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風紀委員長(輝樹)サイド
しおりを挟む話しかけたのはただの好奇心。
思ったより魅力的な容姿をしていたのは驚いたが、いつも通り話しかけた。
「おい、そこで何している?」
すると相手は一度後ろを向いてから話し出す。
こいつ今自分に話しかけたのか確認したのか?こんな授業中に誰もいない廊下で?
「え、えーっと…移動教室行く途中に忘れ物に気づいて取りに帰ったはいいけど、移動教室の場所が分からなくなって彷徨ってました。すいません。」
返って来た言葉は物怖じすることなく淡々とことの顛末の内容と何故か謝罪。怖がっている様子もないが、謝罪。思わぬ返しに久しぶりに楽しくなってしまった。
「フッ、なんで俺に謝る。」
「それもそーっすね。担当の先生に謝っておきます。じゃあ、失礼します。」
「いや待て。すまない。お前の反応が面白くて少し意地の悪いことを言ってしまった。もう授業は始まっているし、今更急いで行っても仕方がないだろう。」
止めるつもりはなかったが、今まで周りにはいなかったタイプだったためもっと話していたいと思ってしまった。
それに次はどんな返しをするのかと思うと普段は言わないようなことを口走ってしまう。
キスだってそうだ。するつもりなんてなかった。だが、その唇に触れたいと思ったのと同時にキスしたらどう反応するのだろうと考えてしまった。そしたら、もうキスをしてしまっていた。
これまた予想外の反応で結局終了のチャイムが鳴るまで離してあげることができなかった。こんなに楽しく話が出来たのはいつ振りかと思う。
風紀委員長としてはあるまじき行為であるが、たまにはこんな日があってもいいかとも思う。
栄人と別れてから、よくよく考えると稔がご執心だったのだと思い出した。
これは正々堂々と宣言しておかなければ。
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