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これから⑽
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「わぁ~これ、めっちゃおいしいっ!!」
泰輔の作ったチキンティッカを頬張って、小夏が満面の笑みではじゃいでいる。今回は家の庭でのバーベキューだから、外の炭火と家の中のコンロをうまく使って料理をしていた。
「さすが、プロの料理人は違うね。泰輔くんはキャンプとか春人くんとよく行っていたんだってね」
「学生のころは毎年のように行っていて、店を持ってからはなかなか行けてなかったんですけど、去年久しぶりに春人と真野くんとあと、オレの奥さんとで行ってきたんですよ。ちょうど知り合いの人がコテージを割安で貸してくれて」
「もしかして、春人くんが川で転んだとき?」
「ん?そんなことあったかな……?」
「えっ!!あ、あのっ、なんで樹生さんが知って……あの時はボクと先生しかいなくて、乾かしてから戻ったから……もしかして、先生思い出したんですか!」
一気に視線がオレの方に注がれ、いたたまれなくなり歯切れ悪い返事になってしまう。そこに言葉を繋いでくれたのは、樹生さんだった。
「さっき春人くんと準備してる時にそんな話になって……でも、それって去年、真野くん達と行った時ってことなんだね。いつのことかは曖昧みたいだったけど」
「ごめん……思い出した訳じゃなくて……なんかそんなこともあったかなと思っただけで……」
期待した目を向けた真野に申し訳ない気持ちで、視線がさがる。そんなオレの感情が周りに伝染するかのようにみんな言葉が繋げないでいると、一番落ち込んでいると思われた真野が声を発する。
「でも去年のことも思い出せつつあるってことですよね。よかった……ふふっ、確かあの時は、子供たちがぶつかって、ボクと2人で転んじゃったんですよ。幸い、ボクはほとんど濡れなかったんですけど、先生は尻餅つく感じになっちゃって、パンツまでべっちゃりだーって言ってました」
その時の情景を思い出したのか、真野がクスクス笑っている。一瞬、暗くなりかけた雰囲気に、真野の言葉によって場の雰囲気が変わる。改めて真野には敵わないなと思い知らされた。
泰輔の作ったチキンティッカを頬張って、小夏が満面の笑みではじゃいでいる。今回は家の庭でのバーベキューだから、外の炭火と家の中のコンロをうまく使って料理をしていた。
「さすが、プロの料理人は違うね。泰輔くんはキャンプとか春人くんとよく行っていたんだってね」
「学生のころは毎年のように行っていて、店を持ってからはなかなか行けてなかったんですけど、去年久しぶりに春人と真野くんとあと、オレの奥さんとで行ってきたんですよ。ちょうど知り合いの人がコテージを割安で貸してくれて」
「もしかして、春人くんが川で転んだとき?」
「ん?そんなことあったかな……?」
「えっ!!あ、あのっ、なんで樹生さんが知って……あの時はボクと先生しかいなくて、乾かしてから戻ったから……もしかして、先生思い出したんですか!」
一気に視線がオレの方に注がれ、いたたまれなくなり歯切れ悪い返事になってしまう。そこに言葉を繋いでくれたのは、樹生さんだった。
「さっき春人くんと準備してる時にそんな話になって……でも、それって去年、真野くん達と行った時ってことなんだね。いつのことかは曖昧みたいだったけど」
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