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番外編

番外編・その31

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セドリックの結婚が無事に済んだかと思えば、今度はジュリエッタの挙式の準備だ。

「何だか時間が経つのがアッと言う間だわ」

私が思わず言うと、目の前で私と共にジュリエッタのウェディングドレスのデザインを選んでいたナラが、

「クロエ様が忙し過ぎるせいですよ。
ジュリエッタ様の結婚式ぐらい、私に任せて頂いても良いんですよ?」

義理の親子になったとはいえ、ナラは私を『クロエ様』と呼ぶ。ジュリエッタの事も同じく。

「これは昔からね。どうしても人に任せる事が上手く出来ないの。
もちろん他人を信頼出来ないとか、ナラを信用してないとかじゃないのよ?
ただ、色々と説明するのが面倒くさくなっちゃったりするのよね…悪い癖ね」
と私が笑うと、ナラは、

「わかってますよ。クロエ様は王妃だった頃から、よくそうやって反省されてましたね。
周りの者も何度か仕事のし過ぎだと苦言を呈していましたしねぇ。
しかし…クロエ様はなんだか仕事している時がイキイキしていらっしゃるんですもの」
と苦笑した。

マルコ様にも、くれぐれも体調には気を付けるように言われているが『仕事を取り上げるのはクロエの生き甲斐を取り上げるようで心苦しいからな』と言われている。
今のナラと同じような苦笑と共に。

「そう言えばクロエ様…今朝はあまり朝食を召し上がっていらっしゃらなかったようですが、どうかされました?」

そうなのだ。昨日ぐらいから少し、食欲がない。
マルコ様が隣国へ出張に行ってて寂しいのが原因からかしら?

「なんだか少し食欲がないのよね~」
と私が言えば、

「マルコが居ないのが原因ですかね?」
とナラも私が考えている事と同じ事を言った。
心を読まれてるのかしら。

「それは冗談としても…」
とナラは少し真面目な顔になった。

…冗談だったんだ…。

「食べる事に貪欲なクロエ様の食欲がないなんて、一大事ですね。
1度ユニ先生の診察を受けてはいかがですか?」

私は王族を抜けたにも関わらず、何故かユニ先生の診察を受ける事が許可されている。…特別待遇だ。

「そうね~。時間がある時に診察を受けるわ。ほんの少し食欲がないだけなのよ?
他は特にどこにも不調はないの。…疲れが出てるのかしらね?」
と私が言えば、

「クロエ様、時にはゆっくり休む事も大切ですわ」
とナラも大きく頷いた。

結局、私がユニ先生の診察を受けたのは 、この話をした約10日後だったのだが。
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