普通の新婚生活が送りたい。

1章 巡りあい

7 [逸話]国王とイーデン＝ノワール（父）の呟き

～国王の独り言～
無事と言えるのだろうか？年が離れている弟を憂いだ。本来なら式後の祝宴で酒を交わしてるはずが、真っ直ぐ大公邸に向かったと聞く。事前にルークより誓約書について報告は受けているから、セレスティアは無事であろうが、むしろアイザックは、、。

こんなことになるとは、事前に会わせておくべきだった。まさか当日まで顔合わせせず式を迎えるとは誰が思うであろう。

おまけに一目惚れの挙句の暴走、キスの後のあのアイザックの蕩ける眼差し、無表情男が落ちるとああなるのかと、見惚れるくらい甘い顔だった。が、恐らく、愛しい妻と初夜も迎えられず夜を共することなくしばらくは淋しい一人寝であろう、アイザックが愛を知ることになって嬉しいんだが、初恋が妻に片想いとはなんとも複雑である。

～イーデン＝ノワールの独り言～
ティアの式直前まで迷いがあった。本当に良かったのかと、ティアの能力は他国の王族までもが欲するようになった。容姿はさることながら人柄も多くの者を惹きつけてしまう。本人は鈍く気がついていないがここ数年多くの求婚で困っていたところに帝国の皇太子がお忍びで我が国を訪れた時にティアを見初めて皇妃として迎えたいと言っていたと報告があり婚約者もいない状態では求婚書が届いてからでは遅いし婚約者も普通の貴族では断ることもできない。

しかし、我が国の王太子はダメだ、次期王としての質はあるが、相手は選んでいるようだが下半身に節操がない、レイ皇国皇太子の方が誠実で良いが、帝国は遠い、いっそ家族で移住でも良いかと、思っていたら、大公殿下と結婚して欲しいと国王に打診された。確かに女性関係は見事なまでに綺麗だが、、むしろ氷の将軍と言われるくらいだぞ！

ティアはお気楽スローライフが送れそうだとしっかり誓約書を交わしたそうだが、肝心の殿下は内容を見もせずサインしたそうだ。ティアの好きにさせれば良いと執事のルーク任せにしてたらしいが、、笑笑

式の最中に花嫁（ティア）に一目惚れし、あの氷がデロデロに溶けた様を見て、間違いなくティアを大切にしてくれるだろうとひとまず安堵した。が、あの、ティアをどう落とせるか見ものだな　ｸｸｸ


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