかると思ったんだけどなぁ。」

「だから今日はりゅうのこと拒否したの?」

「そーだよ。あとたまには保護者の付き添いはずしてやろうと思って。」

そう言って今日僕を誘いりゅうを拒否した張本人斉藤司(さいとうつかさ)はケラケラと笑った。

「保護者なんて酷いな。」

「実際そーだろ?お前龍之介に言われたらすぐに飲むのやめるしよ。たまにはいっぱい飲もうぜ?」

横から言ってきたのは今日のもう1人のメンバー南春舞(みなみはるま)も一緒に笑ってる。

確かにこの1年飲み会などは全部りゅうが一緒でほろ酔いあたりでとめられていた。
限界まで挑戦したい気がしてきた。

「よし!今日は飲む!限界まで飲むよ!」

「よし!よく言った、初樹!」

「酔ったら龍之介に連絡してあげるから安心して飲んで!」



そして、気がついたらりゅうと寝てた。
目がさめて1番最初に目に映ったのはりゅうの寝顔。え、どうしよう。ここ…りゅうの部屋?
りゅうのベット?
りゅうと寝るなんていつぶり?
てゆーか好きな人の事...。

じゃない!今こうやって寝てるなんて...。
昨日あれから30分経った記憶もあるかどうかなのに。どうしよう。りゅうに迷惑かけちゃった。

慌てて時計を見たら今は日曜日のお昼。
バイトも二人ともいれても土日祝日は夕方から。
多分まだ起こさなくていいけど…

「りゅう、りゅう、起きて」

ルームシェアしてから分かったが、
りゅうは寝起きが悪い。
優しく声かけてちょこっと揺さぶるっていうのを
3回くらい繰り返さないと起きない。
普段はかっこいい寝ぼけてる可愛いりゅうを
見れるのは僕の特権だけどね。

中高の泊まりの行事も全部2人部屋なら
僕と2人だったし、大人数でもなかなか起きなくて
寝起きを見た事あるのは僕だけ。
それにここまでひどくなかったとおもう。!

僕にだけ気を許してくれてる感じがあって
りゅうに起こしてって頼まれるの
すごい好きなんだよね。

まぁ、今は頼まれてるわけじゃないけど。

「りゅう、起きて、起きてよー。」

なんか、今日無反応すぎて悲しくなってきた。
なんで今日に限ってこうなのー?

あ!もしかして昨日ってりゅうが
迎えにきたんだよね?
じゃあ、僕りゅうに何かしちゃって
わざと無視して寝たふりされてるとか?
え、どうしよう。そんなことあったら。

「りゅうー、起きてぇー」

「りゅうぅー」

「う、んん、」

「りゅう!りゅう!起きてー」

泣きそうになりながらもちょっと目覚めに近づいたりゅうにさっきよりも大きい声で声をかける。

「ん、どうした、かずき?」

寝ていたりゅうの目がなんとなくあいてきた。
僕はりゅうが起きないのは無視してるからじゃないかと考えはじめてから涙目でそれを見たりゅうが一気に覚醒する。

「かずき!?どうした?何かあった?昨日あいつらに何かされたか?思い出して辛いのか?」

りゅうがすごい勢いで質問してきて戸惑ったけど
僕を心配する内容ばかりなので嫌われてないと実感して涙なんて直ぐに引っ込んだ。

「大丈夫。りゅういつもより寝起き悪かったから昨日なんかしら迷惑かけて嫌われたのかと思って焦ってただけだよ。司と春舞には何もされてないよ。」

「ほんとうに何もさてない?
てか、俺のせいなのか?」

ちょっと目を細めて真実かどうか確かめようとするりゅう。
ちょっと目を逸らして真面目に悩みだしたりゅう。

うん。どれも知ってるりゅう。
なのに、好きな人いるなんて、聞いてない。

「かずき?」

「あ、うん、本当ににもされてないし
まぁ、りゅうの寝起きの悪さはいつもだしね。」

「そうか?ならいいんだが。」

「うん。昨日は迎えに来てくれたんだよね?
ありがとう。」

昨日のお礼を言って思い出した。
でも、面と向かって聞くのは恥ずかしくて
ベットから降りながら聞いた。

「あ!ねぇりゅうって好きな人いたんだね。
僕知らなかったや。僕の知ってる人?」

僕は昨日からずっと気になってたことを聞いた。
言い終わると同時にりゅうの方へ振り向いた。
でも、そしたら見たこともないくらい冷めた目をしてこっちを見てくるりゅうがいた。

僕は見たこともないりゅうに、
忘れていた涙がこぼれ落ちた。
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