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昨日ぶりですね、私の幻覚…じゃないねぇ⑴
しおりを挟む魔力があればほとんど強制的に通うことになる魔法学園。それは各地にあり、私が現在通っているのは帝都にある一番大きいと言われている学園だ。魔法学園を卒業すると、その先の進路は騎士団から街の警備隊、薬師などその幅は広がる。
魔法が主流の生活様式のため基本的な魔法から戦争時に使うことになる攻撃系統まで様々な魔法学だけでなく、魔法薬学や錬金術、座学では歴史まで色々なカリキュラムが組み込まれている。
そして、今目の前で行われようとしている体術の授業ももちろんその一つ。
魔法は魔力を使うことで発言できるが魔力が底をつきた時、敵がいたらどう戦うか…己の拳しかないのだ。
実際、騎士団の任務にて魔力が底をつきたことはない。それは攻撃系統の魔法は威力が強く、対象以外まで被害が及ぶ可能性が高いため、魔法を使う前に体術を使うからだ。よっぽどでない限り攻撃魔法を実践で使うことはないとされている。
「体術の講師をさせてもらうクレマ=デシャンだ。早速だが皆の現在の実力を見せて貰いたい。一人ずつ騎士団の平団員と組手をしてもらう。」
ある日の授業の一つ、今私は訓練場に来ている。
体術がどれほど大切かは今までの内容でよーく分かったと思う。そう、体術は物凄く大切なんだよ。でも、だからってこの国一番の騎士を連れてこなくてもいいんじゃないかな?え?だって今私の目に映ってるのは紛れもなく私のパパなわけで…私のパパはこの国の騎士団長をしているわけで…生きる伝説なわけで…そんなにすごい人を普通、学生の講師に呼ぶ!?
しかも組手をと言われて前に出た平団員はロマンさんにジーリオ、ウーゴさんまでいて錚々たるメンバーが御揃いで…昨日ぶりですね、じゃなくて何しに来たんですか?暇じゃないですよねぇ?
私の気持ちなんて知ってか知らずか、さっきからクレマさんも含めたみんなの視線が私しか見てないのは気のせいだと思いたい。
この国での騎士団はかなり人気で、もちろん団長、副団長の顔を知らない者はいないだろう。それはあのご尊顔あってのことだろうけど、さっきから女の子たちが密かにキャーキャー騒ぎ立ててるのが分かる。
「あの!質問してもよろしいでしょうか?」
「あぁ。」
なんくるないさー君がピシッと手をあげてクレマさんへ問う。クレマさんは興味なさげに質問を促す。
「ここにいるナオ=デシャンも一員だと聞きます。私はナオ=デシャンを一戦交えたいのですが…」
「ほぉ?」
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