【完結】俺は遠慮します。

書記サイド

僕は何を見さされているのだろう。

我らが会計颯先輩と栄人君の濃厚なキスシーンが目の前で繰り広げられている。生々しい音と光景に目が離せない。栄人君の手の動きから目線、仕草、そのすべてが魅入ってしまう。

「やぁ、もう…ま、あっんん…てぇ、やっ……」

颯先輩の方から聞いたこともない甘い声が聞こえてくる。会計と栄人君がポ○キーゲームをし始めたとき、てっきり栄人の甘い声が聞けるものと思っていたのに…颯先輩の甘い声を聴くなんて正直気まずいが、これが終われば絶対に僕としてもらう。

段々深く艶めかしくなっていくキスに、当事者ではないが恥ずかしくなってくる。
栄人君ってテクニックあるんだ。あの颯先輩が力抜けるほどって…そんなに気持ちいのかな……
宗也君や悠希先輩と栄人君が何かを話しているが耳に入ってこない。

「それでポ○キー大会はどうするの？」

「する!!栄人んー。」

栄人君の問いかけに半ば被せる様に返事をした僕はポ○キーを咥えて、ドキドキしながら栄人君の方を向いた。

「はいはい。」

しょうがないなって感じに反対側を咥え、食べ進める間も僕の目から視線を逸らさない様子は色気が爆発していた。その色気に当てられ、徐々に顔の中心に熱が集まってくるのを感じる。

これ以上は心臓とかその他諸々がもたないと思い、自分から口を離してしまった。

「～～～～～っ！！し、心臓が持たないよ……」

「ごちそうさま。」

そう言って唇を舐めるその姿は妖艶で、目が奪われ逸らせない。


後々考えれば栄人君と合法的？にキスができるチャンスだったのに……勿体無いことをした。
まずはあの色気に慣れるところから始めないと。

会長が気になっている人ってどんな人だろうっていう好奇心だけだったけど……正直一目ぼれをした。会長が好きなんだろうってことは分かったけど、見れば見るほど引きずられていく沼みたいに深くはまっていってしまった。

僕のことを可愛いとしか思って無さそうだから、どうにかして挽回しないと！栄人君が腰抜けするぐらいのテクニックを身に着けてみせる！


でも、その前にもっと栄人君のこと知りたいな……