48 / 97
予感
しおりを挟む
2人で馬車に乗り込む。
レオ様は心配そうに、私を頭から爪先まで確認する。
「レベッカ、大丈夫だった?
何もされてない?」
「私はなんともありませんよ?大丈夫です。
私がソフィア様を怒らせてしまったようですわ」
「どういうこと?」
「まぁ、とにかく、私を馬鹿にしたかったようですけど…あれぐらいの事は、言われたところで何も気になりませんし。
私が言い返した事が気に入らなかったのでしょうね」
…煽った自覚はあるけどね。
「酷い事を言われたのか?」
…レオ様そんな怒らなくて大丈夫ですよ?
「大したことありませんでしたよ?
田舎者だと言われただけですし、それは事実なので。
それに、私にとって『田舎者』は誇れる事で、言われても、なんとも思いません」
「レベッカはあの女にも負けないんだな」
「知らない人ですし、こういう人っているよな~って思った程度です。
でも、暴力は嫌ですよ?叩かれたら痛いと思いますので」
「…レベッカは強いな」
「いえ。多分、鈍感なんだと思います。
それに、本来、侯爵令嬢に言い返すなんて、あってはならない事だと承知しているのですが…この方がレオ様やお義兄様を傷つけていたのだと思ったら、つい。
…申し訳ありませんでした」
そう頭を下げた。
「俺たちの為に言い返してくれたんだな。ありがとう」
「いえ、それだけではなく、自分がムカついたからです。
私はそんな立派な人間じゃありませんもの」
「でも、守ってあげられなくてごめん。
これからは、ちゃんと側に居るから」
「フフッ。近衛騎士に守って貰えるなんて、王族になった気分です。
…そういえば、王太子殿下とのお話はお済みになったのですか?」
「ああ、その事だが、ちょっと、ゴタゴタしてて。
明日から仕事に出なくてはならなくなったんだ。
もう少しレベッカと一緒に居たかったんだが」
「まぁ、そうだったのですね?
明日からお仕事頑張ってください。
私も少しずつ、伯爵夫人としてのお勉強を始めますね」
「レベッカのペースでいいよ。無理はしないようにね」
「はい。ありがとうございます。
…そのゴタゴタというのは、危険は御座いませんの?」
「ああ、大丈夫だ。
俺の休みの間に粗方終わってる。
後は事後処理だけど、今まで頑張ってくれた奴を休ませてやらないとな。
そこで俺と交代ってわけ」
「そうでしたの。でも、お気をつけ下さいね」
「ああ、ありがとう。
レベッカが邸で待っていてくれると思うと、仕事も頑張れるよ」
「うふふ。それだけでも、結婚して良かったですわね?」
「それだけじゃないけどね」
「ん?なにか仰いました?」
レオ様の呟きは、小さすぎて聞こえなかった。
「いや、なんでもないよ。
俺もレベッカに『結婚して良かった』って言って貰えるように頑張らなきゃな」
「はい。でも、あまりご無理はなさらないで下さいね」
そうやって話していると、ランバードの邸に到着した。
邸へ入ると、家令のフェルナンデスから、手紙を渡された。
「ご実家のコッカス伯爵家からです」
「ありがとう。何かしら?」
私は自室に戻り、着替えた後に、実家からの手紙を開けた。
「レオ様!」
私は、急いでレオ様の元へ向かう。
「レベッカ、どうした?何かあったの?」
慌てている私を見て、レオ様は戸惑っている
「……アレックスお兄様が、帰国したそうです。
近いうちにこちらへ来るとの事です」
嵐の予感がします…。
レオ様は心配そうに、私を頭から爪先まで確認する。
「レベッカ、大丈夫だった?
何もされてない?」
「私はなんともありませんよ?大丈夫です。
私がソフィア様を怒らせてしまったようですわ」
「どういうこと?」
「まぁ、とにかく、私を馬鹿にしたかったようですけど…あれぐらいの事は、言われたところで何も気になりませんし。
私が言い返した事が気に入らなかったのでしょうね」
…煽った自覚はあるけどね。
「酷い事を言われたのか?」
…レオ様そんな怒らなくて大丈夫ですよ?
「大したことありませんでしたよ?
田舎者だと言われただけですし、それは事実なので。
それに、私にとって『田舎者』は誇れる事で、言われても、なんとも思いません」
「レベッカはあの女にも負けないんだな」
「知らない人ですし、こういう人っているよな~って思った程度です。
でも、暴力は嫌ですよ?叩かれたら痛いと思いますので」
「…レベッカは強いな」
「いえ。多分、鈍感なんだと思います。
それに、本来、侯爵令嬢に言い返すなんて、あってはならない事だと承知しているのですが…この方がレオ様やお義兄様を傷つけていたのだと思ったら、つい。
…申し訳ありませんでした」
そう頭を下げた。
「俺たちの為に言い返してくれたんだな。ありがとう」
「いえ、それだけではなく、自分がムカついたからです。
私はそんな立派な人間じゃありませんもの」
「でも、守ってあげられなくてごめん。
これからは、ちゃんと側に居るから」
「フフッ。近衛騎士に守って貰えるなんて、王族になった気分です。
…そういえば、王太子殿下とのお話はお済みになったのですか?」
「ああ、その事だが、ちょっと、ゴタゴタしてて。
明日から仕事に出なくてはならなくなったんだ。
もう少しレベッカと一緒に居たかったんだが」
「まぁ、そうだったのですね?
明日からお仕事頑張ってください。
私も少しずつ、伯爵夫人としてのお勉強を始めますね」
「レベッカのペースでいいよ。無理はしないようにね」
「はい。ありがとうございます。
…そのゴタゴタというのは、危険は御座いませんの?」
「ああ、大丈夫だ。
俺の休みの間に粗方終わってる。
後は事後処理だけど、今まで頑張ってくれた奴を休ませてやらないとな。
そこで俺と交代ってわけ」
「そうでしたの。でも、お気をつけ下さいね」
「ああ、ありがとう。
レベッカが邸で待っていてくれると思うと、仕事も頑張れるよ」
「うふふ。それだけでも、結婚して良かったですわね?」
「それだけじゃないけどね」
「ん?なにか仰いました?」
レオ様の呟きは、小さすぎて聞こえなかった。
「いや、なんでもないよ。
俺もレベッカに『結婚して良かった』って言って貰えるように頑張らなきゃな」
「はい。でも、あまりご無理はなさらないで下さいね」
そうやって話していると、ランバードの邸に到着した。
邸へ入ると、家令のフェルナンデスから、手紙を渡された。
「ご実家のコッカス伯爵家からです」
「ありがとう。何かしら?」
私は自室に戻り、着替えた後に、実家からの手紙を開けた。
「レオ様!」
私は、急いでレオ様の元へ向かう。
「レベッカ、どうした?何かあったの?」
慌てている私を見て、レオ様は戸惑っている
「……アレックスお兄様が、帰国したそうです。
近いうちにこちらへ来るとの事です」
嵐の予感がします…。
33
お気に入りに追加
989
あなたにおすすめの小説
待つわけないでしょ。新しい婚約者と幸せになります!
風見ゆうみ
恋愛
「1番愛しているのは君だ。だから、今から何が起こっても僕を信じて、僕が迎えに行くのを待っていてくれ」彼は、辺境伯の長女である私、リアラにそうお願いしたあと、パーティー会場に戻るなり「僕、タントス・ミゲルはここにいる、リアラ・フセラブルとの婚約を破棄し、公爵令嬢であるビアンカ・エッジホールとの婚約を宣言する」と叫んだ。
婚約破棄した上に公爵令嬢と婚約?
憤慨した私が婚約破棄を受けて、新しい婚約者を探していると、婚約者を奪った公爵令嬢の元婚約者であるルーザー・クレミナルが私の元へ訪ねてくる。
アグリタ国の第5王子である彼は整った顔立ちだけれど、戦好きで女性嫌い、直属の傭兵部隊を持ち、冷酷な人間だと貴族の中では有名な人物。そんな彼が私との婚約を持ちかけてくる。話してみると、そう悪い人でもなさそうだし、白い結婚を前提に婚約する事にしたのだけど、違うところから待ったがかかり…。
※暴力表現が多いです。喧嘩が強い令嬢です。
※史実とは関係ない異世界の世界観であり、設定はゆるゆるで、ご都合主義です。魔法も存在します。
格闘シーンがお好きでない方、浮気男に過剰に反応される方は読む事をお控え下さい。感想をいただけるのは大変嬉しいのですが、感想欄での感情的な批判、暴言などはご遠慮願います。
溺愛されていると信じておりました──が。もう、どうでもいいです。
ふまさ
恋愛
いつものように屋敷まで迎えにきてくれた、幼馴染みであり、婚約者でもある伯爵令息──ミックに、フィオナが微笑む。
「おはよう、ミック。毎朝迎えに来なくても、学園ですぐに会えるのに」
「駄目だよ。もし学園に向かう途中できみに何かあったら、ぼくは悔やんでも悔やみきれない。傍にいれば、いつでも守ってあげられるからね」
ミックがフィオナを抱き締める。それはそれは、愛おしそうに。その様子に、フィオナの両親が見守るように穏やかに笑う。
──対して。
傍に控える使用人たちに、笑顔はなかった。
今日も旦那は愛人に尽くしている~なら私もいいわよね?~
コトミ
恋愛
結婚した夫には愛人がいた。辺境伯の令嬢であったビオラには男兄弟がおらず、子爵家のカールを婿として屋敷に向かい入れた。半年の間は良かったが、それから事態は急速に悪化していく。伯爵であり、領地も統治している夫に平民の愛人がいて、屋敷の隣にその愛人のための別棟まで作って愛人に尽くす。こんなことを我慢できる夫人は私以外に何人いるのかしら。そんな考えを巡らせながら、ビオラは毎日夫の代わりに領地の仕事をこなしていた。毎晩夫のカールは愛人の元へ通っている。その間ビオラは休む暇なく仕事をこなした。ビオラがカールに反論してもカールは「君も愛人を作ればいいじゃないか」の一点張り。我慢の限界になったビオラはずっと大切にしてきた屋敷を飛び出した。
そしてその飛び出した先で出会った人とは?
(できる限り毎日投稿を頑張ります。誤字脱字、世界観、ストーリー構成、などなどはゆるゆるです)
hotランキング1位入りしました。ありがとうございます
村娘になった悪役令嬢
枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。
ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。
村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。
※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります)
アルファポリスのみ後日談投稿しております。
政略結婚した夫の愛人は私の専属メイドだったので離婚しようと思います
結城芙由奈
恋愛
浮気ですか?どうぞご自由にして下さい。私はここを去りますので
結婚式の前日、政略結婚相手は言った。「お前に永遠の愛は誓わない。何故ならそこに愛など存在しないのだから。」そして迎えた驚くべき結婚式と驚愕の事実。いいでしょう、それほど不本意な結婚ならば離婚してあげましょう。その代わり・・後で後悔しても知りませんよ?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載中
妹に全部取られたけど、幸せ確定の私は「ざまぁ」なんてしない!
石のやっさん
恋愛
マリアはドレーク伯爵家の長女で、ドリアーク伯爵家のフリードと婚約していた。
だが、パーティ会場で一方的に婚約を解消させられる。
しかも新たな婚約者は妹のロゼ。
誰が見てもそれは陥れられた物である事は明らかだった。
だが、敢えて反論もせずにそのまま受け入れた。
それはマリアにとって実にどうでも良い事だったからだ。
主人公は何も「ざまぁ」はしません(正当性の主張はしますが)ですが...二人は。
婚約破棄をすれば、本来なら、こうなるのでは、そんな感じで書いてみました。
この作品は昔の方が良いという感想があったのでそのまま残し。
これに追加して書いていきます。
新しい作品では
①主人公の感情が薄い
②視点変更で読みずらい
というご指摘がありましたので、以上2点の修正はこちらでしながら書いてみます。
見比べて見るのも面白いかも知れません。
ご迷惑をお掛けいたしました
忘れられた幼な妻は泣くことを止めました
帆々
恋愛
アリスは十五歳。王国で高家と呼ばれるう高貴な家の姫だった。しかし、家は貧しく日々の暮らしにも困窮していた。
そんな時、アリスの父に非常に有利な融資をする人物が現れた。その代理人のフーは巧みに父を騙して、莫大な借金を負わせてしまう。
もちろん返済する目処もない。
「アリス姫と我が主人との婚姻で借財を帳消しにしましょう」
フーの言葉に父は頷いた。アリスもそれを責められなかった。家を守るのは父の責務だと信じたから。
嫁いだドリトルン家は悪徳金貸しとして有名で、アリスは邸の厳しいルールに従うことになる。フーは彼女を監視し自由を許さない。そんな中、夫の愛人が邸に迎え入れることを知る。彼女は庭の隅の離れ住まいを強いられているのに。アリスは嘆き悲しむが、フーに強く諌められてうなだれて受け入れた。
「ご実家への援助はご心配なく。ここでの悪くないお暮らしも保証しましょう」
そういう経緯を仲良しのはとこに打ち明けた。晩餐に招かれ、久しぶりに心の落ち着く時間を過ごした。その席にははとこ夫妻の友人のロエルもいて、彼女に彼の掘った珍しい鉱石を見せてくれた。しかし迎えに現れたフーが、和やかな夜をぶち壊してしまう。彼女を庇うはとこを咎め、フーの無礼を責めたロエルにまで痛烈な侮蔑を吐き捨てた。
厳しい婚家のルールに縛られ、アリスは外出もままならない。
それから五年の月日が流れ、ひょんなことからロエルに再会することになった。金髪の端正な紳士の彼は、彼女に問いかけた。
「お幸せですか?」
アリスはそれに答えられずにそのまま別れた。しかし、その言葉が彼の優しかった印象と共に尾を引いて、彼女の中に残っていく_______。
世間知らずの高貴な姫とやや強引な公爵家の子息のじれじれなラブストーリーです。
古風な恋愛物語をお好きな方にお読みいただけますと幸いです。
ハッピーエンドを心がけております。読後感のいい物語を努めます。
※小説家になろう様にも投稿させていただいております。
【完結】不誠実な旦那様、目が覚めたのでさよならです。
完菜
恋愛
王都の端にある森の中に、ひっそりと誰かから隠れるようにしてログハウスが建っていた。
そこには素朴な雰囲気を持つ女性リリーと、金髪で天使のように愛らしい子供、そして中年の女性の三人が暮らしている。この三人どうやら訳ありだ。
ある日リリーは、ケガをした男性を森で見つける。本当は困るのだが、見捨てることもできずに手当をするために自分の家に連れて行くことに……。
その日を境に、何も変わらない日常に少しの変化が生まれる。その森で暮らしていたリリーには、大好きな人から言われる「愛している」という言葉が全てだった。
しかし、あることがきっかけで一瞬にしてその言葉が恐ろしいものに変わってしまう。人を愛するって何なのか? 愛されるって何なのか? リリーが紆余曲折を経て辿り着く愛の形。(全50話)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる