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第1話〈本編305話〉
しおりを挟む本作品は、『婚約解消された私はお飾り王妃になりました。でも推しに癒されているので大丈夫です!』のIfストーリーになります。
本編の途中〈第305話〉から分岐するIf(アレクセイエンド)ルートとなりますので、本編〈第304話まで〉をお読みにならなければ、内容がわからないと思います。
また、本編エンドを気に入って下さっている方は読まない方が良いかもしれません。
アレクセイ推しの方は、是非続きをどうぞ~♪
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「クロエと私の間に、意見の相違があるようだが…、私は側妃を持つつもりはない」
側妃を持つつもりはない?
へ?ロッテン様はもう居ないのに?
「陛下…それはどういう事でしょう?側妃を選んでいただけませんと。後継を残す事も、王家の義務でございます」
「わかっている。でも…持つ気はない」
「陛下?それは矛盾しておりますが?」
陛下は意を決したように私の目を見ると、
「…クロエ。もし許されるならば…私はクロエと本当の夫婦になりたいと思っている」
と言った。
……?どう言う意味?いやいや、何となく意味は分かっている。でも、私と?私が陛下と?
「陛下…。それは…」
「ダメだろうか?」
「申し訳ありません…。あの、少し混乱しておりまして…」
「あ…あぁ。すまない。私の気持ちに薄々は感付いてくれているかと思っていたんだが…クロエ、鈍感だと言われた事はないか?」
…何回も言われてる。これか…これが私が鈍感と言われる由縁か…。
「えっと…言われた事は御座います。どうも、自分の事になると…」
「そうか。多分私の気持ちは周りにはバレていたと思うがな。…やたらとクロエの番犬が吠えていただろう?」
…マルコ様の事ね。今思えば何度も注意を受けたわ…しかも随分と前から。
「陛下…。少し考えさせて頂いてもよろしいでしょうか?」
「あぁ。もちろんだ。焦っているわけじゃない。時間はあるんだ。ゆっくり待つよ。
ただ1つ言わせて欲しい。セリーナ嬢が居なくなったから、こんな事を言ってる訳じゃない。私はクロエが良いんだ。それをわかって欲しい」
と言って陛下は膝の上に置いてあった私の手をふんわりと握った。
…そうだった…。あんなにロッテン様の事が好きだったくせに…って思うと、また陛下が心変わりするのではないかと、疑ってしまう。
前世で浮気された女は疑り深いのだ。
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