【完結】腐女子の私が美少年⁉

クレマさんの秘密

「お初にお目に掛かります。ガバリアの太陽皇帝陛下。そして、お久しぶりでございます。皇后陛下、皇太子殿下。ナオ＝デシャンです。」

「よいよい、そんなに畏まらなくても。自分の家だと思って寛いでくれ。」

「そうだぞナオ、気にしなくていい。」

クレマさんんん――!!だからなんで貴方は王家にそんなにフランク？と言うか馴れ馴れしいの!?

「お前はもうちょっと気を遣え。」

「そうよ、クレマ。ナオちゃんいらっしゃい。今日も今日とて可愛いわね。」

「ナオ久しぶり。」

「おい、小僧。今ナオのこと呼び捨てにしたのか？呼び捨てにしていいのは俺だけだ。」

ジルに威嚇するクレマさん大人げないけど、可愛い。もう、何しても可愛い。

「あ、あの!…クレマさんと皇家はどのような関係なのですか？」

「ただの腐れ縁だ。」

「えぇ、クレマと私は旧知の仲だ。あと、言葉だけ聞くと大げさに聞こえるかもしれないが、魔獣のスタンピードが起きたことがあってな。その時、この国は滅んでもおかしくなかった。が、クレマが救ってくれたんだ。謂わば生きる伝説だな。もう、頭が上がらないよ。後は、そうだね。ミュリエルとクレマを取り合ったこともあったね。」

間欠に答えたクレマさんの言葉にショックを受けつつ答えた陛下の言葉に衝撃を受ける。

「え、えぇっ!?」

ちょっと待って、情報量過多。
まず、そんなにすごい人だったの!?そんなにすごい人をＢＬ妄想の餌食にしていたなんて…やめませんけど。

それにしても、生きる伝説か。どうりで王家の人に対しても態度が大きいわけだ。私、すごい人の子供になっちゃったな。

あと、サラッとすっごいサラッと言われたけど皇后と皇帝がクレマさんを取り合ったって…やっぱりクレマさん男女ともにモテるんだ！
後々聞いた話だが、このガバリア帝国は同性同士の結婚も普通にあり、子供が欲しい場合は養子を貰うそうだ。
私の妄想、あながち間違ってなかった。

「クレマさん、やっぱりモテるんだね。カッコいいもんね。それに、そんなにすごい人だったんだ…なんで教えてくれなかったの？」

「カッコいい、か…もっと言ってくれ。じゃなくて、そんな過去のこと興味ないからな。今はナオと一緒にいられることが一番で昔のことなんて考えもつかなかった。」

微妙に話が噛み合ってない気がするけど、気にしたら負けである。