【完結】腐女子の私が美少年⁉

ジーリオ サイド

俺はガバリア帝国の騎士団に所属していて、年齢が低めであるが実力が認められ騎士団内でそれなりの地位を築いていた。
人付き合いが得意で特に苦労することもなく、顔も団長や副団長ほどではないがカッコいい部類に入ると自覚しており、女に困ったことなんてない。尊敬できる先輩たちがおり、物足りなさはあるもののそれなりに充実した日々を送っていた。


そんな日々に終止符が打たれたのは団長がナオちゃんを連れてきた日だ。初めて見たときは本当に天使かと思った。この世のものではないと思わせるほどの美貌があり、でも話してみると表情がよく変わり更に魅力的に見えた。もっと知りたくていつも来るたびに副団長に邪魔されながらも懲りずに話しかけに行った。どんなにしょうもない話でもちゃんと聞いてくれて、どうしようもなく欲しいと思ってしまった。

普段感情の起伏がない団長や副団長にとって特別な存在なのは見ていて分かってた。でも、いつも来ていた女の子に暴言を浴びせられ、泥水を被ったと聞いていてもたってもいられなくなった。平然を装ってたけど全然冷静ではいられなくて、ナオちゃんが入ってる浴室まで来てしまった。そのまま勢いで色々見ちゃったし、触っちゃったけど、本当に心配で仕方がなかったんだ。





…嘘です下心ありました、すいません…





俺の指が当たるたびにビクビクと身体を揺らし、声を出すまいと懸命に耐えている様子がどうしようもなく妖艶で、容易に理性が崩壊しそうになった。

でも、ナオちゃんが俺の手に反応してるのは人の手に慣れてないからって言った。人の手に慣れてないって…どういうことだろうって思ったけど…

ナオちゃんはいきなりこの世界に1人で来て、元の世界のことについて話そうとしなかった。俺たちは騎士団だから異世界人を町に迷い込んだ異世界人を保護したことがある。みんな口をそろえて元の世界に帰りたいと言うのに、ナオちゃんは一言も言わないし1回も泣いたこともない。反対に俺たちに世話になってばかりで申し訳ないと言うんだ。なんて気配りができる子なんだろうってみんなが口々に言ってたと同時にこんなに幼いのに気配りが出来ざる負えない状況や環境にいたのではないかと考えざる負えない。

同じ年ぐらいの女の子に暴言履かれても平然として、泥水を掛けられても怒る様子もなく、ただ当たり前のように受け止めていた。だから、これからは俺が守るんだ。ナオちゃんに理不尽なことが降りかからないように、今後何からも傷つけられないように…――――