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キャンプ⑸
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「静佳?柊子?うそー久しぶりー」
夕花里さんは、2人の姿を見るとテンションが一気に上がった。そして、そのままコテージでみんなで夕食を食べることになった。
静佳さんと柊子さんは、夕花里さんの高校の時からの友達で、泰輔さんと仲が良かった先生とも大学時代に仲良くなったようだ。ちなみに今更知ったけど、夕花里さんと泰輔さんは幼馴染らしい。
話はどうしても、大学時代の話になることが多く、ボクだけちょっと蚊帳の外で寂しい。知らない先生の話を聞けるのは楽しいけど、ボクだけ年が8つも違って、その思い出の中にボクはいない。それに、静佳さんと先生が話しているのを見て、先生に彼女がいたら、こんな感じなんだよな……と勝手に思い込んで落ち込んだ。せっかく、楽しみにしていたチキンティッカも、うまく味わえなかった。
その分、どうしても飲むペースが早くなってしまう。自分のビールがなくなり、そっと立って中に飲み物を取りに行き、冷蔵庫の前に立ってフーっと大きく息を吐く。
少し飲みすぎたかもしれない……
「大丈夫か?」
振り向くと後ろには先生が、心配そうに立っていた。
「先生……」
「なんか、今日飲むペースが早いなと思って……真野、あんまりお酒強くないだろ」
まったく……先生には隠し事ができない……
「2階で少し休むか。オレも少し疲れたし」
「でも……」
「あいつらは、放っておいても大丈夫、大丈夫」
2階の部屋にはベランダがついていて、ベランダに出ると暗くなった空に星が輝いている。バーベキューをやっていた所と、反対の方角のベランダであり、周りに街灯もなく星が綺麗に見える。
「おぉ!すごいな」
「いつもは、ここまでの星は見れないですよね」
先生とこんな綺麗な星空を見られるなんて、ドキドキしてしまう。
「今日は、悪かったな」
「え……?」
「静佳と柊子がいると、話入りずらいだろ。つまらなかったんじゃないか?」
「いえ……。大学時代の先生の話は新鮮ですよ。でも……先生と静佳さん仲良くて、ちょっと妬いちゃうなぁ……って」
だいぶ酔っていたのかもしれない。
こんな事を言ってしまうなんて……
「えっ……」
先生のビックリした顔に、我にかえる。
「って……何言ってるんだろ。ちょっと飲みすぎちゃいました。あ!だいぶ落ち着いたので、みんなのところに戻りましょう」
逃げるようにベランダから部屋に入ろうとすると、腕を引かれて抱きしめられた。
今までも似たような場面があったけど、ここまで力強く、腕も回されたのは初めてだった。
ど……どういうこと……焦っている自分と、ずっとこのままでいたい自分とがいる。
うまく頭が回らない。
「せ……せんせい……」
長い時間のようにも一瞬のようにも感じた。
「わ……悪い……。オレもだいぶ酔ってるみたいだ」
急に、グッと体を離して目を合わせず話す。
そして、先生は足早に部屋を出て行こうとするが、ドアノブに手を触れて足を止めた。
「静佳は柊子のパートナーだから。それにオレは女の人は、興味ないから」
そう言うと、部屋を出て行ってしまう。
えっと……どういうことなのかな……
1人部屋に取り残され、回らない頭を必死に動かした。
夕花里さんは、2人の姿を見るとテンションが一気に上がった。そして、そのままコテージでみんなで夕食を食べることになった。
静佳さんと柊子さんは、夕花里さんの高校の時からの友達で、泰輔さんと仲が良かった先生とも大学時代に仲良くなったようだ。ちなみに今更知ったけど、夕花里さんと泰輔さんは幼馴染らしい。
話はどうしても、大学時代の話になることが多く、ボクだけちょっと蚊帳の外で寂しい。知らない先生の話を聞けるのは楽しいけど、ボクだけ年が8つも違って、その思い出の中にボクはいない。それに、静佳さんと先生が話しているのを見て、先生に彼女がいたら、こんな感じなんだよな……と勝手に思い込んで落ち込んだ。せっかく、楽しみにしていたチキンティッカも、うまく味わえなかった。
その分、どうしても飲むペースが早くなってしまう。自分のビールがなくなり、そっと立って中に飲み物を取りに行き、冷蔵庫の前に立ってフーっと大きく息を吐く。
少し飲みすぎたかもしれない……
「大丈夫か?」
振り向くと後ろには先生が、心配そうに立っていた。
「先生……」
「なんか、今日飲むペースが早いなと思って……真野、あんまりお酒強くないだろ」
まったく……先生には隠し事ができない……
「2階で少し休むか。オレも少し疲れたし」
「でも……」
「あいつらは、放っておいても大丈夫、大丈夫」
2階の部屋にはベランダがついていて、ベランダに出ると暗くなった空に星が輝いている。バーベキューをやっていた所と、反対の方角のベランダであり、周りに街灯もなく星が綺麗に見える。
「おぉ!すごいな」
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先生とこんな綺麗な星空を見られるなんて、ドキドキしてしまう。
「今日は、悪かったな」
「え……?」
「静佳と柊子がいると、話入りずらいだろ。つまらなかったんじゃないか?」
「いえ……。大学時代の先生の話は新鮮ですよ。でも……先生と静佳さん仲良くて、ちょっと妬いちゃうなぁ……って」
だいぶ酔っていたのかもしれない。
こんな事を言ってしまうなんて……
「えっ……」
先生のビックリした顔に、我にかえる。
「って……何言ってるんだろ。ちょっと飲みすぎちゃいました。あ!だいぶ落ち着いたので、みんなのところに戻りましょう」
逃げるようにベランダから部屋に入ろうとすると、腕を引かれて抱きしめられた。
今までも似たような場面があったけど、ここまで力強く、腕も回されたのは初めてだった。
ど……どういうこと……焦っている自分と、ずっとこのままでいたい自分とがいる。
うまく頭が回らない。
「せ……せんせい……」
長い時間のようにも一瞬のようにも感じた。
「わ……悪い……。オレもだいぶ酔ってるみたいだ」
急に、グッと体を離して目を合わせず話す。
そして、先生は足早に部屋を出て行こうとするが、ドアノブに手を触れて足を止めた。
「静佳は柊子のパートナーだから。それにオレは女の人は、興味ないから」
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