【完結】腐女子の私が美少年⁉

巷で…⑴

自分の知らない所で元生徒会長を潰すべく進んでいる計画は、もう後戻りできない所まで進んでいる。そして、団長であるクレマさんが加わって、現実可能になっていた。



当の本人は――――



「ずる休みした後の学園は憂鬱だ…なんか行きたくない…」

自室で学園に行く勇気を振り絞っていた。そしてその後に会ったジルに新入生歓迎会についての話をされて、更に憂鬱になるのは数十分後の話。
すっかり忘れていた歓迎会の話。大まかな内容は決まっているが、なんせ日にちがない。リハーサルもできずにぶっつけ本番と言うことも今日この後聞かされることになるのだ。

「今日は厄日だ…」

その一言に尽きると思う。同じく項垂れているのはバル。ジルに至ってはいつも通りだ。さすが皇族と言うべきか。無茶ぶりは慣れているとか。

やっとの思いでありついた休憩時間と言う名のランチタイム。
三人で黙々と食べていると、私のスペシャル定食に影が差す。あぁ、なんかこの光景見たことあるな。

「ナオ、新入生代表で見世物するって本当なのか？」

凄い勢いで迫ってくるアル先輩が。見た目が見た目なだけに圧が凄い。

「ほ、本当ですけど。」

「そうか！」

ウキウキした様子でそれだけ残して、去っていってしまった。

え、本当になんだったの？

「嵐の様な人ですね。噂に違わぬ見た目ではあるが、性格は噂とはかけ離れている様に思うのですが。」

バルが冷静に分析している。
噂は、あくまで噂なわけで…先輩はただ友達とかいなかったから、初めてのことで浮かれてるだけだと思うんだよねぇ。

「代表として出るのはナオだけじゃなくて、俺たちだけどね。」

やけに俺たちの部分を強調して言ったジル。そんなに自分の存在を省かれたのが嫌だったのかな。(絶対違う)

「そんなことより、生徒会長がいなくなって新入生歓迎会は出来るのかな？」

「そんなことより？」

「あぁ、それは副会長が代理で一先ずは。学園側も事態の収拾に追われているみたいですから、今すぐに同行は難しいでしょうね。」

なるほど。でもトップが使い物にならなくても、意外と世の中って何とかなるんだね。

「そういえば俺今日面白いことを聞いたよ。」