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同窓会⑶
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ピコンとケータイが鳴り、開くと〝よろしく〟と一言送られてきた。
「届いた?」
「あ、はい」
「じゃあ、登録よろしく……さて、そろそろ戻るかな」
「あ……ちょっと待って……えっと……」
室内に戻ろうとした先生を呼び止めてしまう。
「ん?」
「えーっと…あ、倉本さん。倉本さんが先生と話がしたいって言ってました」
とっさに、倉本さんの名前を出してしまう。
「倉本……?」
「覚えてないですか。えっと、ボクと同じクラスで、一緒に図書委員もやってた……」
「あー」
思い出したのか、先生はうなづく。
「さっきはたくさん人がいて、話すの無理だなって言ってたので。今呼んできますから、ちょっとだけ待っていてください」
そう言うと先生を残して、逃げるように1人屋内に戻る。
さっき、先生を呼び止めてボクは何を言おうとしてたんだろう……。
帰り際、倉本さんに呼び止められ、最後に先生と話ができて良かったとお礼を言われた。それに、最後「真野くんの会いたかった人って、私と同じだったりして……」と耳元で囁いた。
ドキリとして、何も言えないでいるとニッコリと笑って、倉本さんは先に行っていた女子の輪の中に合流していった。
そうなんだろうか…….ボクは今日、奥田先生に会うために来たんだろうか……。
地下鉄に乗りながら、倉本さんに言われた言葉がずっとグルグルとしていた。その時、ピコンとケータイが鳴る。
〝来週どこかで、飯どう?〟と先生からのメッセージが、目に飛び込んでくる。
ドキドキドキドキ……
やっぱり今日は奥田先生に会いにきたのかもしれない……。
「届いた?」
「あ、はい」
「じゃあ、登録よろしく……さて、そろそろ戻るかな」
「あ……ちょっと待って……えっと……」
室内に戻ろうとした先生を呼び止めてしまう。
「ん?」
「えーっと…あ、倉本さん。倉本さんが先生と話がしたいって言ってました」
とっさに、倉本さんの名前を出してしまう。
「倉本……?」
「覚えてないですか。えっと、ボクと同じクラスで、一緒に図書委員もやってた……」
「あー」
思い出したのか、先生はうなづく。
「さっきはたくさん人がいて、話すの無理だなって言ってたので。今呼んできますから、ちょっとだけ待っていてください」
そう言うと先生を残して、逃げるように1人屋内に戻る。
さっき、先生を呼び止めてボクは何を言おうとしてたんだろう……。
帰り際、倉本さんに呼び止められ、最後に先生と話ができて良かったとお礼を言われた。それに、最後「真野くんの会いたかった人って、私と同じだったりして……」と耳元で囁いた。
ドキリとして、何も言えないでいるとニッコリと笑って、倉本さんは先に行っていた女子の輪の中に合流していった。
そうなんだろうか…….ボクは今日、奥田先生に会うために来たんだろうか……。
地下鉄に乗りながら、倉本さんに言われた言葉がずっとグルグルとしていた。その時、ピコンとケータイが鳴る。
〝来週どこかで、飯どう?〟と先生からのメッセージが、目に飛び込んでくる。
ドキドキドキドキ……
やっぱり今日は奥田先生に会いにきたのかもしれない……。
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