【完結】腐女子の私が美少年⁉

モブ隊員 サイド

今日はお昼から団長がいなくなったらしく副団長の機嫌が少々よろしくなくてだ。でも八つ当たりなんてするお方ではなから、俺たちはいつも通り木刀や素手で組手をしていた。

すると、副団長が奇声を上げていると思ったら団長が天使を連れてきていた。天使は興味津々のようで、目をキラキラさせて訓練を見ていた。俺たちは気になりながらも天使に情けない姿は見せられないと思い表面上では精一杯の姿を装う。すると、副団長の少し情けない掛け声で招集がかかる。

「くぅ～腹立つ～～。おい、皆集合!!」

天使もとい団長たちがいらっしゃる所へ駆け足で集まる。それに比例して天使との距離も縮まっていくわけで…近づけば近づくほど、なんだあの可愛さは!!けしからん!!

「みんなも気になってると思うが、天使のことについて団長から話がある。」

「ほんとは皆に見せたくなかったけど、俺の息子になるからな。一応紹介しとく。森で拾ったナオだ。」

「あ、あの初めまして…ナオと申します。よろしくお願いします。」

天使は顔を赤くしながらそう自己紹介するとペコっとお辞儀をして素早く団長の背中へ隠れる。

その姿すら愛おしい。いきなりこんな屈強な男たちの前で紹介されて怖かっただろうに。身体がプルプル震えながらも、しっかり自身で名前を言い、俺達にまで頭まで下げてくださるとはなんと強くお優しい方。そして、加護欲がそそられる。

「これから時折顔を出すと思う。みんな仲良くしてやってくれ。」

「はい。」

なんと！まぁ団長の息子になるなら仕事の付き添いとか来るのか。それなら、ぜひ仲良くしたい!!その強い思いを込めて強く頷くのだった。