なんか美少女が転校してきて、チラチラ見てくるんだが

第一章 運命の再会

第二十六話 涼音の思いを聞いて

俺はこういう世界について本当に何も知らなかった。普段からテレビや、雑誌などそういうものをあまり見ていなかったから・・・

「どうだった？」

「どうだったって・・・」

「こういう仕事の場所に来てみて・・・」

「ああ、そうだな・・・もともと積極的にこういう世界の情報を見ていたわけじゃないからこう・・・うまくいえないけど、すごいよな」

「うん、やっぱり初めて来た人の感想はそうだよね」

でも、こんな状況で落ち着いて時間を待ってられるこいつはいったいどんな神経してんだろうな

「涼音はすごいな」

「ん？何が？」

「だって俺なら、こんな状況怖くてさー」

「ああ、そうだよね・・・私も最初は怖くて震えて泣いちゃったりしてたけど、美樹さんとか色んな人に助けられたし・・・ね」

「そうか」

「うん、やっぱり一番は爽侍くんに会えるからってことかな」

「ん？なんだそれは」

「私ね、社長と約束してたの・・・頑張ったら爽侍くんに会いに行っていいですかって」

「・・・・・・」

俺はちょっと考えが軽すぎたのかもしれない・・・ちょっと可愛い子が寄ってきて、一緒に暮らす様になって少しずつ好意を持った。こんな行き当たりばったりな感じだったのに、涼音はずっと俺のことを覚えてて・・・俺に会う為にこんな大変なことを・・・

「でも、私この仕事好きだし。好きだからここまでやってこれたしね、それに」

「それに？」

「これからは、爽侍くんがそばにいてくれるし・・・もっと頑張って褒めて欲しいから」

「うっ・・・・・」

「これからもよろしくね？」

「ああ、もちろん・・・」


「涼音さん、そろそろ準備お願いしまーす」

「・・・・・・」

「じゃあ、行ってくるね？」

「・・・・行ってらっしゃい・・・・あ・・・・頑張ってこいよ」

「っ・・・・ありがとう」

うわっ、なんだよあの顔。すごいな、仕事になるとあんなに変わるんだ・・・ちょっとドキッとしちゃったよ、ファンの気持ちもよくわかる。あんな顔で見られたりしたら、たまらない気持ちになるもんな

「さー、俺もしっかり働かないと。涼音に頑張ってるとこ見てて欲しいしな」

「その息よ、爽侍くん」

「へ？」

「いやー、爽侍くんって案外熱いのね」

「・・・・今のはなかったことに・・・」

「まーいいわ。さ、行くわよ」

「は、はい」


ガチャン


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「えー、こちらONETVアナウンサーの筒井です。まもなく柏崎涼音さんの復帰記者会見が始まる模様です」

コツコツ・・・・・ガチャッ

「あ、今柏崎涼音さんが会場に入ってきました」

その頃You○ubeではとんでもない騒ぎになっていた。

「おい、お前これ見てみろよ」

「なんだよ急に」

「これだよこれ、柏崎涼音の記者会見」

「あー、あれ今日だったのか」

「一緒に見ようぜ、つっても今生放送はすごい騒ぎだけどな」

「何かあったのか？」

「それがな？今同時閲覧が100万超えたって」

「え？マジかよ」

「ああ・・・お、始まるみたいだぞ？」

「涼音ちゃん出てきたか・・・」

「お前なー、いくら同じクラスだからって」

「いいじゃねーか・・・ん？こいつって、爽侍じゃね？」

「爽侍ってお前のクラスの五十嵐か？」

「そうだよ」

「おいマジかよ、一樹どうゆうことだよ」

「い、いやー」



「えー、それでは只今より柏崎涼音の復帰記者会見を執り行いたいとと思います」

ついに涼音の舞台が始まった