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第4章 初めてのキス

1 真斗の部屋

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 夏休みも残りわずか、今日も朝から日差しが強く暑くなりそうだった。愛海は白の前ボタンのワンピースを着ていたが、汗でけるのではないかと気になっていた。駅に着くと真斗が笑顔で待っていた。駅から歩いて10分くらいで、真斗の家に着いた。
 家には真斗の妹の麻実まみが出迎えた。真斗がお互いを紹介すると麻実が、
「お兄ちゃん、今日は茜ちゃん来ないの?」と言うので愛海は戸惑とまどった。
 愛海が居間のソファーに腰掛けて麻実と話していると、真斗が麦茶を持ってきた。その後勉強をするために食卓に移動し、最初は向かい合わせで教えたり教わったりしていたが、いつか二人は隣り合わせになっていた。
 昼食のソーメンを3人で食べ、居間でゲームをしていたが、愛海は脚がしびれそうになったのと、真斗と二人になりたいと思って、
「ねえ、真斗君の部屋は2階なの?ちょっと行って見てみたいな。」と言った。真斗の後に付いて2階に上がり、部屋に案内された。
~愛海~私から誘ったみたいで、真斗は気付いたかな。男の子の部屋に入るのは、
   高校生になった初めて。何かドキドキする。

 壁にはアイドルグループの特大ポスターが貼ってあり、カラーボックスにはコミック本が並んでいた。壁際にはベッド、窓際には勉強机があった。
「暑いからエアコン入れるね。座る所がないから、ベッドに腰掛けて。」と愛海は促されて腰掛けていると、真斗は部屋のドアを閉めて少し間を置いて座った。
「CDでも掛けようか。この前愛海がカラオケで歌っていたアルバムがあるよ。」真斗がCDをセットして、今度は愛海のすぐ右側に腰掛けてきた。
~真斗~愛海が部屋に行こうと言った。二人だけになれたけど、この後どうしたら
   いいかな。今日の目標はキスだ。

 愛海は真斗がすぐ隣にいる事で、落ち着かなかった。辺りを見回していると、カラーボックスの一番下にアルバムらしい物を見つけた。
「ねえ、あれアルバムでしょ。真斗の写真見たいな。」とお願いすると、真斗は何か言いながら渋々とアルバムを取りに行った。真斗と茜が仲良く写った写真が何枚かあり、愛海は二人の幼馴染の結びつきを強く意識した。
 アルバムを見終わると、真斗が愛海の手を握ってきた。
「下に麻実ちゃんがいるよ。」と愛海が躊躇ためらいながら言うと、
「大丈夫。麻実はゲームに夢中になると、周りの音が聞こえなくなるから。」と真斗は言いながら、左手を肩に廻して愛海を引き寄せた。
~愛海~どうしよう。真斗がキスしようとしている。顔を背けて逃げようか。押し
   退けて拒否するか。どうしよう…
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