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昨日ぶりですね、私の幻覚…じゃないねぇ⑶
しおりを挟む次々とクラスメイト達が騎士団の皆と組手をしていく。どっちかと言うと騎士団の面々の実力の方がよく知ってるから、同年代のレベルを知るには良い機会だと思う。
私達Sクラスは少人数なため魔法などの実技は場合によりAクラスとの合同授業になっている。そのためかなりの人数なのだが、それに対する相手をするであろうメンバーは10人にも満たない。体力の心配をしている生徒を見かけるが、子どもを数十人相手にした程度でなくなる体力なら騎士団には入団していないだろう。
見極めるためなのか実力差にしては少々時間をかけているように感じる。良い戦いを出来ていると勘違いして喜んでる奴いるぞ。
ロマンさんお願いだから戦闘中にこっちに手を振らないで。
気になるジルとバルの実力は…
「では、次…バルテルミー=ジェルマン前へ…相手をするのは、そうだなぁ」
「俺が行きます。」
バルの相手をクレマさんが探していると、遮るようにジーリオが名乗りを上げる。
「…分かった、ジーリオ前へ。」
クレマさんは色々考えて、途中で考えるのをやめたように感じる。ジーリオだし、まぁいっかみたいな。
「では、始め!」
クレマさんの開始の合図とともに走り出したのはバル。頭が良いのは知ってたけど、運動できるかはどうなんだろう。
身をかがめて、低い姿勢のまま蹴りや突きを繰り出す。もちろんジーリオには華麗にかわされているが、12歳にしては中々のスピードだと思う。ただ重心がズレているのか重たい一撃にはならず、決定打もない感じ。
「いいねぇ、ナオちゃんと同年代にしては中々やりがいのありそうな感じ!」
ジーリオが褒めるなんて珍しい。そう思ったのもつかの間、疲れからかバルの姿勢が崩れ高くなったところを狙ってジーリオは鳩尾に拳を一突き。
「グッ、ゴホッ!ゴホッゴホッ!」
前かがみにせき込むバル。
「そこまで!では次、ジル・アンド=ガバリア前へ。」
「はい。」
次はジルかぁ~ってあと私しか残ってないじゃん!
「相手は…」
「私が…」
スッとクレマさんの横から出たのはロマンさん。ジルに対して人のよさそうな笑みを向けているがその瞳には敵意がにじみ出ている…ように見える。
「では、ロマン=リコール前へ。」
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