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第一章 初めての交際
1 春のおとずれ
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この坂道を上るのにも大分慣れた。入学したばかりの時は、つらくて仕方なかった坂道だ。慣れたのか、体力が付いたのか分からないが、随分楽に上れるようになって、その分足も太くなったような気がする。
坂の上にある南陽台高校に通って、2年目の4月の新学期である。この時期は桜の並木が迎えてくれる。爽やかな季節と新学期のわくわく感とが、足取りを軽くしてくれる。そしてもう一つ、3月に告白されて付き合うことになった工藤真斗とのこれからに心が弾んでいる。
「おはよう、桐野愛海。」声を掛けてきたのは、自転車に乗った坂上茜だった。
「おはよう、何でフルネームさ。今年も同じクラスだね。よろしく。」私は明るく挨拶を返し、自転車を降りた茜と一緒に校門を目指した。
坂上茜は、1年生の時に同じクラスで、同じ吹奏楽部ということで仲良くなった。茜はクラリネット、私はフルートで、パートは違うものの学校生活の中では一日中一緒に行動している仲だ。私と工藤真斗との交際は、茜の仲立ちがあってのことだった。
坂の上にある南陽台高校に通って、2年目の4月の新学期である。この時期は桜の並木が迎えてくれる。爽やかな季節と新学期のわくわく感とが、足取りを軽くしてくれる。そしてもう一つ、3月に告白されて付き合うことになった工藤真斗とのこれからに心が弾んでいる。
「おはよう、桐野愛海。」声を掛けてきたのは、自転車に乗った坂上茜だった。
「おはよう、何でフルネームさ。今年も同じクラスだね。よろしく。」私は明るく挨拶を返し、自転車を降りた茜と一緒に校門を目指した。
坂上茜は、1年生の時に同じクラスで、同じ吹奏楽部ということで仲良くなった。茜はクラリネット、私はフルートで、パートは違うものの学校生活の中では一日中一緒に行動している仲だ。私と工藤真斗との交際は、茜の仲立ちがあってのことだった。
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