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もう絶対来ないもんね!⑴
しおりを挟むアル先輩を言いくるめた先生は部屋から放り出すとクルリとこちらに向き直ってジッと私を見つめる。
普段美形に囲まれてるから慣れてはいるけど、こんなに見つめられるとなんか照れるな。
「あ、あの…僕の顔に何かついてますか?」
一向に診察すらしてくれない先生におずおずと問い掛ける。
気まずいし、照れるし、耐えられない!
「いやぁ、あのクレマ=デシャンが溺愛していると聞いてたからどんな子かちょっと気になってね。それにしてもこの世の者とは思えないほどキレイな顔してるよね。」
「あ、ありがとうゴザイマス?」
これは…褒められてる…よね?先生の表情筋が死んでるんだけど、私なにか失礼なことしたかな?
「あっはっは、そんなに萎縮しなくてもいいよ。別に取って食おうとしてるわけでもないし。でも、これは…欲しくなるも分かるなぁ…」
取って食おうとしてるわけじゃないってモテる人が言う言葉だよね(偏見です)、さすが。
その後にボソリと何かを言ったようだけど聞こえなくて、聞き返しても笑顔でかわされるだけだった。
「じゃあ、ちょっとケガがないかだけ見せて貰うね。取りあえずここに座って服を脱いで。」
言われた通りに先生の前の椅子に腰を下ろし、来ていた服を脱ぐ。そう、今現在私は半裸だ。
この身体になって早数年。さすがに上半身裸になることには慣れて来た。
「へぇ、その顔でこの身体は…ナオ君ってえっちだね。」
「なっ、えっ」
こんなに面と向かって言われることがなかったから、驚いてどもる。そりゃ私もこの美少年顔で細マッチョは、前の私だったら発狂物だったと思うけど、今は自分の身体な訳で…残念ながら何も思わない。
でも、ジロジロ見ながらそんなこと言われたら隠してしまいたくなる。気持ち程度で腕を前にしてみるけど、多分意味がないのは分かってる。ほんの少しの抵抗だ。
「ナオ君それはっ……反則だなぁ…」
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