89 / 124
上手く乗せられた気がするが気にしない⑴
しおりを挟む「何を始めるの?」
体勢よりも内容の方が先に口から出てしまって、体勢に対してどうこう言うこともできなくなってしまい、仕方なく受け入れる。が、ジルの腕の中でモゾモゾ動いて、せめて体の向きを変える。
「ナオは知りませんでしたか。もうすぐある新入生歓迎会で私達新入生からも上級生に向けて何か見世物をしなければいけない決まりがあるんですが…そこに今回はジルとその周りにいる私とナオが選ばれてしまったということです。そこで今日は何をするか決めようと集まったわけです。」
なるほど。私の疑問にバルが丁寧に教えてくれる。新入生歓迎会ねぇ。何をするか、詳しいことは何も知らないけど、ここにいる2人と学園の生徒に向けて見世物になれって、酷だな…
目立ちたくないのに…待てよ?これってもう目立っているってことでは?もう手遅れなのでは?
なぜ今まで気が付かなかった私!!気づいてしまった以上は開き直るしかない。
「なるほど…じゃあ、魔法で盛大にぱぁぁぁっとやろ!」
私の提案に、言葉より先に後ろからハグをしていたジルの腕に力が入る。
「可愛い…じゃなくて、その詳細を決めないとだね。盛大にってことはナオも手伝ってくれるみたいで良かったよ。」
ジルがニッコリと微笑ましそうにこちらを見ながら言われた言葉にハテナを浮かべる。
「ナオも手伝ってくれるみたいって、手伝わなくても良かったの!?」
「そう、とも言うかもしれないね。」
サラッと流された…と言うか二人に言葉巧みに騙された。くそっ!言質を取られた以上は男ナオ、二言はない。
「いいもん、二人が霞むぐらい盛大にしちゃうから!」
ついムキになった言い方をしてしまった。子ども相手に精神年齢高いはずの私が面目ない。
でもそれを、二人はほわぁとした空気を周りにまき散らしてこちらを見て来るのだから、もう何も言うまい。
「ふふ、そうだね。楽しみにしておくよ。それじゃあ、当日まで時間もないことだし、もう少し詰めた内容の話をしようか。」
私のことを軽くあしらったジルは話を進めていく。
件の新入生歓迎は二週間後にあるんだって。そして一週間後には会場を確認してリハーサルを行うんだとか。
いや、なんでもっと早く言わなかった?もうほとんど日にちないじゃん!
22
お気に入りに追加
843
あなたにおすすめの小説
塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である
見ぃつけた。
茉莉花 香乃
BL
小学生の時、意地悪されて転校した。高校一年生の途中までは穏やかな生活だったのに、全寮制の学校に転入しなければならなくなった。そこで、出会ったのは…
他サイトにも公開しています
いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
幽閉王子は最強皇子に包まれる
皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。
表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる