Ａ：そこに推しがいるから

アイドルなのに恋愛面を隠さない彼

Ｇくんは一応アイドルのカテゴリーだったが、彼自身は舞台というステージをとても大切にしている人だった。

私は彼の歌声もダンスも大好きだが、役者としての彼も大好きだった。

彼の演技は評価も高く、アイドルとしては珍しくＲ15+の映画に出演した。
ネタバレは良くないが私はその映画を見終わってから暫く席を立つことが出来なかった。
サスペンス映画だというのに、涙を流した。

漫画原作のこの作品。原作が好きな方には色々と思う所はあったかもしれない。だが、私はこの映画にはとてつもない衝撃を受けた。
Blu-rayも買ったが、心が元気でないと観ることが出来ないのが残念だ。

ある日彼の舞台を観に行った。
とてつもなく難しい作品だったが、随所に響く言葉が散りばめられた、素晴らしい作品だった。

ふと、その作品を観ながら私は感じた事がある。それは共演している女優さんがＧくんを好きなのではないか？と思った事だ。

好き好きオーラが全開に見えた。役としても想い合う役柄なので、何の問題もないのだが、私には、女優さん本人が彼を好きなんだな…と感じた。

その舞台が千秋楽を迎えて少し経った頃、Ｇくんの記事が出た。同僚が私に教えてくれたのだが、私は相手の名を聞く前に誰だか分かってしまったのだった。