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修学旅行
しおりを挟む今日から修学旅行。基本的に旅行は好きな方だ。自然とテンションが上がる。
新幹線とバスを使い目的地に到着する。
初日は歴史的建造物などを見学して回る。アラサー女には趣のある建物はなかなか興味深い。
でも高校生には渋すぎるのか?皆はあまり興味はないようだ。
2日目は班行動。この前計画を立てた通りに、目的地を回る。
私の目的はこの日に見学予定の場所にある有名なお店のお菓子だ。
本郷先輩が美味しいと言っていたこのお菓子を、江梨子さんのお土産としても買う予定でいた。
「花音は最初っからこのお店の事しか言ってなかったな?ここが好きなのか?」
森田がお菓子を買った私に話しかけてきた。
「ううん。本郷先輩が美味しいって教えてくれたの。
だから先輩へのお土産にしたくて」
「…へぇ~。本郷先輩とお前、そんな仲良かったっけ?」
「え?仲良し…とは言えないかもしれないけど、会ったらお喋りする程度だよ」
…本当はもっと仲良くなりたいけどね!
「ふ~ん。でもさ…本郷先輩って…」
そう森田が何かを言いかけた時、
「花音!あっちでさ、なんかイベントやってるみたい。ちょっと観て行こうよ!
ほら、森田くんも!」
と、桃りんに呼ばれて、そのまま私達はイベントの方へ向かう。
森田の言い方かけた言葉はそのまま有耶無耶になってしまった。
私達の班は時間ギリギリでなんとか予定通り目的地を回る事が出来た。
途中、バスが渋滞にはまったり、走ったりで結構疲れてしまった。
「…花音。今日、夜ちょっと抜け出さない?」
何故か、爽太くんに誘われた。
爽太くんを攻略してるなら、絶対に外せないイベントなのだろう事は予想できる。
でも私は本郷先輩攻略中であり、今日は非常に疲れている。
今の私には断るの一択だ。
「…ごめん。今日はなんか疲れたのかな…頭が痛いんだよね。
夜はゆっくりしとくよ」
「そっか。頭痛いなら先生に薬もらう?俺、貰って来ようか?」
…失礼にも断った私に、優しくしないでほしい。
罪悪感でパンパンになる。
「ううん。大丈夫。市販薬持ってきてるから。ごめんね。ありがとう」
そう言って私は部屋に戻る。
ヒロインって、やっぱり攻略対象とイベント起きやすいのかな?
かといって、夏目先生とは特に何も起こってないけど…そう思っていたのに…
「坂崎、体調どうだ?」
夕食後、部屋に戻る私に夏目先生が声を掛けてくれた。
私が不思議そうにしていると、
「あれ?長谷川が坂崎が体調悪そうって言ってたから。違ったかな?」
「あ!いえ。少し頭痛がしたので。
でもさっき薬は飲んだので、後は部屋でゆっくりします」
「そうか。もし具合悪いようなら、直ぐに言ってくれよ。
明日はテーマパークだろ?
楽しく過ごして欲しいからな」
「はい。ありがとうございます」
私はそう先生に言って、部屋に戻る。
今の今まで、夏目先生とは担任というポジション以上の絡みはなかった。
やっぱりこの修学旅行というイベントは2人の攻略にか欠かせない物なのだろうと予想が出来る。
しかし、私は逆ハーエンドなんて望んでいないし、このゲームにはそもそも逆ハーなんて存在しないはず。
ヒロインの強制力があるというなら、もっと本郷先輩との仲を発展させる強制力が欲しいと私は切実に思った。
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