20 / 50
過去の話〜幸司編⑴〜
しおりを挟む
勇を見てると昔の自分を見ているようで、苦しくなることがある。オレも昔は、ズボンを濡らすことがよくあった。
母さんがいなくなって、しばらく経った頃だ。それまでは、全くと言っていいほど、おねしょもおもらしもなかったが、急に気づいたら、限界を迎えている事が多くなり、間に合わないことが増えた。
勇を見ていると、あの時の苦い気持ちが思い出され、勇の気持ちも痛いほどわかった。
じゅわわ……
え……やばっ……
股間を押さえて布団から飛び起き、トイレへ駆け込む。残りを出し切り、濡れてしまった下着を見ると、パンツには丸く10cm程のシミが出来ていたけど、ズボンは無事だった。
「はぁ~」
そんなに漏れてないことに安堵するも、パンツについたシミを見て、高校生にもなって濡らしてしまった自分に呆れ、情けなくなる。時計を見るとまだ、5時前だったけどもう眠ることはできなかった。
なんで、今さら……もう何年も漏らすことはなかったのに……
「……じ……こうじっ」
「あぁ……幸也か」
肩を掴まれて、すぐ後ろに幸也がいた。登校時、何度も声をかけられていたようだが、気づかなかった。
「どうしたの?具合悪い?」
「いや……ちょっとボーっとしてた」
「最近、なんか変だよ。何かあった?」
「ん?んーそんなことは……」
「あっ、今一緒に住んでる、勇君のこととか……」
心配そうに幸也が見つめてくる。こいつは、なかなかに鋭い……
だけど、今朝漏らしてしまったと言えるはずもなく、誤魔化す言葉を考える。
「何もないって。今日の英語、絶対当たるからマズイなぁって思って……」
「ほんと?」
幸也のまっすぐな視線に、目が泳ぐ。
「ほんと、ほんと。ったく、幸也は心配性だなー」
幸也の視線を振り切って、歩調を速めて先を急ぐ。
「……はぁ……今日はそういうことにしておくけど……」
幸也の呟きが聞こえて振り返ると、目があった幸也は首を振っていた。
母さんがいなくなって、しばらく経った頃だ。それまでは、全くと言っていいほど、おねしょもおもらしもなかったが、急に気づいたら、限界を迎えている事が多くなり、間に合わないことが増えた。
勇を見ていると、あの時の苦い気持ちが思い出され、勇の気持ちも痛いほどわかった。
じゅわわ……
え……やばっ……
股間を押さえて布団から飛び起き、トイレへ駆け込む。残りを出し切り、濡れてしまった下着を見ると、パンツには丸く10cm程のシミが出来ていたけど、ズボンは無事だった。
「はぁ~」
そんなに漏れてないことに安堵するも、パンツについたシミを見て、高校生にもなって濡らしてしまった自分に呆れ、情けなくなる。時計を見るとまだ、5時前だったけどもう眠ることはできなかった。
なんで、今さら……もう何年も漏らすことはなかったのに……
「……じ……こうじっ」
「あぁ……幸也か」
肩を掴まれて、すぐ後ろに幸也がいた。登校時、何度も声をかけられていたようだが、気づかなかった。
「どうしたの?具合悪い?」
「いや……ちょっとボーっとしてた」
「最近、なんか変だよ。何かあった?」
「ん?んーそんなことは……」
「あっ、今一緒に住んでる、勇君のこととか……」
心配そうに幸也が見つめてくる。こいつは、なかなかに鋭い……
だけど、今朝漏らしてしまったと言えるはずもなく、誤魔化す言葉を考える。
「何もないって。今日の英語、絶対当たるからマズイなぁって思って……」
「ほんと?」
幸也のまっすぐな視線に、目が泳ぐ。
「ほんと、ほんと。ったく、幸也は心配性だなー」
幸也の視線を振り切って、歩調を速めて先を急ぐ。
「……はぁ……今日はそういうことにしておくけど……」
幸也の呟きが聞こえて振り返ると、目があった幸也は首を振っていた。
0
お気に入りに追加
23
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
お兄ちゃんはお医者さん!?
すず。
恋愛
持病持ちの高校1年生の女の子。
如月 陽菜(きさらぎ ひな)
病院が苦手。
如月 陽菜の主治医。25歳。
高橋 翔平(たかはし しょうへい)
内科医の医師。
※このお話に出てくるものは
現実とは何の関係もございません。
※治療法、病名など
ほぼ知識なしで書かせて頂きました。
お楽しみください♪♪
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる