【完結】引きこもり陰キャの僕が美形に転生したら

ユーリサイド⑴

「リアン、いい加減機嫌を直せ。」

「私は別に機嫌悪くない。」

「視線も合わさずに話しているのにか？」

「……」

「はぁ～」

会場の進行状況を確認しているベルに助けを求める視線を送ると、こちらに気づいたベルはチラリと会場内の一点に視線を移す。

どうして我らが王様の機嫌が悪いのかというと…

我が弟のダンス。と言えば分かる人には分かる。

家庭教師をしていたアダム＝ジノラ先生の次は友達と言っていたアレク＝ローデリア。向かい合い楽しそうに話しながら舞っている姿は、身内でも目を奪われるほどに美しい。男の子に美しいという言葉は可笑しいと思われるかもしれないが、ディは生まれた時から美しい。エレクサリア家一同がいつも考えているのはいつか本当に天使として連れて行かれてしまうのではないか、だ。

中等部に入り少し大人びたディは、10歳ながらに色気が凄い。今だって金糸の髪を靡かせて、エメラルドグリーンの瞳を輝かせて微笑む姿は天使、というよりは女神のよう。









そんな姿を遠くから眺めて、イライラを募らせているのはこの国の皇子。