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新入生歓迎会⑵

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立ち上る炎が消えたと思ったら、遥か頭上に大きな水の塊を形成し、一瞬のうちに凍らせてしまう。そして、その氷が砕けると、キラキラとしたエフェクトのように会場全体に振って来る。


迫力ある魔法と繊細な魔法、両極端を難なく熟す先輩は凄い人なんだと思わざるを得ない。


そして最後、炎、水、風の空まで登る柱を出現させたとき、今日最高に会場が沸いた瞬間だった。


一度に複数の属性の魔法を出現させるのはそれだけ魔力操作に優れているということ。加えて、天まで昇る大きな柱を出現させられるだけの魔力量。どれをとっても、学生のレベルではない。

私は凄い人を冷たくあしらっていたのかもしれない。

「あれは将来有望だね。」

ジルが横で呟いているのが聞こえる。

分かんないよ?もしかしたら、あの力を国のために使わないかもしれないじゃんね。






そうしてやって来た私たちの番。

「本当に練習しなくて大丈夫だったのでしょうか?」

バル、それは私も思った。でも今言っても仕方ない。

「俺たちなら大丈夫さ。大事なのはフィーリングだよ。」

ジルは何故か自信満々に言い切った。それっぽいこと言ってるけど、こればっかりは全然カッコよく見えない。バルと私は白い目でジルを見つめながら舞台に上がる。

「もうここまで来たら、何とかなると信じるしかないよ。バル。」

「ですね。」

私達は諦めた。



「最後を飾るのは新入生代表のこの三人だー!!!」

私達の紹介がされ、スポットライトが当てられたと思ったら、黄色い悲鳴が上がる。

そうだった、この二人人気があったんだ。

でも、こんなに黄色い悲鳴を浴びると私まで人気者になった気分♪






「紳士淑女の皆さま、ジル・アンドレ=ガバリアです。今日は私たちの織りなす空間をごゆるりとお過ごしください。」




ジルが一歩前に出て、一言話すと会場の熱気が凄まじくなる。





たった一言――――それだけで人々を引き付けるカリスマ性がジルにはある。





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