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第15章 初めてのわかれ
1 率直な気持ち
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「真斗は私のこと、どう思っているの?」愛海は率直に質問していた。
「どうって、今でも愛海のことが好きだよ。」
「私も真斗のこと好き。でも、今の真斗と付き合うのは嫌。真斗は私とエッチすることが好きで、私のことをそういう対象でしか見ていない気がするの。」愛海は話し出したら、止まらなくなっていた。真斗は空になったコップのストローに口を付けて、黙って聞いていた。
東京から帰って来てすぐに、真斗に連絡を取り会った。まだまだ夏の暑さは収まらず、愛海はタンクトップにミニスカートで真斗に会った。駅前の涼しそうな喫茶店に入り、話をする事になった。客席が一つひとつ仕切られており、周りの話し声は余り聞こえず好都合だった。
「私だって真斗と初めてエッチした時は、嬉しかった。でもそれは、心が通じ合っていて、一つになれたから幸せな気持ちになったの。男の人を愛しいと思ったのも、その時が初めてだった。真斗は好きだって言ってくれたけど、私のどこが、何が好きなの?」愛海は一気にしゃべったが、まだ言い足りない気がしていた。
~真斗~愛海は理屈っぽいな。エッチしたいなら、それでいいじゃん。心と身体は
一緒だよ。でも、茜が言っていた事も気になるし…。
しばらく黙って聞いていた真斗が、ようやく口を開いた。
「愛海は頭で考え過ぎだよ。心が大事って言うけれど、俺の場合は心が愛海の身体を欲しがっているんだよ。何が好きって、愛海とエッチすることが好きで、それが恋愛関係というものじゃないのかな?」話が全然かみ合わなかった。
「やっぱり真斗はそういう考えなんだね。私の気持なんか、解かろうとしない。恋愛は相手のことを好きになって、その結果を身体に求めるんじゃないの?私達も最初はそうして結ばれたのに、今は欲求を満たすだけの関係になっている。恋愛は、お互いの気持ちを理解して、成長していくものだと思うの。」愛海の意見に、真斗はもう沢山だという顔をしていた。
「分かったよ。愛海の気持ちを1番に考えるよ。でも、俺の気持も理解してほしいな。頭で考えているばかりでなく、五官で感じ取ってみようよ。」
「五感?五官?どういうことなの?」愛海は彼の意見を聞いてみようと思った。
「目、耳、口、鼻、皮膚を五官と言って、それらの器官で感じるのを五感と言うんだよ。だから、目で見て好きだとか、耳で声が聞きたいとか、口でキスしたい、手で触りたい、鼻で…そういう感覚が恋愛には大事なんだよ。」いつもの真斗とは違い、説得力があった。このままでは平行線に終わってしまうと愛海は考え、彼のいう五感とやらを試してみようと思った。その上で、この先真斗とどうするか考えようと思った。
~愛海~真斗の言う事はよく解からない。彼の気持ちを理解するためには、何も考
えずにエッチする事なのかな。
喫茶店に入って1時間になろうとしていた。その間、店員がお冷を2度入れに来た。真斗との話し合いに目途を付けるために、愛海は決心していた。
「真斗、行こうか。」と言う私に「どこへ?」と真斗は訊いてきた。
「私、自分の気持ちを確かめてみたくて。真斗の言う五感を試してみよう。」
二人で店を出て、駅へと向かった。三つ先の駅で降りて、駅前から道を外れて歩いて行った。この近辺は歓楽街で、ホテルが数軒建っていた。
「愛海どこへ行くの?この辺はやばいよ。」真斗が柄になく心配していた。
「真斗、前にラブホテルに行きたいと言っていたよね。だから行くよ。」愛海は振り返りもせずに早足で歩き、フェニックスという看板の前で立ち止まった。真斗を先に促し、後ろから隠れるようにして中に入った。真斗も初めてで戸惑っていたが、キーボックスから405の部屋の鍵を取り、エレベーターに乗った。部屋に入るまで、誰とも遭わなかったので愛海はほっとしていた。
~真斗~愛海がラブホに連れてきた。俺とやりたくなったのか?それなら嬉しいが、
何を考えているのか解からない。
「どうって、今でも愛海のことが好きだよ。」
「私も真斗のこと好き。でも、今の真斗と付き合うのは嫌。真斗は私とエッチすることが好きで、私のことをそういう対象でしか見ていない気がするの。」愛海は話し出したら、止まらなくなっていた。真斗は空になったコップのストローに口を付けて、黙って聞いていた。
東京から帰って来てすぐに、真斗に連絡を取り会った。まだまだ夏の暑さは収まらず、愛海はタンクトップにミニスカートで真斗に会った。駅前の涼しそうな喫茶店に入り、話をする事になった。客席が一つひとつ仕切られており、周りの話し声は余り聞こえず好都合だった。
「私だって真斗と初めてエッチした時は、嬉しかった。でもそれは、心が通じ合っていて、一つになれたから幸せな気持ちになったの。男の人を愛しいと思ったのも、その時が初めてだった。真斗は好きだって言ってくれたけど、私のどこが、何が好きなの?」愛海は一気にしゃべったが、まだ言い足りない気がしていた。
~真斗~愛海は理屈っぽいな。エッチしたいなら、それでいいじゃん。心と身体は
一緒だよ。でも、茜が言っていた事も気になるし…。
しばらく黙って聞いていた真斗が、ようやく口を開いた。
「愛海は頭で考え過ぎだよ。心が大事って言うけれど、俺の場合は心が愛海の身体を欲しがっているんだよ。何が好きって、愛海とエッチすることが好きで、それが恋愛関係というものじゃないのかな?」話が全然かみ合わなかった。
「やっぱり真斗はそういう考えなんだね。私の気持なんか、解かろうとしない。恋愛は相手のことを好きになって、その結果を身体に求めるんじゃないの?私達も最初はそうして結ばれたのに、今は欲求を満たすだけの関係になっている。恋愛は、お互いの気持ちを理解して、成長していくものだと思うの。」愛海の意見に、真斗はもう沢山だという顔をしていた。
「分かったよ。愛海の気持ちを1番に考えるよ。でも、俺の気持も理解してほしいな。頭で考えているばかりでなく、五官で感じ取ってみようよ。」
「五感?五官?どういうことなの?」愛海は彼の意見を聞いてみようと思った。
「目、耳、口、鼻、皮膚を五官と言って、それらの器官で感じるのを五感と言うんだよ。だから、目で見て好きだとか、耳で声が聞きたいとか、口でキスしたい、手で触りたい、鼻で…そういう感覚が恋愛には大事なんだよ。」いつもの真斗とは違い、説得力があった。このままでは平行線に終わってしまうと愛海は考え、彼のいう五感とやらを試してみようと思った。その上で、この先真斗とどうするか考えようと思った。
~愛海~真斗の言う事はよく解からない。彼の気持ちを理解するためには、何も考
えずにエッチする事なのかな。
喫茶店に入って1時間になろうとしていた。その間、店員がお冷を2度入れに来た。真斗との話し合いに目途を付けるために、愛海は決心していた。
「真斗、行こうか。」と言う私に「どこへ?」と真斗は訊いてきた。
「私、自分の気持ちを確かめてみたくて。真斗の言う五感を試してみよう。」
二人で店を出て、駅へと向かった。三つ先の駅で降りて、駅前から道を外れて歩いて行った。この近辺は歓楽街で、ホテルが数軒建っていた。
「愛海どこへ行くの?この辺はやばいよ。」真斗が柄になく心配していた。
「真斗、前にラブホテルに行きたいと言っていたよね。だから行くよ。」愛海は振り返りもせずに早足で歩き、フェニックスという看板の前で立ち止まった。真斗を先に促し、後ろから隠れるようにして中に入った。真斗も初めてで戸惑っていたが、キーボックスから405の部屋の鍵を取り、エレベーターに乗った。部屋に入るまで、誰とも遭わなかったので愛海はほっとしていた。
~真斗~愛海がラブホに連れてきた。俺とやりたくなったのか?それなら嬉しいが、
何を考えているのか解からない。
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