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コッカス邸を出発して2日。王都のランバード伯爵邸に到着した。
レオナルド様が馬車の扉を開け、私をエスコートしてくれる。
「長旅、お疲れ様。ようこそ、ランバード邸へ。これからは俺たちの家だ。
さぁ、疲れただろう、早速、中に入ろう。」
レオナルド様が屋敷を案内してくれる。
「ここがレベッカの部屋だ。隣は2人の寝室で、その隣が俺の部屋になる。」
私に用意された部屋は、何故か私のコッカス家の部屋に似ていた。
「女性の好みはわからないからね。この前レベッカの部屋に行ったから、その雰囲気を真似てみたんだ。どうかな?」
わざわざ、私の部屋に似せて用意をしてくれた事に、素直に嬉しくなった。
「とっても素敵です。ありがとうございます。」
「気に入ったのなら良かった。足りない物がある時は遠慮なく言ってくれ。」
レオナルド様は本当に女性が苦手なのかしら?
女性を喜ばせるのがお上手に思えるのですけど?
「疲れただろうから、少しゆっくりすると良い。俺はちょっと仕事をしているから、用がある時は俺の侍従であるフェルナンデスに伝えて欲しい」
そう言うと、初めて会う男性が私の前に進みでた。
「奥様、はじめてお目にかかります。レオナルド様の専用侍従兼家令のフェルナンデスと申します。
ご用は何なりと私にお申し付け下さい。」
奥様!そう言われた事に少し照れる。
実際、結婚したとはいえ全く実感はなかったが、ここに来て、少し実感が湧く。
レオナルド様より少し歳上に見える黒目黒髪の、美丈夫のフェルナンデスさんに私は微笑みながら
「はじめまして。レベッカです。これからよろしくお願いしますね。」と挨拶した。
その後、メイド長であるキャシーを紹介してもらい、私は着替えて少し休む事にした。
アンナもメイド長に使用人達を紹介してもらうようで、部屋を出ていった。
部屋に1人になった私は、少し肩の力を抜いた。思いの外、緊張していたようだ。
部屋で1人寛いでいると、レオナルド様がやってきた。
「疲れているところ、ごめん。少し話しをして良いかな?」
「もちろんですわ。お茶をすぐ用意しますね。」
今は部屋に誰もいないので、自分でお茶を淹れる。
「レベッカは自分でお茶を淹れるのかい?」
「はい。引きこもってばかりで暇でしたから。家で出来る事はなんでもチャレンジしてたんです。お菓子作りも得意ですよ」
まぁ、お茶もお菓子もお兄様以外の人に振る舞った事はないが、ちゃんと出来てるはず。
「美味しいよ!凄いな、レベッカは。」
と私の淹れたお茶を美味しそうに飲んでくれた。良かった。一安心。
「お仕事は良かったのですか?」
「ああ、目を通しておかなければならない書類があったんだけど、その前にちょっとレベッカと話しておきたいと思って。」
「ちょうど良かったです。私もレオナルド様に確認しておきたい事があったので。」
「確認?そうか、じゃあレベッカの話しから聞こう。俺のは後で良いよ」
「そうですか?では、今回の結婚についていくつかルールを作っておいた方が良いと思いまして。
今すぐでなくても良いので、レオナルド様も考えていただけますか?私もいくつか考えておきますので、よろしくお願いします。」
「ルールか……そうだな、それでレベッカが安心するなら、考えてみよう。」
「レオナルド様は私に望む事はないのですか?」
「ん?そうだな…今思い付くお願いは1つだけだ。」
「なんでしょう?聞いてみなければお返事は出来ませんが、善処しますよ?」
「そうか…じゃあ俺の事はこれからレオと呼んでくれ」
「レオ様ですか?」
「いや、様もいらないが…まぁ、様つきでもいいよ。ダメかな?」
「いえいえ。全然ダメじゃないです。ではこれからレオ様とお呼びしますね。」
と私が笑顔で答えると
「じゃ、そろそろ本当に仕事に戻るとするよ。」
「え?レオ様のお話は良かったのですか?」
と聞けば
「うん。今ので、俺の話しは済んだから。」と部屋を出ていかれました。
…レオ様のお話って呼び方の事?
その為にわざわざ?そう思うとおかしくて1人で笑ってしまった。
レオナルド様が馬車の扉を開け、私をエスコートしてくれる。
「長旅、お疲れ様。ようこそ、ランバード邸へ。これからは俺たちの家だ。
さぁ、疲れただろう、早速、中に入ろう。」
レオナルド様が屋敷を案内してくれる。
「ここがレベッカの部屋だ。隣は2人の寝室で、その隣が俺の部屋になる。」
私に用意された部屋は、何故か私のコッカス家の部屋に似ていた。
「女性の好みはわからないからね。この前レベッカの部屋に行ったから、その雰囲気を真似てみたんだ。どうかな?」
わざわざ、私の部屋に似せて用意をしてくれた事に、素直に嬉しくなった。
「とっても素敵です。ありがとうございます。」
「気に入ったのなら良かった。足りない物がある時は遠慮なく言ってくれ。」
レオナルド様は本当に女性が苦手なのかしら?
女性を喜ばせるのがお上手に思えるのですけど?
「疲れただろうから、少しゆっくりすると良い。俺はちょっと仕事をしているから、用がある時は俺の侍従であるフェルナンデスに伝えて欲しい」
そう言うと、初めて会う男性が私の前に進みでた。
「奥様、はじめてお目にかかります。レオナルド様の専用侍従兼家令のフェルナンデスと申します。
ご用は何なりと私にお申し付け下さい。」
奥様!そう言われた事に少し照れる。
実際、結婚したとはいえ全く実感はなかったが、ここに来て、少し実感が湧く。
レオナルド様より少し歳上に見える黒目黒髪の、美丈夫のフェルナンデスさんに私は微笑みながら
「はじめまして。レベッカです。これからよろしくお願いしますね。」と挨拶した。
その後、メイド長であるキャシーを紹介してもらい、私は着替えて少し休む事にした。
アンナもメイド長に使用人達を紹介してもらうようで、部屋を出ていった。
部屋に1人になった私は、少し肩の力を抜いた。思いの外、緊張していたようだ。
部屋で1人寛いでいると、レオナルド様がやってきた。
「疲れているところ、ごめん。少し話しをして良いかな?」
「もちろんですわ。お茶をすぐ用意しますね。」
今は部屋に誰もいないので、自分でお茶を淹れる。
「レベッカは自分でお茶を淹れるのかい?」
「はい。引きこもってばかりで暇でしたから。家で出来る事はなんでもチャレンジしてたんです。お菓子作りも得意ですよ」
まぁ、お茶もお菓子もお兄様以外の人に振る舞った事はないが、ちゃんと出来てるはず。
「美味しいよ!凄いな、レベッカは。」
と私の淹れたお茶を美味しそうに飲んでくれた。良かった。一安心。
「お仕事は良かったのですか?」
「ああ、目を通しておかなければならない書類があったんだけど、その前にちょっとレベッカと話しておきたいと思って。」
「ちょうど良かったです。私もレオナルド様に確認しておきたい事があったので。」
「確認?そうか、じゃあレベッカの話しから聞こう。俺のは後で良いよ」
「そうですか?では、今回の結婚についていくつかルールを作っておいた方が良いと思いまして。
今すぐでなくても良いので、レオナルド様も考えていただけますか?私もいくつか考えておきますので、よろしくお願いします。」
「ルールか……そうだな、それでレベッカが安心するなら、考えてみよう。」
「レオナルド様は私に望む事はないのですか?」
「ん?そうだな…今思い付くお願いは1つだけだ。」
「なんでしょう?聞いてみなければお返事は出来ませんが、善処しますよ?」
「そうか…じゃあ俺の事はこれからレオと呼んでくれ」
「レオ様ですか?」
「いや、様もいらないが…まぁ、様つきでもいいよ。ダメかな?」
「いえいえ。全然ダメじゃないです。ではこれからレオ様とお呼びしますね。」
と私が笑顔で答えると
「じゃ、そろそろ本当に仕事に戻るとするよ。」
「え?レオ様のお話は良かったのですか?」
と聞けば
「うん。今ので、俺の話しは済んだから。」と部屋を出ていかれました。
…レオ様のお話って呼び方の事?
その為にわざわざ?そう思うとおかしくて1人で笑ってしまった。
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