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リアンサイド⑵
しおりを挟む「ディ?今余計なことを考えていただろう?」
「うっ、すみません…」
「怒ってはないよ。でも私が目の前にいるときくらい、私のことを考えていて欲しいなって。」
そう、周囲の視線が私達に向いていることは気づいていた。それも気にならないくらい今の私は浮かれているのだけれど…
ディが気にしているのが、目の前にいる私ではないのが気に入らないと思ってしまう幼稚な私は、失望されるだろうか?
「うぅ…」
そんな思いは杞憂だったようで、私の言葉にその愛らしい頬を薄く色づけて可愛く反応を示すディ。
自分の頬が緩んでいることに気づくが、そんな私を見て更に紅く頬を色づかせるディを見ると表情を取り繕うことを放棄してしまう。
国を背負う立場の人間である私は、他者に弱みを見せてはいけない。そのため、表情は喜怒哀楽を悟られぬよう無表情でいることが鉄則なのだが…ディが私を見てくれるのなら、今日くらいは許されるだろうか。
「君をそんな表情に出来たのは私で良かったよ。他の人なら嫉妬していたかもしれない。」
そんな気持ちのままに言葉を紡ぐ。
本当に…私じゃなかったらその者の社会的地位はなかっただろう。
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