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1章 巡りあい

30 明日へ

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私はヘラはずっと前から、初めて会った時から、イアベトスがルーナの事が好きだと言うことに気がついていた。

逆にルーナヘラがイアベトスを好きなことにすぐ気がついた。
姉はルーナは優秀で優しく私の尊敬する大事な家族。
私の感情にはすぐ気がついたのにイアベトスの好意には気が付いていなかった。きっとルーナはイベアトスに恋愛感情がなかったから気づかなかったようだ。

私はイアベトスの視線の先に常にルーナがいたので気づくのは早かった。
2人のうちどちらかがイアベトスの伴侶となる。能力的にほぼルーナに決まりだろうと私もそう思っていた。
イアベトスのことが好きだけどイアベトスはルーナが好き。私の大好きな2人が伴侶になるなら、私は2人の力になれるよう精進しようと心から2人を祝福しょうと思っていた。

ある日、ルーナに話があると言わた。
それは驚く内容だった。

「ヘラ、私のわがままであなたに迷惑かけてしまうとこになるけど、許して欲しい。」

「お姉さま?どうしたの?許すだなんて」

「…私女神候補辞退します。ヘラに相談もせず、すでに決めてから報告する卑怯な事してごめんなさい。」

「…辞退?どう言うこと?」

「お母様には既に許可をもらっているの、私はこれから、中界人間界で生きることにしたの罰として寿命が削られ魂が輪廻の輪に入るら今後天界には戻ることが出来なくなるの、だから、ヘラに全てを押し付けて逃げる私を許して欲しい本当にごめんなさい」

「後継に関してはお母様が決めたことならがんばります。でも、寿命を削る?天界人ではなくなる?なぜそんなことを?もしお姉様が後継者になりたくないのならそんなことしなくても、私が頑張れば、お母様に話せばそれだけでよかったのでは?」
辞退するだけではそんな代償払うことにはならないはずなのに

「……私…心から愛するかたが出来たの、代償を払ってでも側に居たいの私の魂が求めるの離れたくなって、天界と縁を切ってだも彼の方の側に居たいのごめんなさい。ヘラのイアベトスへの愛を利用する形になってしまうけど、」

愛する人の側にと言うお姉さまは今までになく美しかった。私は側に居たいと言う気持ちがわかる、どんな形でも愛されなくてもイアベトスの側に居たいから。

「お姉さま、私は大丈夫、イアベトス様が好きだから、むしろ嬉しいわ。私、女神としてイアベトス様と供に頑張るわ、お姉様も、中界人間界は野蛮な人が多いと聞くから大変だと思うけど穏やかに過ごせるように祈ってます。」

「ありがとう、イアベトスと頑張って!私も祈ります。ゼノと供に、じゃぁ元気でね!もう会うことはないけどヘラは永遠に愛しい私の妹よ。愛してるわ」

「え!待って、お姉様…ゼノって…」
あっという間に去っていった。
まさか、ゼノって魔王ゼノ?嘘でしょ、

私はこの事をイアベトスに話すことはできなかった。いくらなんでも相手が魔王だなんて。せめて人間にして欲しかった。
愛は種族を超え尊いものだと思っているけど、色々規格外なお姉さまは恋愛も規格外だったなんて。

この事がイアベトスのプライドを刺激することになり私にもどうすることもできずただ見守る事になった。


お姉様が天界を去り、しばらく気持ちの整理がつかなかったのか、イアベトスとは継承の儀まで会うことはなかった。
久しぶりに会ったイアベトスからは以前の明るい表情はなく終始無表情だった。

結婚後も変わらずかと言って邪険にされることなく夫しての義務は果たしてくれた。明らかに寄り添い愛し合う夫婦ではなたったが、穏やかに過ごせていると思っていた。

私が娘と息子を1人ずつ産んだ後から、義務は終わったとばかりに夜を供にすることは無くなった。
それでもいいと思っていた。愛していたから、側にいるだけで、見守るだけで、そんな考えが、イアベトスの暴走を放置しお姉様の幸せな時間を奪うことになるなんて!なぜ、止めなかったのかあの時なら、まだ間に合ったはずなのにと後悔することになった。


結婚して700年ほど経った時に犯した罪
その後、お姉様の転生先を探し生まれ変わったお姉様がまた、生まれ変わったゼノと巡り合い愛し合ったことに憤り2人の結婚式直前にお姉様達に恋慕してる者を巧みにそそのかし命を奪った。僅か転生してからお姉様が18目年ゼノが28年。この時のことはお母様から聞いているひどい状態だったと、それから1000年ほど経ち再びお姉様たちは転生した。

今度こそ穏やかに過ごせるように願い私はイアベトスが中界人間界に降りることがないようにきを配っていたが、いつの間にか降りて、何か画策しているようだったから止めるために義父であるウラノス様に許可をもらい中界人間界
に降りた時はもうすでに遅かった。

まさか、召喚魔法を使ってるなんて、間に合わなかった。すでに代償が発動していた。


___ゴホゴホ__

「イアベトス様、迎えにきましたよ。帰りましょう」
力なく地面に座ってるイアベトス様を抱きしめた。

「今更、どこに帰るんだ」

「決まってるでしょう、貴方の帰る場所は私の所でしょ」

「ヘラ、私はもう長くないし、たくさん罪を犯してしまった。罪のない人間を巻き込んで己の欲のために利用した。」

「わかっていらしたのでしょう?後悔していらしたのでしょう?ただ、認めたくなくて意地を張りすぎて引き返せなくなったのでしょう?お姉様に対する感情は愛ではなくなったことに。見て欲しい、気が付いて欲しい、認めて欲しいという承認欲求だったこと」

「……すまない、私は、私より天の神になる私より、たかが、魔族に劣るのかとあんな奴に負けるのかとルーナを愛してるのは私だと、ルーナの選択を認めてしまうと、私の方が劣ると認めるようでどうしてもできなかった。ルーナを愛していたから、だが、ゼノのルーナを思う愛の大きさに負けているとすぐ気付いたんだ。すでに思いすら負けていたのかと。あの2人はお互いに愛の為に簡単に受けられる恩恵の全てを捨てることができた。ふふ、すでに勝負はついていたのにな、ゴホッ」



「イアベトス様、残りの時間は私と2人のんびり中界人間界でやり直し、しませんか?お姉様の過ごすこの世界で供に天界、中界、のしがらみを捨てて私と供に」

「ああ、そうだな、」
イアベトス様は以前のような穏やかな笑みをうかべていた。

「さぁ、旦那様、行きましょう、ここからが本当の私たちの新婚生活ですよ」
そういうと(こんな私を愛してくれてありがとう)と小さな声が聞こえた。


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