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9.女王の怒り【一方、ドラゴニア王国では】

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 †

 ――一方、その頃、宮廷では。


「女王様!! 大変です!!」

 フェイがいなくなってたった数日。

 女王は、部下たちから立て続けにあらゆる報告を聞いていたが、その全てが何かが動かなくなった、動かせなくなったと言うものだった。

 その多さに、すでにうんざりしていた。

「ええい、今度はなんですか!?」

「宮殿や王都を守護するロイヤルガードたちが動かなくなりました」

 それはさすがに空調が動かなくなったと言う話とはわけが違う。
 暑くても死にはしないが、護衛がいなくなれば命の危険がある。

「バカな! 宮殿の守りはどうなるのです!?」

「機械語を操れるものにプログラミングを依頼していますが、今までのように効率的には動かず、大量の魔法石を消費してしまいます! すでに王宮に貯蔵している魔法石はそこをつきかけています。何卒どこかから調達の許可を!」

 フェイが整備していたものたちは、必ずしも他の者に再現できないものばかりではなかった。
 だが、フェイのプログラミングは効率的で、他の者が作るのに比べて魔力をあまり消費しないようになっていた。

 フェイがいなくなったことで動かなくなったものを、代替しようと思うと、莫大な魔法石を消費するようになってしまうのだ。

「ええい! ドラゴニアを破産させるつもりですか!」

 とうとう女王の堪忍袋の尾が切れた。

「全てあの無能男のせい……ッ!!」

 玉座の肘掛を手で叩き、怒りを表す。

「いますぐに無能通訳を王宮に呼び出しなさい! 王宮を混乱を陥れた罪は重いですよ!」


 †

 
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