上 下
46 / 124

あなた呪われてますけどー!?⑴

しおりを挟む




騎士団のみんなとクレマさんからもらったプレゼントのお陰でバージョンアップした私は、今日も元気に登校しています。

入学式の日以降、担任の先生の人気が底知れず、普通の学校ではありえないぐらいのことになっているんだけど、この世界では普通のことなんだろうか。

休み時間になったら自分が身動き取れないぐらい大変そうだから、自ら望んで魅了を使っているわけでは無さそうなんだけど…

「あぁ、今日もシャーライ先生は美しい。この世の者とは思えないほどだ。神秘的で――――」

隣の席では毎日ルーティーンになりつつあるバルの、若干キモチワルイ先生を褒める時間。
もちろんそれを私たちが白けた目で見ていることなど本人は気づきもしないだろうけど。

「まーたやってるよ。どう思ってるかは自由だけど考えてることが気持ちわるから心の中にとどめておいて欲しいよ。」

ま、考えてることで言ったら私は人のことなんて言えないけど…表に出さないことを良いことに自分のこと棚に上げてまーす!

「そうだね…まぁ、俺的にはライバルが減って嬉しいんだけれど。」

ニコリとキレイな顔で微笑むからゾクッとする。
数年まではそんなことなかったんけど、最近ジルの底知れない感じが怖く感じている。もっと純粋に笑ってたのに…純粋とか可愛げをどこにおいて来たんだか。

ま、攻め要員として腹黒皇子は美味しすぎるからよき。

コツッコツッコツッ…

「では授業を始めます。」

教室のドアが開いて、先生が入って来る。いつもこの時間だけは誰も何も言わず、ジッと先生のことを見つめる異様な光景が広がる。

クラスのみんなの心の中では何が起こってるのは私には皆目見当もつかない。

授業はいたって普通だ。シャーライ先生の担当は歴史。私が唯一苦手とする科目だ。魔法とか薬学とかだと、ゲームの錬金術やそれこそ攻略とかを見ているみたいで勉強している感じがしなくて楽しいのに…歴史になると一気に現実に戻されるみたいでやる気が一気に急降下する。

「―――ここは語呂合わせで覚えられるのでぜひ使ってみて下さいね。」

…何もしているようには見えない。見た目が麗しいってだけ。魔力の痕跡も見えないし、クラスの子たちは可笑しいには可笑しいけど、授業をちゃんと聞いているし。謎が深まるばかりで何も解決しない。

クレマさんは気にしなくていいって言ってたし気にしないのが一番だよね。





…………そう思ってた時が、確かにありました。




しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

竜王妃は家出中につき

ゴルゴンゾーラ安井
BL
竜人の国、アルディオンの王ジークハルトの后リディエールは、か弱い人族として生まれながら王の唯一の番として150年竜王妃としての努めを果たしてきた。 2人の息子も王子として立派に育てたし、娘も3人嫁がせた。 これからは夫婦水入らずの生活も視野に隠居を考えていたリディエールだったが、ジークハルトに浮気疑惑が持ち上がる。 帰れる実家は既にない。 ならば、選択肢は一つ。 家出させていただきます! 元冒険者のリディが王宮を飛び出して好き勝手大暴れします。 本編完結しました。

異世界に召喚されて失明したけど幸せです。

るて
BL
僕はシノ。 なんでか異世界に召喚されたみたいです! でも、声は聴こえるのに目の前が真っ暗なんだろう あ、失明したらしいっす うん。まー、別にいーや。 なんかチヤホヤしてもらえて嬉しい! あと、めっちゃ耳が良くなってたよ( ˘꒳˘) 目が見えなくても僕は戦えます(`✧ω✧´)

悪役王子の幼少期が天使なのですが

しらはね
BL
何日にも渡る高熱で苦しめられている間に前世を思い出した主人公。前世では男子高校生をしていて、いつもの学校の帰り道に自動車が正面から向かってきたところで記憶が途切れている。記憶が戻ってからは今いる世界が前世で妹としていた乙女ゲームの世界に類似していることに気づく。一つだけ違うのは自分の名前がゲーム内になかったことだ。名前のないモブかもしれないと思ったが、自分の家は王族に次ぎ身分のある公爵家で幼馴染は第一王子である。そんな人物が描かれないことがあるのかと不思議に思っていたが・・・

最弱伝説俺

京香
BL
 元柔道家の父と元モデルの母から生まれた葵は、四兄弟の一番下。三人の兄からは「最弱」だと物理的愛のムチでしごかれる日々。その上、高校は寮に住めと一人放り込まれてしまった!  有名柔道道場の実家で鍛えられ、その辺のやんちゃな連中なんぞ片手で潰せる強さなのに、最弱だと思い込んでいる葵。兄作成のマニュアルにより高校で不良認定されるは不良のトップには求婚されるはで、はたして無事高校を卒業出来るのか!?

王家の影一族に転生した僕にはどうやら才能があるらしい。

薄明 喰
BL
アーバスノイヤー公爵家の次男として生誕した僕、ルナイス・アーバスノイヤーは日本という異世界で生きていた記憶を持って生まれてきた。 アーバスノイヤー公爵家は表向きは代々王家に仕える近衛騎士として名を挙げている一族であるが、実は陰で王家に牙を向ける者達の処分や面倒ごとを片付ける暗躍一族なのだ。 そんな公爵家に生まれた僕も将来は家業を熟さないといけないのだけど…前世でなんの才もなくぼんやりと生きてきた僕には無理ですよ!! え? 僕には暗躍一族としての才能に恵まれている!? ※すべてフィクションであり実在する物、人、言語とは異なることをご了承ください。  色んな国の言葉をMIXさせています。

美少年に転生したらヤンデレ婚約者が出来ました

SEKISUI
BL
 ブラック企業に勤めていたOLが寝てそのまま永眠したら美少年に転生していた  見た目は勝ち組  中身は社畜  斜めな思考の持ち主  なのでもう働くのは嫌なので怠惰に生きようと思う  そんな主人公はやばい公爵令息に目を付けられて翻弄される    

継母から虐待されて死ぬ兄弟の兄に転生したから継母退治するぜ!

ミクリ21 (新)
BL
継母から虐待されて死ぬ兄弟の兄に転生したダンテ(8)。 弟のセディ(6)と生存のために、正体が悪い魔女の継母退治をする。 後にBLに発展します。

イケもふ達とぴよぴよご主人様の異世界ライフ!

三月べに
恋愛
ふと寂しくなる。イケもふと触れ合うゲームアプリを久しぶりに起動して、アップデダウンロードを待っていれば、道の隅っこに黄色っぽい鳥を見付けた。フェンスに翼が引っかかっているところを助けると、トラックが酷い音を響かせて突っ込んで来た。そして、異世界へ。見覚えのあるイケもふ。 ともに異世界を生きるが、イケもふ達は少々ヤンデレ気味で……? その上、自分は金色のもふもふの鳥(ぴよこ)に!? 【誕生日(2024/08/04)記念作品】

処理中です...