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第6話 白石冬馬(17歳)のブログ=梅枝七海(17歳)
<1月3日>初デートの後に別れる
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梅ちゃんと二人で出掛けるなんて夢のようで、前の晩は彼女の姿が頭にチラついてよく眠れなかった。そんな時いつもは、キスする顔や裸にした彼女を想像して自慰にふけるが、不謹慎な気がして我慢した。
静岡の浅間神社を参詣してからファミレスに行き、それからは手をつないで歩く事もできた。ようやく梅ちゃんが俺に傾いてくれたという喜びも束の間で、「話したいことがある」と言われて行ったカラオケ屋で振られてしまった。
部屋に入って2曲ずつ歌った所で、彼女が真剣な顔をして告白を始めた。それによると、彼女の心の中に忘れられない人がいて、俺の気持ちには応えられないという事だった。さらに、甘えてばかりで俺を傷付けた事を謝っていた。俺は出る言葉もなく黙って聞いていると、彼女が側に来て手を握ってきた。彼女にしてみたら、精一杯の償いだったのだろう。俺はそれに乗じて、「最後に、ハグしても良いかな?」と断られるのを覚悟で言ってみた。すると、意外にも彼女は、「いいよ、だけど10秒ルールだよ!」と言った。気が変わらない内にと思い、俺は彼女を抱き締めた。女の子の体の柔らかさと髪の毛の心地良い香りに陶酔し、性衝動を必死でこらえた。
正月の三日、冬馬は七海と静岡の浅間神社に出掛けた。神社の参道は初詣の人出でまだ混雑しており、七海は彼の後をようやく付いて歩いた。
「冬馬君、歩くのが早いから、手を引いてくれれば良かったのに!」と七海は、食事をしながら愚痴をこぼした。冬馬はメニューを見ながら、
「手をつないで良かったの?これからでも遅くないよね。」と訊いた。
「うん、いいよ!今日は何でも聞く日だから、手をつないで歩こうか!」
彼は嬉しそうに微笑み、子供っぽい所をうかがわせた。
☆七海☆冬馬君とこうして一緒に歩くとは、今まで考えた事はなかった。わたしが手をつなごうと言うとうれしそうで、おそらく女の子とデートするのも手をつなぐのも初めてなんだろう。異性との付き合いに関しては私の方がよほど経験豊富で、彼の純情さに新鮮な思いに駆られる。☆☆☆☆☆
ゲーセンでプリクラを撮ったり、ゲームをしたりして一時を過ごした。
「もう帰るの?実はわたし、冬馬君に話したいことがあるんだ。」と七海が言い、公園では寒いし、カフェは混んでいるしという事で、二人はカラオケ店に入った。2曲ずつ歌い終わった所で、七海は冬馬の気持ちに応えられない旨を申し述べた。そして、彼の最後の頼みとしてハグする事を承諾した。
☆七海☆冬馬君の真っ直ぐな心を傷付けてしまい、せめてもの償いに彼の頼みを聞いた。その時にキスしたいと言われたらするつもりだったし、体に触れたいと言われたら拒まなかったと思う。さすがにエッチしたいとは言わないだろうと高をくくっていて、彼のハグの要求に応じた。☆☆☆☆☆
短い時間だったが、冬馬は満足していた。
「どうだった?女の子をハグした感想は?」と七海は照れながら訊くと、
「梅ちゃんを抱けるなんて、最高だった!ありがとう。」と冬馬が言った。
「抱くの意味には色々あるけど、冬馬君は女の子とキスとかエッチとかをしたいと思う事があるの?例えば、わたしととか…。」
七海は冬馬がどうという事でなく、一般的な男子の心理を訊ねていた。
「そりゃぁ男だもん、したいよ!梅ちゃんとキスしたかったけど、したらば、それで終わらなくなっちゃうと思って…。」
「冬馬君は、本当に良い人なんだね!ごめんね、変な質問をして。今まで付き合った男子は皆、わたしを性の対象として見てたんだよね。」
「それって、もう経験したってこと?さっき言っていた中学の時の彼氏?」
「違うよ、誤解しないで。高校生になってからの事で、冬馬君が思っているような事はしてないよ。まだ処女だから!ただ、キスはしたかな…。」
☆七海☆冬馬君の大きな身体は温かく、紺野さんに抱かれた時とは違い、全身が包まれているようで心地好かった。それに、彼の前では正直過ぎる自分がいて、余計な事まで口走ってしまった。別れる前の彼に、やるせない思いをさせてしまった事は確かだ。それでも我慢してくれた彼には、幸せな恋愛をしてほしいと思う。☆☆☆☆☆
二人は静岡から一緒に帰って来て、手を振って別れた。七海は彼への申し訳なさはあったが、別れられて安心していた。そして、東京の千宙を思い出していた。
静岡の浅間神社を参詣してからファミレスに行き、それからは手をつないで歩く事もできた。ようやく梅ちゃんが俺に傾いてくれたという喜びも束の間で、「話したいことがある」と言われて行ったカラオケ屋で振られてしまった。
部屋に入って2曲ずつ歌った所で、彼女が真剣な顔をして告白を始めた。それによると、彼女の心の中に忘れられない人がいて、俺の気持ちには応えられないという事だった。さらに、甘えてばかりで俺を傷付けた事を謝っていた。俺は出る言葉もなく黙って聞いていると、彼女が側に来て手を握ってきた。彼女にしてみたら、精一杯の償いだったのだろう。俺はそれに乗じて、「最後に、ハグしても良いかな?」と断られるのを覚悟で言ってみた。すると、意外にも彼女は、「いいよ、だけど10秒ルールだよ!」と言った。気が変わらない内にと思い、俺は彼女を抱き締めた。女の子の体の柔らかさと髪の毛の心地良い香りに陶酔し、性衝動を必死でこらえた。
正月の三日、冬馬は七海と静岡の浅間神社に出掛けた。神社の参道は初詣の人出でまだ混雑しており、七海は彼の後をようやく付いて歩いた。
「冬馬君、歩くのが早いから、手を引いてくれれば良かったのに!」と七海は、食事をしながら愚痴をこぼした。冬馬はメニューを見ながら、
「手をつないで良かったの?これからでも遅くないよね。」と訊いた。
「うん、いいよ!今日は何でも聞く日だから、手をつないで歩こうか!」
彼は嬉しそうに微笑み、子供っぽい所をうかがわせた。
☆七海☆冬馬君とこうして一緒に歩くとは、今まで考えた事はなかった。わたしが手をつなごうと言うとうれしそうで、おそらく女の子とデートするのも手をつなぐのも初めてなんだろう。異性との付き合いに関しては私の方がよほど経験豊富で、彼の純情さに新鮮な思いに駆られる。☆☆☆☆☆
ゲーセンでプリクラを撮ったり、ゲームをしたりして一時を過ごした。
「もう帰るの?実はわたし、冬馬君に話したいことがあるんだ。」と七海が言い、公園では寒いし、カフェは混んでいるしという事で、二人はカラオケ店に入った。2曲ずつ歌い終わった所で、七海は冬馬の気持ちに応えられない旨を申し述べた。そして、彼の最後の頼みとしてハグする事を承諾した。
☆七海☆冬馬君の真っ直ぐな心を傷付けてしまい、せめてもの償いに彼の頼みを聞いた。その時にキスしたいと言われたらするつもりだったし、体に触れたいと言われたら拒まなかったと思う。さすがにエッチしたいとは言わないだろうと高をくくっていて、彼のハグの要求に応じた。☆☆☆☆☆
短い時間だったが、冬馬は満足していた。
「どうだった?女の子をハグした感想は?」と七海は照れながら訊くと、
「梅ちゃんを抱けるなんて、最高だった!ありがとう。」と冬馬が言った。
「抱くの意味には色々あるけど、冬馬君は女の子とキスとかエッチとかをしたいと思う事があるの?例えば、わたしととか…。」
七海は冬馬がどうという事でなく、一般的な男子の心理を訊ねていた。
「そりゃぁ男だもん、したいよ!梅ちゃんとキスしたかったけど、したらば、それで終わらなくなっちゃうと思って…。」
「冬馬君は、本当に良い人なんだね!ごめんね、変な質問をして。今まで付き合った男子は皆、わたしを性の対象として見てたんだよね。」
「それって、もう経験したってこと?さっき言っていた中学の時の彼氏?」
「違うよ、誤解しないで。高校生になってからの事で、冬馬君が思っているような事はしてないよ。まだ処女だから!ただ、キスはしたかな…。」
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二人は静岡から一緒に帰って来て、手を振って別れた。七海は彼への申し訳なさはあったが、別れられて安心していた。そして、東京の千宙を思い出していた。
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