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鬼ごっこ
しおりを挟む「じゃあ、早速自始めましょう。今から5分後に鬼が動き出します。」
悠希先輩のその声で一斉に逃げ始める。俺も例外ではなく、出来るだけ見つからない所に隠れ居ている方が良いだろう。
俺は考えて考えて考え抜いて体育館の屋根の上に来ていた。誰もそんな近くにいるとは思わないだろう。このまま日向ぼっこしときたい。
ビ―――――――ッ
いきなりブザーとともに体育館から目が血走った生徒たちが解き放たれた。
何あれ、怖すぎなんだけど!!関わりたくねぇ。
「おい、あそこに何人かいるぞ。」
「はっ、何お願いしようかな~」
「やっちゃうよーん。」
え、なに、物騒過ぎん?ほんとに高校生かよ。俺家に帰りたいかも。いや、切実に帰りたい。
そう思いながら屋根の上で息をひそめる。
カンッカンッカンッ
開始10分がたったところで屋根へ続いている鉄筋で出来た会談を登ってくる足音が聞こえてくる。
俺、しんだ…?本日2回目のオワタ…
そう思いながら恐る恐る待ち構えていると…
「栄人?ここにいたのか。良かった、まだ捕まっていなかったんだな。」
そこには俺と同じ青の腕輪をした会長が立っていた。
「会長も逃げる側だったんですね!」
「あぁ、まぁな。隣に行ってもいいだろうか。」
「もちろんです。」
そうして広い体育館の屋根の上で、会長と隣同士で座る。
会長が座ったのが肩同士がぶつかるぐらいで、正直めっちゃ近い。暑くはないけど会長パーソナルスペース近いね。
会長の方をチラリと見上げると表情が強張っている様に見えた。
するとトンっと空を見あがるためについていた手に会長の手があたったと思ったら、そのまま会長の手が俺の手に絡まる。
いきなりのことに胸がドキリとする。
「か、会長?」
「すまない、少しこのままでもいいだろうか。」
「…はい。」
会長の意図は分からないけどあまりにも真剣な顔で言うものだから思わず頷いてしまった。
何とも言えないむず痒い雰囲気漂う。
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