8 / 97
お兄様と私
しおりを挟む
馬車乗り場に着くと、お兄様と手分けして私を探していたウィルも肩で息をしながら、ちょうど、帰ってきたところだった。
私達に気がつくと、
「サミュエル様!お嬢様を見つけて下さったのですね!
お嬢様、ご無事でしたか?
怪我などはされていらっしゃいませんでしょうか?
今回の事は私の不注意が招いた事。
如何様にも処分をお受けいたします。まずは、馬車にお乗り下さい。」
と頭を下げ、馬車の扉を開いてくれた。
「ウィル、心配かけて本当にごめんなさい。私がわざとウィルを撒いたのよ。ウィルは悪くないの。本当に反省してるわ。」
と私はウィルに謝った。
「お嬢様、私なんかに謝る必要はございません。お嬢様がご無事で何よりでした。」
と汗の光る顔で私に微笑んでくれた。
こんなに汗だくになるほど、私を探してくれたのね。本当に申し訳なかったわ。
私は心から反省した。
馬車に乗り、サミュエルお兄様と伯爵家のタウンハウスに帰ってきた。
お兄様は、店を出てから、一言も喋ってくれない。私も何と話しかけたら良いのか、わからずに、2人共無言で帰宅した。
邸に着くと私の専属侍女であるアンナが
「お嬢様!ご無事で何よりです。事故にでも巻き込まれたのではないかと、心配しておりました。こんなことなら、私も付いて行けば良かったと、後悔していたところです。
ウィルに任せたばっかりに…」
と、声を震わせながら、私を抱き締めてくれた。
「アンナ、心配かけてごめんなさい。ウィルは悪くないのよ。全部、私のせいなの。ウィルを責めないで」
とアンナの手を取り話す。
「まずは、お着替えをいたしましょう。お腹は空いてませんか?何か軽食でもご用意いたしましょうか?」
と優しく聞いてくれたアンナに
「お腹は空いてないわ。もう少しで夕食の時間だし。でも、街が少し埃っぽかったから、湯浴みがしたいの。準備してもらえるかしら?」
「もちろんでございます。すぐに準備をいたしますね。」
と2人で2階に上がりながら話をしていると、玄関ホールからお兄様が、
「レベッカ、着替えたらサロンで少し話をしよう。アンナ、その時にお茶の準備を頼むよ」
「はい。畏まりました。」
2階の私の部屋に付き、湯浴みの準備が出来るまで椅子に腰かけた。
(お兄様、やっぱり怒ってらっしゃるわよね。でも、今回のミッションは、私の為にも、レオナルド様の為にも絶対成功させなくちゃ)
と私は意気込んだ。
湯浴みを終え、サロンへ向かうと、すでにサミュエルお兄様がソファへ腰かけてお茶を飲んでいた。
「お兄様、お待たせして申し訳ありません。」
「いや、私が待ってると思って、急かしてしまったんじゃないかな?
さっきの町娘のようなワンピースも可愛かったけど、そのドレスも良く似合ってるね。」
いつものお兄様だ。
「ありがとうございます。」
と私はお礼を言いながら、向かいのソファーに腰かけた。
「レベッカ」
「はい」
「お前は本当にレオナルド殿を愛しているのかい?」
その聞き方に、嘘がばれたのかとドキッとしてしまう。
私は動揺を隠しながら
「今日会ったばかりですので、愛しているかは、まだわかりませんわ。でも、好きになってしまったのは間違いありません。レオナルド様のような方となら、幸せな家庭を築けるのではないかと思って。」
愛してるとは、嘘でもまだ言えそうにない。なので、少しはぐらかした言い方になってしまった。
「そうか…。レオナルド殿は剣の腕も優秀で、王家からの信頼も厚い。
ランバード伯爵家も爵位はうちと同じだが、歴史ある由緒正しい家柄だ。そこは全く問題はないと思うよ。
しかし、私が聞いた噂では、レオナルド殿は、その…女嫌いで今まで、浮いた噂の一つもない。それで…その…言いにくいのだが、男色だと言う噂もあって…。
レオナルド殿は本気でレベッカを想ってくれているのか?もしや、レベッカとの結婚をカモフラージュに使おうと思っているのでは?
お前は騙されているんじゃないのか?」
おっと、お兄様は違う方向で、この結婚を疑ってらっしゃるのね?しかも、レオナルド様が私を騙して結婚しようと思ってると。
この国では、基本的には一夫一妻制だ。王族だけは、正妃様に3年子が授からない場合のみ側室を持つ事が認められている。
そして、他の国ではあまり認められていない同性婚も一応認められている。認められてはいるが、かなり少数だ。残念ではあるが、まだまだ同性婚のカップルには世間の目が厳しい事も事実である。
正直、私もレオナルド様は男色ではないかと疑ってはいる。
歴史ある伯爵家では、もしかすると同性婚は認められないのかもしれない。レオナルド様は次男で、本来であれば爵位を継ぐ事も、後継を求められる事もなかったはずだ。
今回の件で、ジョシュア様が廃嫡され、ますます同性婚へのハードルは上がった事であろう。
今回の事が上手くいって、私と結婚した暁には、是非ともレオナルド様には自由に恋愛を楽しんでいただきたい。
男性の恋人が出来ても、私は受け入れてあげたいと思っている。
「お兄様、それは考え過ぎです。レオナルド様からお気持ちをちゃんとお聞きしましたし、お互い想い合っておりますの。心配しないで下さい。」
と私は微笑んだ。
お兄様もまさか私が男性の恋人ドンとこいという心意気だとは思うまい。
「そうなのか…。本当に2人が想い合っているなら、もう私は反対しないよ。
あぁ。あんなに小さかった私のお姫様が嫁いで行ってしまうなんて。
正直、寂しいよ。」
こんな優しいお兄様を騙しているかと思うと胸が痛む。
「お兄様…ありがとうございます。」私はソファーから立ち上がり、お兄様に抱きついた。
「お兄様、出来れば私達は、婚約期間を設けず、直ぐに結婚したいと思っています。」
「な、なんだって?平民同士の結婚であれば、それでも良いかもしれないが、貴族の間ではそれは難しいだろう。通常は婚約期間を1年以上は設けるものだよ。結婚式の準備すら出来ないじゃないか」
「ええ。私達、お式はどうでも良いのです。1日も早くレオナルド様と一緒に過ごしたいと考えています。」
「2人はそれで良いのかもしれないが、貴族の結婚は家と家の結びつきでもあるんだ、そんな我が儘はお互いの両親が許すはずはないよ」
「我が儘を言っている事は重々承知しております。でも、今すぐでないといけないのです。」
「何をそんなに焦っているんだい?」
「あと20日もすれば…アレックスお兄様が帰国されます」
「あっ。…そうだったね。その問題片付いてなかったなぁ。」
と、サミュエルお兄様と2人で遠い目をしてしまうのでした。
私達に気がつくと、
「サミュエル様!お嬢様を見つけて下さったのですね!
お嬢様、ご無事でしたか?
怪我などはされていらっしゃいませんでしょうか?
今回の事は私の不注意が招いた事。
如何様にも処分をお受けいたします。まずは、馬車にお乗り下さい。」
と頭を下げ、馬車の扉を開いてくれた。
「ウィル、心配かけて本当にごめんなさい。私がわざとウィルを撒いたのよ。ウィルは悪くないの。本当に反省してるわ。」
と私はウィルに謝った。
「お嬢様、私なんかに謝る必要はございません。お嬢様がご無事で何よりでした。」
と汗の光る顔で私に微笑んでくれた。
こんなに汗だくになるほど、私を探してくれたのね。本当に申し訳なかったわ。
私は心から反省した。
馬車に乗り、サミュエルお兄様と伯爵家のタウンハウスに帰ってきた。
お兄様は、店を出てから、一言も喋ってくれない。私も何と話しかけたら良いのか、わからずに、2人共無言で帰宅した。
邸に着くと私の専属侍女であるアンナが
「お嬢様!ご無事で何よりです。事故にでも巻き込まれたのではないかと、心配しておりました。こんなことなら、私も付いて行けば良かったと、後悔していたところです。
ウィルに任せたばっかりに…」
と、声を震わせながら、私を抱き締めてくれた。
「アンナ、心配かけてごめんなさい。ウィルは悪くないのよ。全部、私のせいなの。ウィルを責めないで」
とアンナの手を取り話す。
「まずは、お着替えをいたしましょう。お腹は空いてませんか?何か軽食でもご用意いたしましょうか?」
と優しく聞いてくれたアンナに
「お腹は空いてないわ。もう少しで夕食の時間だし。でも、街が少し埃っぽかったから、湯浴みがしたいの。準備してもらえるかしら?」
「もちろんでございます。すぐに準備をいたしますね。」
と2人で2階に上がりながら話をしていると、玄関ホールからお兄様が、
「レベッカ、着替えたらサロンで少し話をしよう。アンナ、その時にお茶の準備を頼むよ」
「はい。畏まりました。」
2階の私の部屋に付き、湯浴みの準備が出来るまで椅子に腰かけた。
(お兄様、やっぱり怒ってらっしゃるわよね。でも、今回のミッションは、私の為にも、レオナルド様の為にも絶対成功させなくちゃ)
と私は意気込んだ。
湯浴みを終え、サロンへ向かうと、すでにサミュエルお兄様がソファへ腰かけてお茶を飲んでいた。
「お兄様、お待たせして申し訳ありません。」
「いや、私が待ってると思って、急かしてしまったんじゃないかな?
さっきの町娘のようなワンピースも可愛かったけど、そのドレスも良く似合ってるね。」
いつものお兄様だ。
「ありがとうございます。」
と私はお礼を言いながら、向かいのソファーに腰かけた。
「レベッカ」
「はい」
「お前は本当にレオナルド殿を愛しているのかい?」
その聞き方に、嘘がばれたのかとドキッとしてしまう。
私は動揺を隠しながら
「今日会ったばかりですので、愛しているかは、まだわかりませんわ。でも、好きになってしまったのは間違いありません。レオナルド様のような方となら、幸せな家庭を築けるのではないかと思って。」
愛してるとは、嘘でもまだ言えそうにない。なので、少しはぐらかした言い方になってしまった。
「そうか…。レオナルド殿は剣の腕も優秀で、王家からの信頼も厚い。
ランバード伯爵家も爵位はうちと同じだが、歴史ある由緒正しい家柄だ。そこは全く問題はないと思うよ。
しかし、私が聞いた噂では、レオナルド殿は、その…女嫌いで今まで、浮いた噂の一つもない。それで…その…言いにくいのだが、男色だと言う噂もあって…。
レオナルド殿は本気でレベッカを想ってくれているのか?もしや、レベッカとの結婚をカモフラージュに使おうと思っているのでは?
お前は騙されているんじゃないのか?」
おっと、お兄様は違う方向で、この結婚を疑ってらっしゃるのね?しかも、レオナルド様が私を騙して結婚しようと思ってると。
この国では、基本的には一夫一妻制だ。王族だけは、正妃様に3年子が授からない場合のみ側室を持つ事が認められている。
そして、他の国ではあまり認められていない同性婚も一応認められている。認められてはいるが、かなり少数だ。残念ではあるが、まだまだ同性婚のカップルには世間の目が厳しい事も事実である。
正直、私もレオナルド様は男色ではないかと疑ってはいる。
歴史ある伯爵家では、もしかすると同性婚は認められないのかもしれない。レオナルド様は次男で、本来であれば爵位を継ぐ事も、後継を求められる事もなかったはずだ。
今回の件で、ジョシュア様が廃嫡され、ますます同性婚へのハードルは上がった事であろう。
今回の事が上手くいって、私と結婚した暁には、是非ともレオナルド様には自由に恋愛を楽しんでいただきたい。
男性の恋人が出来ても、私は受け入れてあげたいと思っている。
「お兄様、それは考え過ぎです。レオナルド様からお気持ちをちゃんとお聞きしましたし、お互い想い合っておりますの。心配しないで下さい。」
と私は微笑んだ。
お兄様もまさか私が男性の恋人ドンとこいという心意気だとは思うまい。
「そうなのか…。本当に2人が想い合っているなら、もう私は反対しないよ。
あぁ。あんなに小さかった私のお姫様が嫁いで行ってしまうなんて。
正直、寂しいよ。」
こんな優しいお兄様を騙しているかと思うと胸が痛む。
「お兄様…ありがとうございます。」私はソファーから立ち上がり、お兄様に抱きついた。
「お兄様、出来れば私達は、婚約期間を設けず、直ぐに結婚したいと思っています。」
「な、なんだって?平民同士の結婚であれば、それでも良いかもしれないが、貴族の間ではそれは難しいだろう。通常は婚約期間を1年以上は設けるものだよ。結婚式の準備すら出来ないじゃないか」
「ええ。私達、お式はどうでも良いのです。1日も早くレオナルド様と一緒に過ごしたいと考えています。」
「2人はそれで良いのかもしれないが、貴族の結婚は家と家の結びつきでもあるんだ、そんな我が儘はお互いの両親が許すはずはないよ」
「我が儘を言っている事は重々承知しております。でも、今すぐでないといけないのです。」
「何をそんなに焦っているんだい?」
「あと20日もすれば…アレックスお兄様が帰国されます」
「あっ。…そうだったね。その問題片付いてなかったなぁ。」
と、サミュエルお兄様と2人で遠い目をしてしまうのでした。
50
お気に入りに追加
998
あなたにおすすめの小説
いくら政略結婚だからって、そこまで嫌わなくてもいいんじゃないですか?いい加減、腹が立ってきたんですけど!
夢呼
恋愛
伯爵令嬢のローゼは大好きな婚約者アーサー・レイモンド侯爵令息との結婚式を今か今かと待ち望んでいた。
しかし、結婚式の僅か10日前、その大好きなアーサーから「私から愛されたいという思いがあったら捨ててくれ。それに応えることは出来ない」と告げられる。
ローゼはその言葉にショックを受け、熱を出し寝込んでしまう。数日間うなされ続け、やっと目を覚ました。前世の記憶と共に・・・。
愛されることは無いと分かっていても、覆すことが出来ないのが貴族間の政略結婚。日本で生きたアラサー女子の「私」が八割心を占めているローゼが、この政略結婚に臨むことになる。
いくら政略結婚といえども、親に孫を見せてあげて親孝行をしたいという願いを持つローゼは、何とかアーサーに振り向いてもらおうと頑張るが、鉄壁のアーサーには敵わず。それどころか益々嫌われる始末。
一体私の何が気に入らないんだか。そこまで嫌わなくてもいいんじゃないんですかね!いい加減腹立つわっ!
世界観はゆるいです!
カクヨム様にも投稿しております。
※10万文字を超えたので長編に変更しました。
そろそろ前世は忘れませんか。旦那様?
氷雨そら
恋愛
結婚式で私のベールをめくった瞬間、旦那様は固まった。たぶん、旦那様は記憶を取り戻してしまったのだ。前世の私の名前を呼んでしまったのがその証拠。
そしておそらく旦那様は理解した。
私が前世にこっぴどく裏切った旦那様の幼馴染だってこと。
――――でも、それだって理由はある。
前世、旦那様は15歳のあの日、魔力の才能を開花した。そして私が開花したのは、相手の魔力を奪う魔眼だった。
しかも、その魔眼を今世まで持ち越しで受け継いでしまっている。
「どれだけ俺を弄んだら気が済むの」とか「悪い女」という癖に、旦那様は私を離してくれない。
そして二人で眠った次の朝から、なぜかかつての幼馴染のように、冷酷だった旦那様は豹変した。私を溺愛する人間へと。
お願い旦那様。もう前世のことは忘れてください!
かつての幼馴染は、今度こそ絶対幸せになる。そんな幼馴染推しによる幼馴染推しのための物語。
小説家になろうにも掲載しています。
【完結】愛してました、たぶん
たろ
恋愛
「愛してる」
「わたしも貴方を愛しているわ」
・・・・・
「もう少し我慢してくれ。シャノンとは別れるつもりだ」
「いつまで待っていればいいの?」
二人は、人影の少ない庭園のベンチで抱き合いながら、激しいキスをしていた。
木陰から隠れて覗いていたのは男の妻であるシャノン。
抱き合っていた女性アイリスは、シャノンの幼馴染で幼少期からお互いの家を行き来するぐらい仲の良い親友だった。
夫のラウルとシャノンは、政略結婚ではあったが、穏やかに新婚生活を過ごしていたつもりだった。
そんな二人が夜会の最中に、人気の少ない庭園で抱き合っていたのだ。
大切な二人を失って邸を出て行くことにしたシャノンはみんなに支えられてなんとか頑張って生きていく予定。
「愛してる」
「わたしも貴方を愛しているわ」
・・・・・
「もう少し我慢してくれ。シャノンとは別れるつもりだ」
「いつまで待っていればいいの?」
二人は、人影の少ない庭園のベンチで抱き合いながら、激しいキスをしていた。
木陰から隠れて覗いていたのは男の妻であるシャノン。
抱き合っていた女性アイリスは、シャノンの幼馴染で幼少期からお互いの家を行き来するぐらい仲の良い親友だった。
夫のラウルとシャノンは、政略結婚ではあったが、穏やかに新婚生活を過ごしていたつもりだった。
そんな二人が夜会の最中に、人気の少ない庭園で抱き合っていたのだ。
大切な二人を失って邸を出て行くことにしたシャノンはみんなに支えられてなんとか頑張って生きていく予定。
わたくしが社交界を騒がす『毒女』です~旦那様、この結婚は離婚約だったはずですが?
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
※完結しました。
離婚約――それは離婚を約束した結婚のこと。
王太子アルバートの婚約披露パーティーで目にあまる行動をした、社交界でも噂の毒女クラリスは、辺境伯ユージーンと結婚するようにと国王から命じられる。
アルバートの側にいたかったクラリスであるが、国王からの命令である以上、この結婚は断れない。
断れないのはユージーンも同じだったようで、二人は二年後の離婚を前提として結婚を受け入れた――はずなのだが。
毒女令嬢クラリスと女に縁のない辺境伯ユージーンの、離婚前提の結婚による空回り恋愛物語。
※以前、短編で書いたものを長編にしたものです。
※蛇が出てきますので、苦手な方はお気をつけください。
【完結】愛してるなんて言うから
空原海
恋愛
「メアリー、俺はこの婚約を破棄したい」
婚約が決まって、三年が経とうかという頃に切り出された婚約破棄。
婚約の理由は、アラン様のお父様とわたしのお母様が、昔恋人同士だったから。
――なんだそれ。ふざけてんのか。
わたし達は婚約解消を前提とした婚約を、互いに了承し合った。
第1部が恋物語。
第2部は裏事情の暴露大会。親世代の愛憎確執バトル、スタートッ!
※ 一話のみ挿絵があります。サブタイトルに(※挿絵あり)と表記しております。
苦手な方、ごめんなさい。挿絵の箇所は、するーっと流してくださると幸いです。
このたび、あこがれ騎士さまの妻になりました。
若松だんご
恋愛
「リリー。アナタ、結婚なさい」
それは、ある日突然、おつかえする王妃さまからくだされた命令。
まるで、「そこの髪飾りと取って」とか、「窓を開けてちょうだい」みたいなノリで発せられた。
お相手は、王妃さまのかつての乳兄弟で護衛騎士、エディル・ロードリックさま。
わたしのあこがれの騎士さま。
だけど、ちょっと待って!! 結婚だなんて、いくらなんでもそれはイキナリすぎるっ!!
「アナタたちならお似合いだと思うんだけど?」
そう思うのは、王妃さまだけですよ、絶対。
「試しに、二人で暮らしなさい。これは命令です」
なーんて、王妃さまの命令で、エディルさまの妻(仮)になったわたし。
あこがれの騎士さまと一つ屋根の下だなんてっ!!
わたし、どうなっちゃうのっ!? 妻(仮)ライフ、ドキドキしすぎで心臓がもたないっ!!
「君以外を愛する気は無い」と婚約者様が溺愛し始めたので、異世界から聖女が来ても大丈夫なようです。
海空里和
恋愛
婚約者のアシュリー第二王子にべた惚れなステラは、彼のために努力を重ね、剣も魔法もトップクラス。彼にも隠すことなく、重い恋心をぶつけてきた。
アシュリーも、そんなステラの愛を静かに受け止めていた。
しかし、この国は20年に一度聖女を召喚し、皇太子と結婚をする。アシュリーは、この国の皇太子。
「たとえ聖女様にだって、アシュリー様は渡さない!」
聖女と勝負してでも彼を渡さないと思う一方、ステラはアシュリーに切り捨てられる覚悟をしていた。そんなステラに、彼が告げたのは意外な言葉で………。
※本編は全7話で完結します。
※こんなお話が書いてみたくて、勢いで書き上げたので、設定が緩めです。
傲慢令嬢は、猫かぶりをやめてみた。お好きなように呼んでくださいませ。愛しいひとが私のことをわかってくださるなら、それで十分ですもの。
石河 翠
恋愛
高飛車で傲慢な令嬢として有名だった侯爵令嬢のダイアナは、婚約者から婚約を破棄される直前、階段から落ちて頭を打ち、記憶喪失になった上、体が不自由になってしまう。
そのまま修道院に身を寄せることになったダイアナだが、彼女はその暮らしを嬉々として受け入れる。妾の子であり、貴族暮らしに馴染めなかったダイアナには、修道院での暮らしこそ理想だったのだ。
新しい婚約者とうまくいかない元婚約者がダイアナに接触してくるが、彼女は突き放す。身勝手な言い分の元婚約者に対し、彼女は怒りを露にし……。
初恋のひとのために貴族教育を頑張っていたヒロインと、健気なヒロインを見守ってきたヒーローの恋物語。
ハッピーエンドです。
この作品は、別サイトにも投稿しております。
表紙絵は写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる