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やっぱり何かあるよね⑵

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「僕は大丈夫ですので、要件がそれだけでしたら帰らせていただきますね。」

「まぁ、待て。そんなに焦るな。ほら、ゆっくり深呼吸をするといい。」

いや、なんであんたにそんなこと言われないといけないのさ。

「別に焦ってないです。焦っているのは貴方の方だと思うのは僕だけですかね。」

「なっ!何を言う!俺は別に…」

明らかに態度がおかしい。指摘されて目に見えて動揺しているのは、何かがある証拠。

「何故だ?何故効かないんだ!?ほとんど原液を入れたというのに!」

小声で言っているのかもしれないけど丸聞こえだ。ふむ、なるほど。私が飲んだ紅茶は紅茶じゃなくて、何かしらの状態異常にかかるクスリだったってことか。

確かに変な味がすると思った。私の舌が高級品に合っていないだけかと思ったけど、そうじゃなかったみたいで良かった。

そう考えていると、頭がクラッとして思わず座っていたソファーに手を付く。

「え、なに…」

「おっと、大丈夫か?気にせず休むといい。」

しらじらしくそういう生徒会長を、殺気を含めて睨むが正常ではないためあまり効果は無さそうだ。
頭がくらくらする、息苦しい、身体が熱い。

今まで体験した事のないような身体の異常に、思考がついていかない。

「ナオ=デシャン、身体がしんどそうだ。今は何も考えなくていい。身を委ねて…」

いつの間にか私の隣に移動して来ていた生徒会長が私の腰に手を添えて、ゆっくり自分の方へ引き寄せる。
抵抗したいのに身体に力が入らなくて、言うことを聞いてくれない。

「さぁ、俺に身を委ねて…可愛いナオ=デシャン。俺に堕ちて。」

絶対嫌だ!頭では抵抗できているのに!なんで!?

身体を引き寄せられたと思ったら、ソファーに倒されていた。今、モブ会長に押し倒されてます。

最初からこれが目的か。いくら私が美少年だからって、これは犯罪です!無理やりは、創作物で萌えるのであって、現実はドン引きだから!!

「はぁはぁ、それでっ?会長は、ぼくっに…なに、したいの?」

息切れをしながらも言葉を紡ぐ。

「いい!実にいい!あのナオ=デシャンが俺の下で組み敷かれている!なんてそそる光景だ!」







あぁ、この人単純な変態か。




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