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手回し

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「お、俺も今回1位だったんだ…」

会長はそう言って視線をずらす。ん?これは褒めてってことか?

「そうなんですね。お忙しい中すごいです。お疲れ様です。」

そう言うと、ちょっと物足りなさそうに…いや拗ねた様子で…

「それだけか?……俺は頭、撫でてくれないのか?」

ちょっと上目遣いでそう言われると、うん撫でますよね。

「ゔぅっ、撫でます。撫でます。」

嬉しそうに目を輝かせて頭を差し出すこの人は本当にこの学園のトップなのかと疑いたくなる。
この様子を睨みつけている影があるとは知らずに…



「そういえば、林間学校の班分けっていつ決めるんですか?」

疑問に思っていたことを、生徒会に聞いちゃえば早いじゃんと思って口にする。

「それは生徒会と先生方でもう決めていますので前日に発表されますよ。」

ッ!なんと!もう決められているのか。どうしよう、俺人見知りだから知ってる人とが良いかなぁ。










知ってる人とがいいとは言ったけど、これはいくら何でも仕組み過ぎだと思うなぁ、俺。

「班長の田中稔だ。ケガしないよう程度に楽しもう。」
「副班長の来見颯だよ~折角の機会だし無礼講で楽しもうね~」

全校生徒参加の班決めでたった五人しかいない生徒会が被ることあるか?いや普通はないだろ。絶対裏でなんかあっただろ。まぁ、本人たちが楽しそうだし、俺も知り合いと一緒になれて安心したから黙っておこう。


因みに今は現地について、決められた班内で自己紹介コーナーだ。

後の二人のうち一人は向井紡先輩、輝樹先輩の相棒的な人だ。もう1人も風紀委員らしい。

朝に学園を出発して今は昼前だ。今から班ごとにカレーを作るらしい。自分たちのお昼ご飯を調達だな。

「じゃあ早速作っていこう。」

そう言ってやる気満々な会長の気持ちは分かるが、料理出来ましたっけ?

「あー、じゃあ俺と栄人君で料理するんで他の三人は火起こしてご飯とか炊いててもらっていいですか?」

微妙な空気の中、紡さんが采配を行い早速調理に取り掛かる。って言っても紡さんとはほとんど初対面なんだけど。

「栄人君よろしくね。委員長から話聞いてるからなんかガッツリ話すの初めてな感じしないんだよね。」

なるほど、そういう…

それから紡さんと話しながらとんとん拍子で進んでいき、あっという間にカレーが完成してしまった。
完成した班から食べていいとのことだったので、早速みんなで頂く。




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