【完結】俺は遠慮します。

クリスマスイブ＊ややエロあり

クリスマス…それは恋人同士が過ごす聖なる夜。

「…なんで、なんでそんな日までむさ苦しく過ごさなきゃならないんだー！」

そんな俺の心からの雄叫びを気にすることなく進んでいく目の前の状況。

「クリスマス～！栄人～今日は楽しい楽しいクリスマスだよ♪宗也君と僕もお手伝いしたんだよ！」

「手伝った。」

うん、瑠季と宗也は可愛いから良しとする。と言うか、男だからむさ苦しいだけで、顔面偏差値はえげつないほどに高い。

「なんだぁ？クリスマスなのにしけた面して…そんなに俺にかまって欲しいのか？」

響先輩、それは断って欲しくて言っているんですかね？

「栄人、そんな奴ら放っておいて俺と一緒に食べよう？」

「そ、そうだな徹。どれも美味そうだよな。冷めると勿体ないし食べよっか。」

「栄人クン、あーん。」

「普通に自分で食べられるんで遠慮します。颯先輩も早く食べないと無くなりますよ。」

いつものメンバーが聖なる夜の前夜に集まるという、謎の強制力が働いていることを疑わざるを得ない状況が先ほどから続いている。

「稔、チキンは頼んだのか？」

「もちろんだ。この人数で足りないだろう。」

「そうですね、何故かあの人の来るそうですし。」

会長と輝樹先輩、女神様の会話を横目に聞き流していたら…

「あの人って俺のこと？」

「ひぇっ！」

耳元から艶のある声が流れ、ゾクッとする。
この声は旬祢さんしかいない。

「兄さん、栄人君から離れてください。栄人君が穢れます。」

「それはまた随分な言いぐさだね。大丈夫、たとえ穢れても俺が大切にするからね？」

「ん、っ…」

悠希先輩が距離を離してくれたのに、いつの間にやら近くにいて俺の耳をカプリ。

え、何この人。もうお酒でも飲んでるの？

「そこまでだ。不純同性行為だな。」

中々きまらない担任だけど、助けてくれたことには感謝する。

「揃ったことだし、始めるか。」

会長の一言で皆でグラスを掲げて乾杯す

「待って、俺の扱い！俺まだ来てなかったんですけど！！栄人まで酷いよ！」

「尊いたのか。」

「いたのかじゃなくて、今来たんだよ！」

「それじゃあ気を取り直して、乾杯。」

尊の登場により出鼻をくじかれた会長の代わりに、輝樹先輩が乾杯の音頭をとる。








『かんぱーい！』







12月24日、クリスマスイブ。聖なる夜の前夜、みんなでパーティーを始めたことが、まさかあんなことになるなんて…