上 下
1 / 38

第1話〈本編305話〉

しおりを挟む

本作品は、『婚約解消された私はお飾り王妃になりました。でも推しに癒されているので大丈夫です!』のIfストーリーになります。
本編の途中〈第305話〉から分岐するIf(アレクセイエンド)ルートとなりますので、本編〈第304話まで〉をお読みにならなければ、内容がわからないと思います。
また、本編エンドを気に入って下さっている方は読まない方が良いかもしれません。


アレクセイ推しの方は、是非続きをどうぞ~♪


ーーーーーーーーーーーーーーーー



「クロエと私の間に、意見の相違があるようだが…、私は側妃を持つつもりはない」

側妃を持つつもりはない?
へ?ロッテン様はもう居ないのに?

「陛下…それはどういう事でしょう?側妃を選んでいただけませんと。後継を残す事も、王家の義務でございます」

「わかっている。でも…持つ気はない」

「陛下?それは矛盾しておりますが?」

陛下は意を決したように私の目を見ると、

「…クロエ。もし許されるならば…私はクロエと本当の夫婦になりたいと思っている」
と言った。

……?どう言う意味?いやいや、何となく意味は分かっている。でも、私と?私が陛下と?

「陛下…。それは…」

「ダメだろうか?」

「申し訳ありません…。あの、少し混乱しておりまして…」

「あ…あぁ。すまない。私の気持ちに薄々は感付いてくれているかと思っていたんだが…クロエ、鈍感だと言われた事はないか?」

…何回も言われてる。これか…これが私が鈍感と言われる由縁か…。

「えっと…言われた事は御座います。どうも、自分の事になると…」

「そうか。多分私の気持ちは周りにはバレていたと思うがな。…やたらとクロエの番犬が吠えていただろう?」

…マルコ様の事ね。今思えば何度も注意を受けたわ…しかも随分と前から。

「陛下…。少し考えさせて頂いてもよろしいでしょうか?」

「あぁ。もちろんだ。焦っているわけじゃない。時間はあるんだ。ゆっくり待つよ。
ただ1つ言わせて欲しい。セリーナ嬢が居なくなったから、こんな事を言ってる訳じゃない。私はクロエが良いんだ。それをわかって欲しい」
と言って陛下は膝の上に置いてあった私の手をふんわりと握った。

…そうだった…。あんなにロッテン様の事が好きだったくせに…って思うと、また陛下が心変わりするのではないかと、疑ってしまう。

前世で浮気された女は疑り深いのだ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

妻と夫と元妻と

キムラましゅろう
恋愛
復縁を迫る元妻との戦いって……それって妻(わたし)の役割では? わたし、アシュリ=スタングレイの夫は王宮魔術師だ。 数多くの魔術師の御多分に漏れず、夫のシグルドも魔術バカの変人である。 しかも二十一歳という若さで既にバツイチの身。 そんな事故物件のような夫にいつの間にか絆され絡めとられて結婚していたわたし。 まぁわたしの方にもそれなりに事情がある。 なので夫がバツイチでもとくに気にする事もなく、わたしの事が好き過ぎる夫とそれなりに穏やかで幸せな生活を営んでいた。 そんな中で、国王肝入りで魔術研究チームが組まれる事になったのだとか。そしてその編成されたチームメイトの中に、夫の別れた元妻がいて……… 相も変わらずご都合主義、ノーリアリティなお話です。 不治の誤字脱字病患者の作品です。 作中に誤字脱字が有ったら「こうかな?」と脳内変換を余儀なくさせられる恐れが多々ある事をご了承下さいませ。 性描写はありませんがそれを連想させるワードが出てくる恐れがありますので、破廉恥がお嫌いな方はご自衛下さい。 小説家になろうさんでも投稿します。

婚約者を奪い返そうとしたらいきなり溺愛されました

宵闇 月
恋愛
異世界に転生したらスマホゲームの悪役令嬢でした。 しかも前世の推し且つ今世の婚約者は既にヒロインに攻略された後でした。 断罪まであと一年と少し。 だったら断罪回避より今から全力で奪い返してみせますわ。 と意気込んだはいいけど あれ? 婚約者様の様子がおかしいのだけど… ※ 4/26 内容とタイトルが合ってないない気がするのでタイトル変更しました。

旦那様、愛人を作ってもいいですか?

ひろか
恋愛
私には前世の記憶があります。ニホンでの四六年という。 「君の役目は魔力を多く持つ子供を産むこと。その後で君も自由にすればいい」 これ、旦那様から、初夜での言葉です。 んん?美筋肉イケオジな愛人を持っても良いと? ’18/10/21…おまけ小話追加

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

私の恋が消えた春

豆狸
恋愛
「愛しているのは、今も昔も君だけだ……」 ──え? 風が運んできた夫の声が耳朶を打ち、私は凍りつきました。 彼の前にいるのは私ではありません。 なろう様でも公開中です。

女官になるはずだった妃

夜空 筒
恋愛
女官になる。 そう聞いていたはずなのに。 あれよあれよという間に、着飾られた私は自国の皇帝の妃の一人になっていた。 しかし、皇帝のお迎えもなく 「忙しいから、もう後宮に入っていいよ」 そんなノリの言葉を彼の側近から賜って後宮入りした私。 秘書省監のならびに本の虫である父を持つ、そんな私も無類の読書好き。 朝議が始まる早朝に、私は父が働く文徳楼に通っている。 そこで好きな著者の本を借りては、殿舎に籠る毎日。 皇帝のお渡りもないし、既に皇后に一番近い妃もいる。 縁付くには程遠い私が、ある日を境に平穏だった日常を壊される羽目になる。 誰とも褥を共にしない皇帝と、女官になるつもりで入ってきた本の虫妃の話。 更新はまばらですが、完結させたいとは思っています。 多分…

(完結)姉と浮気する王太子様ー1回、私が死んでみせましょう

青空一夏
恋愛
姉と浮気する旦那様、私、ちょっと死んでみます。 これブラックコメディです。 ゆるふわ設定。 最初だけ悲しい→結末はほんわか 画像はPixabayからの フリー画像を使用させていただいています。

【完結】誰にも相手にされない壁の華、イケメン騎士にお持ち帰りされる。

三園 七詩
恋愛
独身の貴族が集められる、今で言う婚活パーティーそこに地味で地位も下のソフィアも参加することに…しかし誰にも話しかけらない壁の華とかしたソフィア。 それなのに気がつけば裸でベッドに寝ていた…隣にはイケメン騎士でパーティーの花形の男性が隣にいる。 頭を抱えるソフィアはその前の出来事を思い出した。 短編恋愛になってます。

処理中です...