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第一章 運命の再会

第二十四話 少女は誰が為に

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柏崎涼音電撃復帰のニュースは瞬く間に日本中をかけ巡った。

「おい、聞いたか?柏崎涼音が復帰するってんで、記者会見するらしいぞ」

「ああ、俺も聞いたぞ。なんでも今回は急なこともあって広い会場抑えられなかったから、You○ubeで生配信するってさ」

「なら俺たちも見れるな」

社長の勝手な決定により復帰が決まっていた涼音は準備に追われていた。

「ちょっと社長?なんですかこれは」

「いやー、ちょっとそんな怖い顔しないでよ美樹ちゃん」

「いやー、じゃないですよ・・・まったく」

「美樹さん、もういいですから。いつかは復帰するつもりでしたし・・・」

「そんなこと言ってもねー」

「あ、それと復帰の記者会見するからね」

「な、なんですかそれは」

「え?」

「だって、休むときは何もしてなかったんだから・・・復帰は大々的にやらないと」

「それは・・・そうかもしれないですけど」

「私はいいですよ?爽侍くんにも待ってるファンの方達のためにも早い方がいいって言われましたし・・・」

「まったく、彼はやさしいわよね?」

「え?」

「だって、告白されたんでしょ?彼に。なのに、一緒にいられる時間を削ってまであなたの仕事を応援してくれるなんてねー」

「ねー」

「社長まで・・・そうですね、私頑張ります」

「よく言った、いいぞー涼音。と、言うわけで今回の記者会見で重大発表しちゃいます」

「いったい今度はなんですか」

「・・・・・・・」

「なんと、涼音ちゃんの連続ドラマ主演が決定しましたー」

パチパチパチパチ

「え?」

「は?」

「うんうん、いい反応だねー」

「もう驚くのも疲れちゃいましたよ。それで・・・どうしてそうなったんですか?」

「それがな、うちって見ての通りの弱小事務所だろ?一応今は、涼音ちゃんっていう大看板がいるけどあとは少しモデルの子がいるだけだしねー」

「そこはしょうがないでしょう、涼音のおかげで有名にはなりましたけどまだ出来たばっかりですもの」

「そこでだ、何かインパクトのあるものはないかと思っていたら・・・知り合いの監督が恋愛アクションを取るってんで試しに涼音を押してみたら・・・」

「みたら?」

「なんとびっくりオッケーが出たんだよ」

「だって、どうする?涼音が決めていいから」

「そうですね・・・」

涼音は迷っていた、ドラマという大仕事に自分はしっかりとついていけるのかと。でも、爽侍が「涼音はすごいんだから大丈夫だよ」と言ってくれたことを思い出し覚悟を決めた。

「はい、よろしくお願いします。主役は初めてですけど頑張りたいと思います」

「そうか、なら引き受けた甲斐があったな」

「私たちもできるだけサポートするから」

「ありがとうございます」

------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

「と言うことで、仕事に復帰することになりました」

「すごいね涼音ちゃん、おめでとう」

「凛のはしゃぎ様もすごいけど、確かによかったわね」

涼音は家に帰ってきて、まず俺の家族に復帰の報告をしてくれた。

「よかったな、ドラマなんて俺あんまり見ないけど涼音の出るやつはちゃんと見ないとな」

「・・・ありがとう」

「・・・ていうか、あんた少し性格変わったんじゃない?」

「そうだね、なんかお兄ちゃん丸くなった?」

「そ、そんなことねーと思うけど・・・」

「やっぱり、お二人ともそう思いますか。爽侍くんアレがあってから、とっても優しきなったんですよ」

「ちょ・・・」

「爽侍無駄よ、私たちはもうすでに涼音ちゃんからぜーんぶ聴いてるもの」

「うんうん、あのお兄ちゃんが自分からなんて・・・ねー」

「なんだよ」

「なんでもー」

「チッ、じゃあ、俺は部屋にいるから」

「あ、ちょっと爽侍くん」

---------------------------------------------------------------------------------------------------------

コンコン

「爽侍くん、入っていいですか?」

「ん?ああ、いいぞ」

「じゃあ、失礼します」

「よかったな、無事に復帰までいけて」

「はい、ドラマの件はちょっと悩んだんですけど。爽侍くんが大丈夫だって言ってくれたので」

「まー、涼音なら大丈夫だよ。頑張ってるもんな」

「ひゃっ」

おっと、なんか勢いで頭撫でちまった。なんでいきなりこんなこと・・・

「す、すまん」

「い、いえ・・・嬉しかったのでまたしてください」

「そ、そうか」

嫌じゃなかったらしいけど、なんか突発的に撫でたくなったんだよなー

「そうだ、爽侍くん」

「ん?」

「記者会見の日なんだけどね?」

「ああ」

「スタッフとして手伝ってくれない?」

「な、俺がか?」

「はい、爽侍くんがです。そばにいてくれると心強いんですけど」

「んー」

いや、確かに涼音の仕事の手伝いができるならとってもいいことだとは思うけど

「迷惑じゃないか?」

「大丈夫です。一スタッフとしてだったらなんの問題もないって美樹sんが言ってました」

「そうか・・・じゃあ、やってみるよ」

「はい、よろしくお願いしますね。ちゃんと私のこと守ってくださいね?」

「ああ、もちろん」

いよいよ、明日がその記者会見本番一体どんな展開が待っているのか・・・・



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