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ナンパ
しおりを挟むやってまいりました、尊たちと海に行く日!夏休み入ってすぐに尊から連絡が来た。もう待てなかったらしい。
2人と海パンに履き替えてビーチへと駆ける。
「ひゃっほ~い。」
バッシャーン
尊が如何にもアホそうな声を上げて海に飛び込む。俺と徹は白けた目でその様子を見守る。
「うっわ、鼻に海水入った…いったい!痛い痛い!」
「あほだな。」
「だな。」
パラソルの下で日光を凌ぐ俺は暑さに耐えきれず、冷たいものを求めて海の家へ出発する。
「俺かき氷買いに海の家行くけど、お前らなんかいるか?」
「ん~まだお昼時じゃないしな~俺は大丈夫!」
「俺も一緒に行く。栄人一人じゃ心配だ。」
出た、徹のおかん属性。俺もう高校生だし何も危ないことねぇと思うけどな。
「大丈夫だ。じゃあ行ってくる。」
「あっ、待て栄人。……行っちまった。」
「まぁ、そう心配するな。ここは学園と違って栄人の尻を狙うやつが少ないし大丈夫だろ。」
俺だって一人で買い物出来るもん!そう思って心配する徹を振り切って海の家へ行く。
ふと周囲に視線を這わせると色んな人と目が合う。今は男子校にいるせいか女の子を見る機会がないから新鮮な気分だ。あ、決してやらしい目で見ているとそういうのじゃないから!ってそう言ったら余計に誤解させるやつな。
というかなんでみんなこっちを見てるんだ?え!俺海パン脱げてるとか!?…じゃないな、うん分からん。まぁいっか。
俺たちが取った場所が悪いせいか海の家までの道のりが長い。夏の炎天下にプラスして海の水面と砂からの反射でいつもよりも増して熱く感じる。俺は肌が白いから日焼けすると真っ赤に腫れるから日焼けしたくないんだよな~めっちゃ痛くなんの。だからパーカー来てるけど心もとない。
「ねぇねぇ、お姉さんたち、俺たちと遊ばない?」
「いや、私たちはちょっと…」
「そんなこと言わずにさ!絶対楽しいから!」
1人悶々と考えながら歩いていると目の前でテンプレなナンパが繰り広げられていた。美女2人組を頭の悪そうな3人でナンパして女の子が超絶に困ってそう。
これは………助けた方がいい、よな?
「あのさ、そこの子たち俺ツレなんだよね。ごめんね?待たせちゃって。だから、他の子あたってくんない?」
「おいおい、キレイな顔した兄ちゃん。俺たちの獲物なんだけど?」
「キレイな顔してるからって何してもいい訳じゃねぇんだよ。」
なんかいちゃもん付けられてるうちに女の子たちを逃がす。
「おい!何してくれてんだ!………よく見たらお前本当にキレイな顔してんな。俺お前でいいわ。」
モブAにいきなり首元をつかまれたと思ったら、鼻と鼻がくっつきそうな至近距離で見つめられそんなことを言われた。
え、俺でいいってどういうこと?女の子たちをしようとしてたことを俺とするってこと?それって俺がやばくない?
お前たちは良くても俺は嫌だわ!
「あの~俺は嫌なんですけど……」
ほんとに、切実に、早くどっか行ってくんねぇかな。
「なになに?俺たちの気を引きたいわけ?」
「それな!そんなに俺たちが気になる?」
「恥ずかしがらずに素直に言っちゃいなよ。」
モブAにつられてか、モブBCもノリノリじゃん。
もうやだ、帰りたい…徹について来てもらえばよかった…
「わぁ~栄人クンナンパされてんじゃん!ウケル~」
全くウケねぇわ。
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