はずれスキル「ゴミ強化」で、ゴミ扱いされて追放された俺が鬼強化された。実家から帰ってきてほしいと言われたけどもう遅い。

22.

――その頃、レノックス公爵家。



　レノックス公爵は、息子であるマルコムに、もう一人のパーティーメンバーを用意した。

　ゴイルという２０代後半の大男で、王都でA級パーティーにいたと言うツワモノの槍使いである。



　これで、これ以上赤っ恥をかくことはないだろうと、公爵は確信した。



「マルコム。お前は明日から王都に行け」



　公爵は、息子とパーティーメンバー二人を集めて、そう指示を出した。



　――地元では、レノックス公爵家の跡取りは、ダンジョンから逃げ出した愚か者、という噂が流れてしまっている。

　それを払拭するのに手っ取り早いのは、王都で実績を残して肩書きで箔をつけることだ。



「王都でAランクパーティーとして認められれば、風向きが一気に変わる」



　それがレノックス公爵の目論見だった。



「わかりました、父上」







　――こうして、奇しくもレイとマルコムは、同時に王都へと旅立つのだった。