【完結】引きこもり陰キャの僕が美形に転生したら

仲直り⑹

「ディ」


「あ、あああの！耳元で話さないで、ください…」

だんだん語尾になるにつれて声量が小さくなるのは勘弁してほしい。
僕は何もしていないのに、恥ずかしくなってくる。

「そうか、耳か…分かった。」

「全然わかってないです！」

納得したようにまたもや耳元でつぶやくリアンは僕の話を絶対に聞いていない。

「ふふふ、すまない。少しばかりからかいすぎたね。」

そう言いながら一層腕の力を強くするリアン。言動と行動が伴っていませんが…

「じゃあ、腕解いてください。」

「んん～ディは私とくっついているのは嫌かい？」

「うぅ…」

その聞き方はズルい。

「ふふふ、よかった。」

嫌がらないって分かって質問しているリアンは僕よりも一枚上手だ。

「(そりゃそうだよね。一国の皇子に勝てるわけない。)…そんなに頑張ったんですか？」

「もちろん。私の頑張りが見せられないのが残念なくらい。」

「それじゃあ、疲れてますよね？」

「あぁ、業務だけでなくディといられなかったから疲れが回復してないんだ…」